キャスト・アウェイ
Cast Away
監督ロバート・ゼメキス
脚本ウィリアム・ブロイルズ・ジュニア
『キャスト・アウェイ』(Cast Away)は、2000年のアメリカ合衆国のサバイバルドラマ映画。
監督・製作はロバート・ゼメキス、脚本はウィリアム・ブロイルズ・ジュニア(英語版)が務め、トム・ハンクス、ヘレン・ハント、ニック・サーシーが出演している。
フェデックスのシステムエンジニアを乗せた飛行機が太平洋で墜落し、無人島に辿り着いた彼が帰還するまでの4年間の姿を描いている。
興行収入は4億2960万ドルを記録し、主演のトム・ハンクスはアカデミー主演男優賞にノミネートされた[3]。 ※括弧内は日本語吹替
ストーリー撮影地のモヌリキ島
プロローグ
1995年12月。チャック・ノーランド(トム・ハンクス)はフェデックス倉庫の生産性解決に世界中を飛び回るシステムエンジニアである。彼はテネシー州メンフィス在住のケリー・フレアーズ(ヘレン・ハント)と長年付き合っている。親族と過ごすクリスマスの最中、チャックはマレーシアでのトラブル解決のため呼び出される。ところが悪天候のため、彼の乗った貨物機は太平洋に墜落してしまう。彼は沈みゆく機体からただ一人脱出し、緊急用救命ボートに乗り込み意識を失う。
序盤
一夜明け気付くと、チャックはある島の海岸に漂着していた。彼が島を探検すると、無人島であることが判明する。墜落機の積荷が何箱も海岸に漂着する。はじめは、救助信号を砂浜に描き、救命ボートの残骸で脱出を試みるが、高波に阻まれ失敗する。食料・水・住処となるべき場所を探し、荷物の箱を開封して使えそうな物を選り分ける。ただ一つ、天使の羽が描かれた箱だけは開けずにおく。火を起こす時に手に負った怪我に怒り、ウイルソン製のバレーボールを投げつける。表面に付いた血痕を利用してボールに顔を描き、ウィルソンと名付け話友達とする。ある夜、自分が見つかるには救助機はテキサス州の2倍の広さを捜索する必要があると判明し、救出の希望を失う。
中盤
4年後。チャックは槍で魚を獲り火も使い慣れるなど、島の不便な暮らしに適応している。ウィルソンには絶えず話しかけ、時には当たり散らすなど、ボールが唯一の仲間となっている。ある日、仮設トイレの板が流れ着き、それを帆にして筏を作ることを決める。航海に適した天候を見計らい、ウィルソンを従え島から脱出し、高波も突破する。しばらく漂流した後、暴風雨に襲われ筏は骨組みだけとなる。翌日、眠っている間にウィルソンは海に落ち、筏から遠退いて行く。目を覚ましたチャックが後を追いかけるが、命綱の範囲では手が届かず救出を断念する。筏に戻りウィルソンを失ったことに慟哭する。その後、漂流中に通りかかった貨物船に発見され救出される。
終盤
元の社会に戻り、チャックは奇跡の生還者として周囲の祝福を受けるも、遭難中に自分が故人となっていたことを知る。親族は葬式を済ませ、ケリーはチャックの歯科医ジェリー・ロベット(クリス・ノース)と再婚し娘がいる。やがてケリーと再会し互いに愛を確かめるが、ケリーには新しい家庭があり、元の生活には戻れないことを知り、念を残しつ保管していた車を受け取り走り去る。後を追いかけてきたケリーを送り返す。その足で同僚のスタン(ニック・サーシー)を訪れ、遭難からそれまでの経緯を語る。
エピローグ
しばらく後、チャックは別のバレーボールを手に入れ、天使の羽の箱を送り主ベッティーナ・ピーターソン(ラリ・ホワイト)に届けにテキサス州カナディアンに向かう。届け先不在のため、感謝するメモ書きを添えて戸口に箱を置いて去る。十字路にて行き先に迷っていると、親切な女性が車を止め道案内をする。彼女が走り去る際、チャックは箱と同じ天使の羽が車の後部に描かれていることに気付く。一人になったチャックは各行き先を眺め、それから女性の車が走り行く方を見て穏やかに微笑む。
キャスト
チャック・ノーランド - トム・ハンクス(井上和彦)
ケリー・フレアーズ - ヘレン・ハント(勝生真沙子)
スタン - ニック・サーシー(石塚運昇)
ベッカ・トウィグ - ジェニファー・ルイス(片岡富枝)
ユーリ - ピーター・フォン・バーグ(鈴木清信)
ジェリー・ロベット - クリス・ノース(諸角憲一)
ベッティーナ・ピーターソン - ラリ・ホワイト
アルバート・“アル”・ミラー - ヴィンス・マーティン(英語版)(菅生隆之)
本人役 - フレッド・スミス(英語版)(大木民夫)
スタッフ
監督 - ロバート・ゼメキス
脚本 - ウィリアム・ブロイルズ・ジュニア
製作 - スティーヴ・スターキー、トム・ハンクス、ロバート・ゼメキス、ジャック・ラプケ
製作総指揮 - ジョーン・ブラッドショウ
撮影監督 - ドン・バージェス
美術 - リック・カーター
編集 - アーサー・シュミット
作曲・指揮 - アラン・シルヴェストリ
衣装 - ジョアンナ・ジョンストン
VFXスーパーバイザー - ケン・ローストン
VFX - ソニー・ピクチャーズ・イメージワークス
サウンドデザイン - ランディ・トム
アソシエイトプロデューサー - スティーヴン・J・ボイド
キャスティング - ヴィクトリア・バロウズ
製作
撮影私が『キャスト・アウェイ』を製作しようと思ったのは、食物・水・小屋・火・会社など生きるために必要なものが何もない状態という絶望的な4年間のコンセプトを検証してみたかったからです。ですが、その検証を実行するためのアライアンスを組むのには6年の歳月がかかりました。