この項目では、野外で生活することについて説明しています。その他の用法については「キャンプ (曖昧さ回避)」をご覧ください。
近代的なキャンプを始めた人物として名が挙げられることがあるThomas Hiram Holding
キャンプあるいはキャンピング[1](英: camping[注 1])とは、野外で一時的な生活をすること[2]。野営、露営、宿営ともいう。 キャンピング(キャンプ)は、野外での一時的な生活を指している。ラテン語の「campus」(カンプス)、フランス語の「champ
概説
現在ではキャンピングと言うと、テントや即席の小屋状建築物での滞在を指すことが多いが、実際には特に限定はなく、岩窟などの自然地形を利用して生活することや、簡単なツェルトなどでの一時的なビバーク、積雪期に雪洞を掘りそこで過ごすなど、広義には、野外、屋外で一時的に生活すること全般を指す[2]。
キャンプは特に自然の中で活動するからこそ大きな効能がもたらされると考えられている。都市から離れた大自然の中での生活は、都市での日常行動を打ち破る創造的行動が要求され、また自然と接する内に、その美しさや厳しさを知ることも出来る[2]。またキャンプの一連の活動の中で登山、釣り、水泳などの活動をする内に、身体を鍛えることも出来る[2]。 人類学などでは、もともと人類はその歴史のほとんどを狩猟採集生活をし、移動して過ごしてきた、とされている。同じく狩猟採集生活をしていた北米の先住民(インディアン)たちのうち、平原で移動生活を行う者たちはティピーを張り、その中で生活をしていた。北欧の地には古代からサーミ人がおり、(ティピーに似た)テントで生活していた。ローマ帝国軍の軍人・兵士たちは遠方の戦地に向かい、数か月から数年の間、そこで滞在しつつ様々な軍事行動を行った。彼らは木の棒を立て、そこに布(や皮)を張るテントを使用していたらしいことが遺物などによって判っている。ユーラシア大陸の東側ではモンゴル人がゲルを用いて遊牧生活を送っていた。ゲルは移動式でありながらかなり大掛かりで、本格的な住居としてきわめて快適な住環境をもたらす。こうして自然の中で自在に移動しつつ生活することができた。@media all and (max-width:720px){.mw-parser-output .mod-gallery{width:100%!important}}.mw-parser-output .mod-gallery{display:table}.mw-parser-output .mod-gallery-default{background:transparent;margin-top:.3em}.mw-parser-output .mod-gallery-center{margin-left:auto;margin-right:auto}.mw-parser-output .mod-gallery-left{float:left;margin-right:1em}.mw-parser-output .mod-gallery-right{float:right}.mw-parser-output .mod-gallery-none{float:none}.mw-parser-output .mod-gallery-collapsible{width:100%}.mw-parser-output .mod-gallery .title,.mw-parser-output .mod-gallery .main,.mw-parser-output .mod-gallery .footer{display:table-row}.mw-parser-output .mod-gallery .title>div{display:table-cell;text-align:center;font-weight:bold}.mw-parser-output .mod-gallery .main>div{display:table-cell}.mw-parser-output .mod-gallery .gallery{line-height:1.35em}.mw-parser-output .mod-gallery .footer>div{display:table-cell;text-align:right;font-size:80%;line-height:1em}.mw-parser-output .mod-gallery .title>div *,.mw-parser-output .mod-gallery .footer>div *{overflow:visible}.mw-parser-output .mod-gallery .gallerybox img{background:none!important}.mw-parser-output .mod-gallery .bordered-images .thumb img{outline:solid #eaecf0 1px;border:none}.mw-parser-output .mod-gallery .whitebg .thumb{background:#fff!important}
冬季に雪原にテントを設営し行うキャンプ(スウェーデンにて)
車を利用したキャンプ
洞穴や大きな岩のくぼみや「ひさし」を利用して野営する方法もある。この写真はアメリカのカウボーイたちのかつてのキャンプ場所(ユタ州、en:Cave Springs Cowboy Camp)
歴史
人類の野外生活の歴史
旧石器時代の人類の生活の場、毛皮のテントを屋外で再現したもの
北米の先住民の生活の場(北米、Siksika
今から二千年ほど前、ローマ帝国の軍隊(ローマ軍)が敵地に遠征した際に行っていたキャンピング(を現代人が再現したもの)
ノマド生活を送っていたクマン人のキャンピング(13世紀の絵)
米国の開拓者たちは幌馬車に生活道具を積み込んでいた。
以上は、近代キャンプが生まれる前に行われていた野外生活である。
近代化が進むにつれ、都市部の人工的な環境で生活する人口の割合が増えていった。 19世紀後半になると、野外で生活することに教育的な意味を認め、一定のプログラムのもとで集団生活が行われるようになった[2]。かつて人類の大半が経験していた野外での生活を、近代産業社会の中で再体験するものとして現代流のキャンプは誕生した[2]。1861年に米国コネティカット州のガナリー 江戸時代には、旅人は大きな油紙を持参し、山中でやむなく日没を迎えてしまった場合には樹木の下などでそれにくるまって雨露をしのいだとも言われている。 明治時代は西洋諸国の諸制度を取り入れる一環として多くの西洋スポーツが輸入された。キャンプもそのひとつとして紹介され、教育活動として推進されるようになった[2]。1894年(明治27年)に刊行された志賀重昂による『日本風景論』中、「登山の氣風を興作すべし」として「山中に露宿する方法及び注意、山中の茵褥、露宿の際の着衣」を図解し、実践する者が急増した。1907年(明治40年)に、学習院の院長になった乃木希典は夏期に行われていた遊泳演習にキャンプを取り入れ、3週間にわたり160人の学生とキャンプ生活を行った。1922年(大正11年)には、YMCAが日光の中禅寺湖畔で中等学生のための組織キャンプを行った[2]。
近・現代のキャンピングの誕生
ギャラリー
ボーイスカウトのキャンプ。1934年
ベネズエラのHenri Pittier National Parkでキャンプする青年。1986年
日本における歴史