キロ級潜水艦
[Wikipedia|▼Menu]

キロ型潜水艦
水上航行するキロ型潜水艦
基本情報
建造所ルービン設計局

第199 "Krasnoe Sormovo"造船所, ニジニ・ノヴゴロド (ゴーリキー)

第112,"imeni Leninskogo Komsomola"造船所, コムソモリスク・ナ・アムーレ

"Leningradskoe Admiralteyskoe Obedinenie" (Admiralteyskie Verfi)造船所, サンクトペテルブルク(レニングラード)

"Severnoe Ma?inostroite?noe Predprijatie"造船所, セヴェロドヴィンスク

運用者 ロシア海軍 20隻
 インド海軍 9隻
 イラン海軍 3隻
 インドネシア海軍
 ポーランド海軍 1隻
 ルーマニア海軍 1隻
 アルジェリア海軍 4隻
 中国人民解放軍海軍 12隻
 ベトナム人民海軍 6隻
就役期間1982年4月-現在
建造数59隻 (現役48隻、退役10隻、喪失1隻)、建造中6隻
前級タンゴ型潜水艦
次級ラーダ型潜水艦
要目
排水量水上: 2,300-2,350 t
水中: 3,000-3,950 t (満載時)
長さ70.0 - 74.0 m
吃水6.5 m
主機ディーゼル発電機x×2基
航行用電動機×1基
推進器固定ピッチスクリュープロペラ×1軸
出力ディーゼル発電機(1,000kW)
電動機(5,500-6,800kW)
速力水上: 10-12 ノット
水中: 17-25 ノット
航続距離シュノーケル使用時: 7ノットで6,000-7,500マイル
潜行時: 3ノットで400マイル
全速時: 21ノットで12.7マイル
航海日数45日
潜航深度240 m (運用時)
300 m (最深)
乗員52名
兵装6/553 mm 魚雷発射管
魚雷巡航ミサイル計18本
機雷24基
SA-N-8 Gremlin8機、またはSA-N-10 Gimlet 地対空ミサイル8機 (輸出用には対空兵器は装備されていない可能性がある)
テンプレートを表示

キロ型潜水艦(キロがたせんすいかん Kilo class submarine)は、ソヴィエト/ロシア海軍通常動力型潜水艦である。非常に静音性に優れている潜水艦と言われている。

キロ型はNATOコードネームであり、ソ連海軍の計画名は877型潜水艦(パールトゥス)(Подводные лодки проекта 877 "Палтус")[1]であるが、自国用・輸出用も含めヴァルシャヴャンカ("Варшавянка":ワルシャワンカ(ワルシャワ労働歌の意)のロシア語表記)という愛称の方が広く用いられている。同型の改良版は西側諸国では改キロ級(Improved Kilo)と呼ばれ、この型式のロシア側名称は636号計画である。アメリカ海軍では改キロ級をKILO-Bと呼称する。
概要浮上航行するキロ型潜水艦

本級はもともと、原子力潜水艦を補完し、自国沿岸で対潜警戒任務を行う目的で計画された。搭載したミサイルにより水上艦や地上目標も攻撃でき、フォックストロット型ロメオ型の後継として多くの友好国へも輸出されている。

最初の艦が就役したのは1982年で、当初は極東方面のコムソモリスク・ナ・アムーレで建造されていたが、のちに内陸部のニジニ・ノヴゴロド(旧ゴーリキー)でも建造されるようになり、輸出用のものはサンクトペテルブルク(旧レニングラード)で建造された。シクヴァルスーパーキャビテーション魚雷の運用が可能なディーゼル・エレクトリック推進潜水艦である。

司令塔に艦対空ミサイル(SAM)の発射装置が装備されており、射程3海里程度の携帯SAM「SA-N-8 Gremlinまたは9K38 イグラ(Igla、NATOコードネームSA-16ギムレット)」を18発搭載している。原潜も含めて、自衛用の対空ミサイルを搭載するのはソビエト・ロシア潜水艦の特色の一つだが、発射は浮上時のみで、潜航時の発射能力は今のところないと言われている。

静粛性が高いのも大きな特長である。特にロシア海軍の純正のキロ型は非常に静粛性に優れ、パッシブソナーによる被探知距離は500m程度であろうと言われている。しかし、寒冷なロシア近海での運用を想定して設計されているため冷却機構が弱く、インドイラン等に輸出されているものは、独特の冷却ポンプの騒音で探知されると言われる。

877型の改良型の636型は、エンジンの出力を向上させたターボディーゼル機関に換装している。これによりフル充電の時間を約20分程度短縮することに成功している。また推進用プロペラを6翼から7翼ハイスキュード型に変更しており、これにより推進モーターの回転数を半分に抑え騒音レベルを低減している。
設計と装備
船体

船体は涙滴型船型、複殻式構造となっており、長さ51.8 m、直径7.2 m の耐圧船体(内殻)は水密隔壁により6つの区画に区切られている。外殻の外側は1枚0.8m四方のゴム製吸音タイルで覆われており、探信音の反響軽減と、船体内部からの騒音遮蔽に効果が見込まれている。[2][3]船体上部に直径614 mm のアクセスハッチが3箇所設けてある。

操舵装置として縦舵、横舵と潜舵を装備している。セイル直前の船体上部に引き込み式の潜舵が設置、艦尾の操舵部分は変形の『十文字型』と言え、下部のみの縦舵と横舵の3枚で操舵が行われる。後舵、潜舵はPirit-23油圧系統により制御される。

主たる推進装置に、877型は6翼のスクリュープロペラを装備し、877LPMB型、636型は7翼のハイスキュード・プロペラに替え静粛化を図っている。


次ページ
記事の検索
おまかせリスト
▼オプションを表示
ブックマーク登録
mixiチェック!
Twitterに投稿
オプション/リンク一覧
話題のニュース
列車運行情報
暇つぶしWikipedia

Size:55 KB
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
担当:undef