この項目では、主にシカ科の動物について説明しています。現代の羌族については「チャン族」を、古代の羌族については「羌」をご覧ください。
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キョン
キョン Muntiacus reevesi
保全状況評価[1]
LEAST CONCERN
(IUCN Red List Ver.3.1 (2001))
分類
キョン(羌、英名:Reeves' muntjac、学名:Muntiacus reevesi、中国名:小?、山羌、??)は、哺乳綱偶蹄目(鯨偶蹄目)シカ科ホエジカ属に分類されるシカの一種[5]。環境省指定特定外来生物。
学名や英語名は東インド会社の茶の鑑定人で、1812年に広東を訪れ、この種の記録を残したイギリス人ジョン・リーヴス(英語版)にちなむ[6]。タイワンキョンとも呼ばれる[7]。 中国南東部及び台湾に自然分布[1][5]。模式産地は広東省広州市[2][3]。日本(房総半島、伊豆大島)やイギリスに移入[6][8]。 日本での化石記録はないが、リュウキュウムカシキョン(Dicrocerus sp.)の化石が琉球列島で見つかっている[9]。 体色は茶褐色で、覆面は黄色を帯び、四肢は黒褐色[5]。眼の上から頭頂部にかけて黒い線がある[5]。 体長47-70cm、体高45-50cm、体重12-17kg[5]。オスにのみ短い角(2尖の7?8cmの角で内側に湾曲)と牙(上顎犬歯)がある[5]。目の下方に臭腺 歯式は、0/3・1/1・3/3・3/3=34[9]。 2亜種[5]ないし3亜種とする説もあったが[2]、IUCN (2016) では以下の4亜種に区別される[1]。分布はIUCN (2016) に[1]、亜種の命名者はGrubb (2005)・Groves & Grubb (2011) に従う[2][3]。 また、学名未決定の亜種としてYunnan form(雲南省東部)およびShaanxi/Gansu form(陝西省南部、甘粛省南部)の2亜種を認める説もある[1]。 森林や藪を好んで生息し、群れは形成せず単独で生活していることが多い[5]。草食性で木の葉や果実などを食べる[5]。繁殖形態は胎生で1回に1匹の幼体を出産する(妊娠期間は209?220日、新生仔の体重は550?650g)[5]。特定の繁殖期はなく、雌は1年を通じて繁殖する[10]。周年繁殖であるが4月から7月にかけて出産が多い[5]。イヌに似た声で鳴く[5][11]。 飼育下で19年8か月生存した記録がある[5]。 イギリスなどで移入された個体が野生化しているほか、日本でも伊豆大島や千葉県の房総半島(1980年頃)で動物園等から逃げ出した個体が野生化して分布を広げている[5]。2005年に外来生物法により特定外来生物に指定されたため、許可なく日本国内に持ち込んだり国内で飼育したりすることは禁止されている[12]。千葉県と伊豆大島の両地域では、キョンによる農作物被害(イネ、トマト、カキ、ミカン、スイカなど)が発生している[13]。自然植生の食害も懸念され、ニホンジカが嫌って食べないアリドオシを採食する[13]。さらに、人家の庭にまで侵入して樹木や花を食べ漁ったりする[14]。
分布
形態
分類
Muntiacus reevesi jiangkouensis Gu and Zu, 1998
中国大陸
Muntiacus reevesi reevesi (Ogilby, 1839)
中国大陸
Muntiacus reevesi micrurus (Sclater, 1875)
台湾
Muntiacus reevesi sinensis (Hilzheimer, 1905)
安徽省、浙江省
生態
外来種問題
千葉県
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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
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