キレる17歳
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キレる17歳(キレるじゅうななさい)とは、2000年平成12年)及びその前後に相次いで発生した凶行を起こした、17歳前後(1982年昭和57年〉度から1986年〈昭和61年〉度生まれ)の少年を指した語。特に1982年(昭和57年)生まれと1983年(昭和58年)生まれの少年凶悪犯がこう呼ばれた[1]。また、これと同世代の者が「キレる17歳世代」「理由なき犯罪世代[2]」「酒鬼薔薇世代[3]」等と呼ばれることがある。

「キレる17歳世代」は現在も使われている呼称である[4]が「プレッシャー世代」[5][6]「ミニマムライフ世代」[7]「プレゆとり世代」等と呼ばれることもある(#成長過程も参照)。

本項では同世代の特徴についても解説する。
概要

2000年(平成12年)に相次いで発生した世間で注目された凶行の犯人が17歳前後で、1998年(平成10年)の栃木女性教師刺殺事件以後に青少年に浸透していた「キレる」という語が流行した。1982年(昭和57年)生まれのある女性は、神戸連続児童殺傷事件(酒鬼薔薇事件)が起きた際、学校で「同級生の犯罪」について作文を書かされたという[8]。また、1982年(昭和57年)生まれが中学生の時は、いじめ社会問題となっていた[9]

2000年(平成12年)に世間から注目される少年事件が多発したことにより、少年犯罪の厳罰化を意図した少年法改正案が2000年(平成12年)11月28日に成立して2001年(平成13年)4月1日から施行された。

2000年(平成12年)の流行語大賞候補に「一七歳」がノミネートされ、トップテン入賞となった[10]。また、2001年(平成13年)にはこの年代にスポットを当てたテレビ朝日系ドラマ「R-17」が放送された。

18歳未満の犯罪は少年法第51条において、死刑に該当する犯罪は無期刑への減軽にしなければならず、無期刑に該当する犯罪は10年から15年までの有期刑への減軽ができると規定されている。2001年(平成13年)3月31日までの少年法の規定では、18歳未満に無期刑に該当する犯罪は懲役15年までの有期懲役に減刑しなければならなかった。
成長過程 
青年期

この世代は、社会への関心を抱く頃にはすでにバブル崩壊が起きていて、成長過程で「失われた10年」を目のあたりにしている。様々な場面状況に耐えてきて、比較的プレッシャーに強い世代ということから『プレッシャー世代』[5][6]と名付けられた。また、同時期の世代名として『ミニマムライフ世代』[7]『はざま世代』と呼ばれることもある。日本の景気の良かった時代を知らないという時代背景により、生きていくことにプレッシャーがあることを当然と思って育ってきたと言われている。

一方、明るさの中にもピリッとした一面もあって、ここ一番で力を発揮する人が多いと評価される世代でもあり、ネット界、ビジネス界、学問分野ではこの世代の台頭が注目されている。友人を大切にし、生活への満足度が高いとされる[11]。無気力な世代ではないが、彼らが生きてきた時代・背景に強く影響され「人生に手ごたえが欲しい」という相反する感情も持っている。

バブル崩壊や阪神淡路大震災、就職活動時には高卒就職者を中心に氷河期を経験している受難の世代。お金の使い方に関しては、子供の頃から「きちんと貯金しなさい」と親に言われて育っているため、消費に消極的である。「生活にかかるお金と時間の量を節約しよう」という現実的な意識が強く、堅実に貯蓄をして「必要最低限の生活=ミニマムライフ」を好む。2017年の平均年収は455万円。社会人になるタイミングで終身雇用制度が崩壊し、非正規雇用も増加したこと、さらに20代の頃にはリーマン・ショック東日本大震災も経験したことなどから、一定の生活水準を保つことに対するこだわりが強い。

考え方としては、生活や人生を縛るものを持ちたくない「ラク」が一番、傷つくのが嫌い、損をするのが嫌い、人生に手ごたえを求めている、などが挙げられる[5]
新教育 『新学力観』『生きる力』

小学校1992年度施行、中学校1993年度施行、高等学校1994年度施行の学習指導要領による教育を受けた世代と途中から小中学校1998年度施行、2002年度施行から実施、高等学校1999年度施行の学習指導要領による教育を受けた世代は(1982年4月2日?1991年4月1日生まれ)を指す。

新学力観』小学校6年間の総授業時数は5785コマで、国・算・理・社・生活の合計授業時数は3659コマ。中学校3年間の総授業時数は3150コマ。

生きる力』小学校6年間の総授業時数は5367コマで、国・算・理・社・生活の合計授業時数は3148コマ。中学校3年間の総授業時数は2940コマ。

1992年9月に公立学校は第2土曜日が休みとなり、1995年4月以降は第4土曜日も休みとなった。
誕生

この世代はしらけ世代断層の世代(1950年代生まれのポスト団塊の世代と1960年代前半生まれのノンポリ世代)を親に持つ者が多い。

1982年 「ホテルニュージャパン火災」「日本航空350便墜落事故」公衆電話でテレホンカードが使用可能となる。

1983年 「東京ディズニーランド開園」「任天堂から家庭用ゲーム機ファミリーコンピュータ発売」

1984年 「グリコ・森永事件」『新紙幣発行』 『コアラブーム』オーストラリアからコアラ6頭が日本に初めて上陸。

1985年 「男女雇用機会均等法制定」「NTT携帯電話ショルダーフォン発売」「青函トンネル本坑貫通」「日本航空123便墜落事故

1986年 「おニャン子クラブ」「キャッツ」「子猫物語」「マイケル」などネコブーム。ハレー彗星が76年ぶりの地球接近。ビートたけしたけし軍団によるフライデー襲撃事件

1987年 「NTT株式上場」「国鉄分割民営化JR」「利根川進 ノーベル生理学賞受賞」「エイズ問題深刻化」

1988年 「リクルート事件」「青函トンネル瀬戸大橋が開業」「一本列島」「東京ドーム開業」

1989年 昭和天皇崩御日本国憲法及び皇室典範に基づき皇太子明仁親王皇位継承。元号法並びに「元号を改める政令(昭和64年政令第1号)」に基づき、「平成」に改元。「昭和天皇大喪の礼」、4月1日より「消費税施行(3%)」『ベルリンの壁崩壊」「東欧革命

1990年 「天皇明仁即位の礼即位礼正殿の儀」「大学入試センター試験導入」「東西ドイツ統一」「スーパーファミコンゲームギア発売」

幼少期

1989年平成への改元後に小学校に入学した世代である。小学生時代、1991年に「バブル崩壊」。それ以降は、「失われた10年」の間に思春期を送る。長い間「就職氷河期」が続く。1995年に「阪神・淡路大震災」や「オウム真理教事件」。1996年には大阪府病原性大腸菌の「大腸菌O157」が発生し全国各地に広がる。1997年消費税法により「消費税5%増税」がなされる。また、前述の「神戸連続児童殺傷事件」(酒鬼薔薇事件)も発生。1998年には「和歌山毒物カレー事件」が発生する。

プレッシャー世代は、スーパーファミコンNINTENDO64ゲームボーイゲームボーイカラープレイステーションなど、家庭用ゲームが流行り始めた時代であり、部屋に閉じこもってゲームばかりしている子供が多くなったことから、キレる子供が問題視された時代でもある。この事から1998年に「キレる」という言葉が一般化する。
学生時代

中高生時代の世紀の変わり目の頃、1999年「ノストラダムスの大予言」「東海村JCO臨界事故」、2000年「雪印集団食中毒事件」、2001年「アメリカ同時多発テロ事件」など不安に悩まされる事象や事件、天災が続発。経済事情や世相の変化が大きく影響して、「何が起きてもいいように備えよう」という危機感が強い。プレッシャー世代は、ブルマのようなショートパンツからハーフパンツに変わったり、ゆとり教育に途中から変わったり、携帯電話といったITが主流になり始めた時代で育ってきた(デジタルネイティブ)ことから、柔軟性に長ける[12]
18歳?15歳(女子高生)

この世代はコギャルブームが古い(ダサい)と考える人が多く、新しく生み出したのがガングロである。ガングロは1990年代後半(1998年)?2000年初頭(2003年)頃をピークに、若い女性の間で流行した髪の毛を金髪かオレンジ色に脱色し、肌を黒くするというスタイルのオルタナティブ・ファッション。渋谷や池袋で流行したものがガングロ・ファッション。当時はこの事を『ガングロ世代』と言っていた。また、ガングロから発展したスタイルに、ヤマンバやマンバがある。これは、真っ黒な肌と白い唇、淡い色のアイメイクをほどこし、眼の下にはメタリックなラインストーンをつけたり、明るい色のサークルコンタクトをつけるというのが特徴だった。原色の衣服にミニスカートを履き、厚底ブーツもしくはサンダルを履き、集団行動していた。その他は、ビビンバ、白ギャル、スポギャル、アルバカなどがある[13]。また、この世代は女子高生の制服に合わせる靴下がルーズソックスから紺のハイソックスに移行する時期に高校時代を過ごした世代でもある。1982年度生まれが高校に入学した1998年4月頃はまだまだルーズソックスの流行の全盛期であったが、1990年度生まれが高校を卒業した2009年3月頃には既にルーズソックスの流行は過ぎ去って、紺のハイソックスが主流となっていた。
分析

実際には未成年による殺人事件などの重犯罪発生件数および10歳から20歳未満の少年人口10万人当たりの殺人事件などにおける少年刑法犯検挙人員比率を年次別の統計で見た場合、2000年(平成12年)に目立った少年犯罪の増加は見られない[14]新潟青陵大学大学院の碓井真史(犯罪心理学)も「統計を見ても、82年生まれに犯罪者が多いというわけではない。殺人など凶悪犯罪の件数は年々減っているわけで、82年世代の事件に、たまたま印象に残るものが多いというだけ」と語っている[1]

碓井真史は1982年(昭和57年)生まれの犯罪が注目されやすいことについて、「82年世代は高度成長期が終わり、豊かで合理的な時代に生まれた人たち。容疑者に共通するのは、もともとは優秀だったこと。優秀な人たちが合理的な時代に適合できず、何らかの理由で挫折し『こんなはずではなかった』という思いが、犯罪に走らせている」と分析し、1982年(昭和57年)生まれの犯罪が注目されることが多いことについて「犯罪心理学の調査で、猟奇殺人快楽殺人、親殺しなどは教育水準の低い貧困地域ではなく、先進国の中流層で起きることが分かっている。合理的で豊かな社会環境だからこそ、一般には理解しがたい凶悪事件が起きている」と語っている[8]


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