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キャベツ
収穫期のキャベツ
分類
キャベツ(英: Cabbage、学名: Brassica oleracea var. capitata)は、アブラナ科アブラナ属の多年草。野菜として広く利用され、栽培上は一年生植物として扱われる。 キャベツという名前は英語名キャベジ(Cabbage: 頭上の野菜の意)が転訛して名付けられており[1]、英名の語源は古いフランス語のカボシュ(caboche: 頭でっかちの意)からきており、さらに古くはラテン語のカプト(caput: 頭の意)に由来する[2][3]。別名の甘藍(カンラン)は漢名の甘藍(g?nlan)から、玉菜(タマナ)[4]は結球する性質に由来する[2]。 フランス名は chou cabus [5]、イタリア名は cavolo [5]という。 野菜としてのキャベツは、生産される季節により玉が固くしまって中が白い「冬キャベツ」と、巻がゆるくて緑色が濃い「春キャベツ」というように呼び分けも行われている[5]。 キャベツ 結球葉 生[6]
名称
特徴
100 gあたりの栄養価
エネルギー96 kJ (23 kcal)
炭水化物5.2 g
食物繊維1.8 g
脂肪0.2 g
飽和脂肪酸0.02 g
一価不飽和0.01 g
多価不飽和0.02 g
タンパク質1.3 g
ビタミン
ビタミンA相当量β-カロテン(1%) 4 μg(0%)49 μg
チアミン (B1)(3%) 0.04 mg
リボフラビン (B2)(3%) 0.03 mg
ナイアシン (B3)(1%) 0.2 mg
パントテン酸 (B5)(4%) 0.22 mg
ビタミンB6(8%) 0.11 mg
葉酸 (B9)(20%) 78 μg
ビタミンC(49%) 41 mg
ビタミンE(1%) 0.1 mg
ビタミンK(74%) 78 μg
ミネラル
ナトリウム(0%) 5 mg
カリウム(4%) 200 mg
カルシウム(4%) 43 mg
マグネシウム(4%) 14 mg
リン(4%) 27 mg
鉄分(2%) 0.3 mg
亜鉛(2%) 0.2 mg
銅(1%) 0.02 mg
他の成分
水分92.7 g
水溶性食物繊維0.4 g
不溶性食物繊維1.4 g
ビオチン(B7)1.6 μg
硝酸イオン0.1 g
ビタミンEはα─トコフェロールのみを示した[7]。別名:かんらん、たまな
廃棄部位:しん
単位
μg = マイクログラム (英語版)
IU = 国際単位
%はアメリカ合衆国における
成人栄養摂取目標 (RDI
西ヨーロッパの海岸の崖の上が原産といわれ、ヨーロッパでは古代ギリシア人の時代に薬用され、紀元前4世紀には保健食から野菜として栽培された[1]。現在は世界各地で栽培されている[4]。日本ではじめて野菜として栽培されたのは、明治4年の北海道開拓使だといわれている[1]。
冷涼な気候に適応した野菜で、気温5度まで下がっても生長し続け、15 - 20度でよく生育する[8]。小さい苗ならば、-12度まで気温が下がっても、一晩から二晩くらいまでならば耐えられる[8]。
一年草、または二年草(越年草)[1]。春に十字型の淡黄色の花を咲かせる[1]。
キャベツは結球(丸く玉になる性質)のイメージが強いが、結球する品種と、しないものがある。また、同じ原種に由来するケール、カリフラワー、カイラン、メキャベツ、コールラビ、ブロッコリーなどと同様に長い品種改良の過程を経ているため、多くの品種がある。
キャベツに限らず結球する野菜は、葉の成長ホルモン(オーキシン)が裏側に偏ることで、その形態をとる。
一般に流通しているグリーンキャベツの場合、外葉が18 - 21枚になってから結球が開始し、葉序に従い螺旋状に茎頂を包む。結球時、茎はほとんど伸長せず、短縮茎となる。
断面を見ると、中心に近い葉ほど内側を向いている。これは外側が先に育ち、内側はその後から出葉して次第に混んでくるためである。消費者が店頭でキャベツを選ぶ際に、大きさではなく重さで選ぶことが多いのは、こうした理由による。 生の場合、可食部100グラム (g) あたりのエネルギー量は23 kcal (96 kJ)で、水分含有量は92.7 gを占める[9]。栄養素は比率で炭水化物が5.2 gと最も多く、次いで蛋白質1.3 g、灰分0.5 g、脂質0.2 gと続く[9]。食物繊維1.8 gのうち、水溶性は0.4 g、不溶性は1.4 gである[9]。 キャベツは淡色野菜の中では、カロテンやビタミンCを多く含む野菜で、ビタミンC含有量は季節変動の影響をあまり受けず、夏場のホウレンソウよりも多い[9]。
栄養