キリストの地獄への降下
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フレスコ画イコン復活』。現在はカーリエ博物館となっている、ホーラ(コーラ)修道院の聖堂内、湾曲した天井に描かれている。主ハリストス(キリスト)がアダムエヴァの手を取り、地獄から引き上げる情景を描いたもの。このハリストスの地獄降りのイコンが、正教会においては復活大祭のイコンとして定着している[1] 辺獄へのキリストの降下』(画:Andrea di Bonaiuto、1365年 - 1368年の間)。地獄降下とは辺獄への降下を意味するという、中世ローマ・カトリックにおける最も一般的な解釈により描かれている。

キリストの地獄への降下[2](キリストのじごくへのこうか、ギリシア語: Κ?θοδο? του Χριστο? στον ?δη, ラテン語: Descensus Christi ad Inferos, 英語: Descent into Hell, ドイツ語: Hollenfahrt Christi, ロシア語: Сошествие Христа в ад)とは、キリストが死後地下にある死者達の国(地獄、黄泉、陰府)を訪れたとキリスト教において信じられている事柄[3][4][5][6]

特にペテロの手紙一 3:19[3][4][5][7]が聖書に記されている箇所として言及されるほか、同じくペテロの手紙一 4:6[3][5]、またエフェソの信徒への手紙 4:9[4][7][8]にも記されているとされる。現代聖書学の場面では、同聖書箇所を地獄降りの根拠とする解釈を認めないのが通説とされるが[9]正教会においては現代でも同聖書箇所をハリストス(キリスト)の地獄降りの根拠とする[3][8]

本概念の呼称としては単に「地獄降り」[10]「地獄降下」[11]とも言われるほか、「陰府降下」[4]「黄泉降下」[5]「黄泉降り」[10]といったものがある。これは、キリスト教においてギリシア語: ?δη?(古典ギリシャ語再建音: ハデース、現代ギリシャ語転写: アディス)の訳語に、「地獄」[12]「陰府」[13]「黄泉」[14]「冥府」[15]「ハデス」[16]など複数のバリエーションがあることを反映するものである。


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