キンキーブーツ_(ミュージカル)
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この項目では、ブロードウエイ・ミュージカルについて説明しています。2005年に制作されたコメディ映画については「キンキーブーツ」をご覧ください。

キンキーブーツ
Kinky Boots
作曲シンディ・ローパー
作詞シンディ・ローパー
脚本ハーヴェイ・ファイアスタイン
原作映画『キンキーブーツ』(2005年)
上演2012年、シカゴ
2013年、ブロードウエイ
2014年、全米ツアー
2014年、韓国
2015年、トロント
2015年、ウエスト・エンド
2016年、日本
他、海外プロダクション
受賞トニー賞 ミュージカル作品賞
トニー賞 オリジナル楽曲賞
ウェブサイトhttps://www.kinkybootsthemusical.com/
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『キンキーブーツ』(Kinky Boots )は、トニー賞およびグラミー賞受賞者シンディ・ローパーの作詞作曲、トニー賞受賞者ハーヴェイ・ファイアスタインの脚本によるブロードウエイミュージカル。実話を基にしたジェフ・ディーンとティム・ファースの脚本による2005年の映画『キンキーブーツ』を基にしている。

主人公はイギリスの倒産しかけている靴工場のお堅いオーナーであるチャーリーと、後に事業の救世主となるドラァグ・クイーンのローラである。チャーリーとローラは初めは仲が良くなかったが、工場がこれまでの紳士用フォーマル靴製造からドラァグ・クイーン用の靴製造へ移行する計画を実行する過程で、互いにそれほど違いがないことに気付く。

2006年にミュージカル化の計画が始まり、2010年までに製作 チームが決定した。2012年10月、シカゴにあるバンク・オブ・アメリカ劇場にてジェリー・ミッチェルの演出および振付、チャーリー役にスターク・サンズ、ローラ役にビリー・ポーターが配役されてミュージカル『キンキーブーツ』が初演された。2013年にはブロードウエイに進出し、3月3日からのプレヴュウ公演を経て4月4日から正式に上演されている。2014年から全米ツアーが行なわれている。

2013年に公開されたブロードウエイ作品ではミュージカル『マチルダ』が好評であり、『キンキーブーツ』は劇評および興行収入でやや低評価であった。しかし公開から1ヶ月以内に週間興行収入に見る観客数はライバル作品を上回り、その後のトニー賞発表後は爆発的ヒットとなった。トニー賞では年間最多の13部門にノミネートされ、ミュージカル作品賞、ローパーへのオリジナル楽曲賞を含む6部門を受賞した。ローパーにとってブロードウエイ作品の初作曲であり、オリジナル楽曲賞初の単独女性受賞者となった。キャスト・アルバムはビルボードのキャスト・アルバム・チャート初登場第1位、Billboard 200初登場第51位を獲得した。

この作品のオリジナルプロデューサーの1人川名康浩は、2013年日本人初となるトニー賞ベストミュージカルを受賞、またウエスト・エンド (ロンドン)公演にもプロデューサーとして参加し、2016年ローレンス・オリヴィエ賞・最優秀新作ミュージカル賞を受賞した。[1][2]
背景および製作

ミュージカル『キンキーブーツ』は、1999年のBBC Twoのドキュメンタリー『Trouble at the Top 』のエピソードを基にした同名映画『キンキーブーツ』に着想を得た[3]。実話を基にしており、ドキュメンタリーのエピソードは閉鎖寸前の家族経営の靴工場であるW・J・ブルックス社のスティーヴ・ペイトマンに焦点を当て、再起をかけて紳士靴工場から「Divine Footwear 」というブランドで男性用の個性的な靴を製造する話であった[4][5]。トニー賞受賞プロデューサーのダリル・ロスは[6]、2006年のサンダンス映画祭でこの映画を鑑賞し、そのハートと精神性に心を惹かれた。そのテーマは彼女の心に残り、ミュージカル作品としての見込みがあると考えた。それとはまた別にホル・ラフティグはロンドンでこの映画を鑑賞し、その「ハートと人間性(そして存在感のある「レディ」)はミュージカル化によく合っている」と考えた[7]。年内にロスはトニー賞およびローレンス・オリヴィエ賞受賞プロデューサーのラフティグと組んで舞台化権を手に入れた[8][9]

2008年半ばまでに、ロスとラフティグは将来性のある演出家のジェリー・ミッチェルと会議を重ねたが、まだ脚本家が決まっていなかった[10]。ロスが映画のDVDをミッチェルに送ると、彼はこの作品に夢中になった[11]。ロスとラフティグはミッチェルを演出に、ハーヴェイ・ファイアスタインを脚本に採用した[8][12]。ミッチェルはファイアスタインとシンディ・ローパーが友人であることを知っており、ミュージカル製作の最高のチームになることを確信していた[11]。ファイアスタインはこれに同意し、「ミュージカル化の機会において、音楽性に幅がありショーの音楽と共に「クラブ・ミュージックを書ける人」」を考えて最終的にローパーに作曲を打診した[5][13]。2010年6月、ローパーは製作チームに参加した[14]。『キンキーブーツ』以前、ローパーはアルバム『Memphis Blues 』を手掛け、ファイアスタインは『ニュージーズ』製作中であった[13]。ローパーにとって、2006年にブロードウエイでRoundabout Theatre Company の『三文オペラ』に出演するなど舞台出演経験はあるが、『キンキーブーツ』はローパーにとってミュージカル作品初作曲となった[15][16]。ファイアスタインはこれまで『ラ・カージュ・オ・フォール』、『Torch Song Trilogy 』など、ドラァグ・クイーン関連作品を手掛けたことがあった[17]。ローパーはドラァグ・クイーンに共感すると語っていた[18]

ファイアスタインとローパーはそれぞれの分野で高い称賛を受けている。ファイアスタインは『Torch Song Trilogy 』で男優賞および脚本賞、『ヘアスプレー』で男優賞、『ラ・カージュ・オ・フォール』で脚本賞とトニー賞4部門を受賞した。ローパーはチャート上位に入るシンガーソングライターおよび女優であり、グラミー賞、エミー賞など多くの賞を受賞している[19][20][21]。ファイアスタインは映画の舞台化において、工場再建物語から工場再建を歌い語るドラァグ・クイーン物語に変えると記した[5][11]


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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