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キャプテン・フューチャー
「恐怖の宇宙帝王」の回表紙
ジャンルスペースオペラ
小説
著者エドモンド・ハミルトン
出版社スリリング・パブリケーションズ
掲載誌キャプテン・フューチャー誌
スタートリング・ストーリーズ誌
刊行期間1940年 - 1951年
アニメ
原作エドモンド・ハミルトン
シリーズディレクター勝間田具治
脚本辻真先、金子武郎、神波史男 他
キャラクターデザイン野田卓雄
音楽大野雄二
アニメーション制作東映動画
製作東映動画、NHK
放送局NHK総合
放送期間1978年11月7日 - 1979年12月18日
話数53
テンプレート - ノート
ポータル文学、アニメ
『キャプテン・フューチャー』 (Captain Future) は、主としてエドモンド・ハミルトンにより書かれたスペースオペラのシリーズであり、その主人公であるカーティス・ニュートンの別名である。また本シリーズが主に掲載された雑誌の名称でもある。
長編20作中3作はハミルトン以外の作家が担当している(→#作品リスト)。『キャプテン・フューチャー』誌が廃刊となった後に発表されたシリーズ末期の長編および、本編終了後に書かれた番外編的な短編は『スタートリング・ストーリーズ』に掲載された。 物語ではキャプテン・フューチャーとフューチャーメンと呼ばれる3人の仲間たち(サイモン、グラッグ、オットー)が愛機である宇宙船コメット号を駆って繰り広げる、悪との戦いと冒険が描かれる。 物語の舞台は、執筆された1940年代という時代を反映して太陽系内がそのほとんどを占め、各惑星で固有の人類(火星人など)が存在しており、また太陽系のほとんどの惑星、衛星に地球人の植民地が設けられ、各惑星人が混在して生活しているという設定になっている。ちなみにSFガジェットとしての原子力は登場するが、現実の核分裂反応ではない。年代設定は、「恐怖の宇宙帝王」事件が起きたのが2015年となっていた。“人工知能”という概念さえなかった時代に、善悪を判断し自律行動出来るロボットやアンドロイド(グラッグとオットー)が登場している。
内容
物語の舞台
登場人物
キャプテン・フューチャー (Curtis Newton a.k.a. Captain Future)
主人公。太陽系最大の科学者にして冒険家、最高の宇宙船操縦士。本名カーティス・ニュートン。身長6フィート4インチ(1メートル93センチ)。瞳は灰色。赤髪。肌は日焼けしている。左手の指にはめた太陽系の九惑星を象ったデザインの指輪(嵌め込まれた宝石は内蔵された超小型原子力モーターで現実の天体の運行と同じ動きをする。「恐怖の宇宙帝王」ではその動きを利用して催眠術をかけた。なお、アニメ版では9つの宝石を嵌め込んだ腕時計型のメダルに変更されている)がキャプテン・フューチャーの証であり、これを提示すれば太陽系内のあらゆる施設・設備はその扉を開く。普段は飾り気のない灰色(あるいは褐色)の合成絹(シンセシルク)製のジッパースーツを着て、タングスタイト製のベルトのホルスターに使い込んだプロトン・ピストルを挿している。科学者だった父ロジャーとその妻エレーヌは、ニュートン夫妻の研究成果を狙う悪漢ヴィクター・コルボに追われて月のチコ・クレーターに逃れるが、追いついたコルボは二人を殺害。凶行場面に一歩間に合わなかったフューチャーメンはコルボを倒してその仇をとり、夫妻の遺児カーティスを立派に育て上げることを誓った。カーティスはグラッグの指導で並はずれた体力、忍耐力を養い、オットーからは変装術、武道、アクロバティックな体術を習い、サイモンからは広範な科学知識を学んだ。成人になったある日、カーティスはサイモンから両親の最期についての真相を聞かされ、以後はキャプテン・フューチャーと名乗り、その一生を太陽系と正義のために捧げると誓った。超人的な能力と特異な生い立ちのため、やや常人と異なる印象を周囲に与えることがある。しかし、心理面ではユーモラスなふるまいもすれば、怒りに我を忘れるところもある普通の青年で、普通の生活を送っている同世代の青年達を羨ましく思うこともある。
サイモン・ライト (Simon Wright)
フューチャーメン。別名「生きている脳」。ニュートン夫妻の研究仲間だった高名な科学者。自らの死期が近づいた際、脳を摘出して漿液(培養液)入りの透明金属のケース(視聴覚センサーと発声回路付き)に収め、以後はそれだけで生存している。最初は自力移動ができなかったが、「太陽系七つの秘宝」で簡単な機械仕掛けによるタイヤ式の移動装置を取り付けられ、「謎の宇宙船強奪団」でカーティスにより磁力牽引ビームを装備され、自力での飛行や物の分解・組み立てが可能となった。以後は行動派に転向し、「小さな体」を生かした隠密行動や潜入工作で活躍する(アニメ版では第一話から飛行可能[1])。カーティスに対しては父親のように接し、彼を「坊や(ラッド)」と呼ぶ。フューチャーメンの顧問的存在。
グラッグ (Grag)
フューチャーメン。ロジャーとサイモンの研究成果である「人造生命第一号」。親水コロイドメタルの頭脳と金属繊維の神経、非伝導性鋼鉄のボディに光電管の目を持つ、身長7フィート(2メートル10センチ)の剛力無双のロボット。銅を主燃料とする体内の超小型原子炉で動いている。両手指の先のアタッチメントを交換して、工具(モーターツール)として使用できる。オットーから誕生日プレゼントとしてアタッチメントのセットをもらったことがある。オットーを「ゴム人形」と罵り、四六時中喧嘩ばかりしているが、心の底ではオットーをかけがえのない相棒だと思っており、オットーの人間そっくりな外見に羨望の念を抱いている。結構センチメンタルな一面も持つ。月犬のイイクがペット。アニメ版では濃灰色の体のロボット然とした無骨なスタイルで描かれているが、表情が変わる演出がなされている為、親しみやすいキャラクターになっている。
オットー (Otho)
フューチャーメン。ロジャーとサイモンの研究成果である「人造生命第二号」。合成樹脂製アンドロイドで、純白の皮膚と緑の瞳を持ち、まつげも含めて体毛はない。せっかちで、退屈が大嫌い。変装の名手で、各種染料や薬品からなる変装キット一式はベルトのケースに収められている。主食は化学薬品をブレンドしたものだが、人間と似た代謝系を持っており、人間の食べ物も問題なく食べられる。一度、ラジウム・ハイボールを飲み過ぎて泥酔するという失態をやらかし、サイモンにみっちり絞られたことがある。グラッグを「ブリキ人形」と呼んで怒らせるが、やはりグラッグのためなら命を懸けることも厭わず、いざという時には抜群のチームワークを発揮する。ひそかにグラッグの剛力無双を羨ましく思っている。結構寂しがり屋で純情一途な面もある。隕石モグラのオーグがペット。アニメ版ではノースリーブ・シャツに船員帽姿の、アニメの船員のような姿に描かれている。
イイクとオーグ
グラッグとオットーに飼われている小型の宇宙生物。原作ではイイクが第二作の「暗黒星大接近!」で初登場、オーグは「太陽系七つの秘宝」でオットーに拾われるエピソードがある(アニメでは両者とも第一話から登場)。四六時中いがみ合っている飼い主たちと違い、とても仲良しだが、アニメ版では主人たちの喧嘩に合わせて小競り合いをするシーンも何度かある。フューチャーメンが長期の遠征に出かける場合は、チコ・クレーター基地で留守番をしており、自動給餌器があるので飢えることはないとのこと。
イイク (Eek)
グラッグのペット。月犬(ムーン・パップ。ムーン・ドッグあるいはムーン・ハウンドと呼ばれる種)の幼体。主食は鉱物で呼吸はしない。食性に適応して、その歯と爪はダイヤモンド並みの硬度を持つ。食欲は非常に旺盛で、時々、コメット号の肋材やプロトン・ガンをかじり、トラブルを起こしたりする。銅や銀を食べ過ぎると酔っぱらったようになる。空気のない月面で進化したことからテレパシー能力が発達しており、グラッグやカーティスともコミュニケーションでき、彼らの危機を救ったこともある。アニメ版ではイークと表記され、ピンク色の子犬のような姿で描かれている。
オーグ (Oog)
オットーのペット。隕石モグラ。別名「物まねモグラ」。本来は白い短い毛皮を持つ小型の四足獣だが、主要な内臓はすべて小さな核に納められており、肉体の他の部分は細胞組織の配列を自由に変えて何にでも化けることができる(ただし、大きさには限界があり、化けた物も見た目はそっくりだが、機能は備わっていない)。グラッグをからかうネタをオットーに仕込まれたり、爆弾に化けて相手にハッタリを噛ませるための小道具にされたりする。アニメ版ではオークと表記され、亀のような甲羅を持つ緑色の毛のないタヌキのような姿で描かれている。
ジョオン・ランドール (Joan Randall)
惑星警察機構第3課の女性諜報員。カーティスに愛情を抱く。キャプテン・フューチャーを「カーティス」と呼ぶ数少ない人物。カーティスと初めて出会った時点で、惑星警察に入ってから4年ほど経過している。名前の読みは、正しくはジョアン。