キヌガサタケ
Phallus indusiatus Vent.
分類
キヌガサタケ、乾燥100 gあたりの栄養価
脂肪1.66
タンパク質33.6
ミネラル
カルシウム(6%) 61.0 mg
鉄分(282%) 36.6 mg
マグネシウム(44%) 156 mg
マンガン(243%) 5.1 mg
カリウム(3%) 153. mg
ナトリウム
(塩分の可能性あり)(0%) 5.1 mg
亜鉛(1400%) 133.0 mg
成分名「塩分」を「ナトリウム」に修正したことに伴い、各記事のナトリウム量を確認中ですが、当記事のナトリウム量は未確認です。(詳細)
単位
μg = マイクログラム (英語版) • mg = ミリグラム
IU = 国際単位
%はアメリカ合衆国における
成人栄養摂取目標 (RDI) の割合。
キヌガサタケ(衣笠茸、Phallus indusiatus Vent.)はスッポンタケ目スッポンタケ科スッポンタケ属に属するキノコの一種である。純白のドレスを纏ったかのような美しい姿から「キノコの女王」とも呼ばれる。
形態外層で覆われ、手触りには弾力があり、底部に太いひも状?根状の(根状菌糸束)を備えることが多い。白い外皮の内部には、黄褐色・半透明でゼラチン状の厚い殻皮中層が発達し、さらにその内部に、薄くて丈夫な膜質の殻皮内層に包まれた基本体が形成される。基本体は帯褐緑色を呈し、拡大鏡下では無数の迷路状の空隙を有し、その内面に担子器が発達する。基本体は薄くて釣鐘状を呈するかさの表面を覆い、さらにかさに包み込まれるようにして基本体を高く持ち上げる托が発達している。
充分に成熟すると、球状のつぼみの先端が大きく裂けて開き、基本体を乗せたかさの先端が現れ、さらに托がすみやかに伸長する。托の先端部は、かさの頂端にある円盤状の開口部に突出している。托の伸びが限界に達したところで、かさの下端と托の基部付近をつないでいた殻皮内層が切れ、それに引き出されるようにして、かさの内面に折りたたまれていた菌網(indusium)と呼ばれるレース状の附属器官が伸び始める。菌網が充分に伸長し終わると、基本体は自己消化しはじめ、最終的には胞子を含んだ粘液となって、かさの表面を覆う。粘液化した胞子塊は帯オリーブ褐色を呈し、一種の悪臭がある。降雨などによって粘液化した基本体が洗い流されてしまうと、多数の網目状のくぼみを備えたかさの地肌が露出する。なお、幼い子実体を包んでいた殻皮は、成熟した子実体の托の基部を包む袋状の「つぼ」となって残る。充分に成熟した子実体では、全体の高さ・菌網の裾の直径ともに30cmに達する。
胞子は顕微鏡下では長楕円形でほぼ無色、表面は平滑で大きさ3.0-4.5×1.5-2.0μmである。 梅雨時期および秋に、特に竹林を好んで発生することで知られるが、まれに広葉樹の林内にも発生する。子実体の基部から伸びる根状菌糸束は、しばしば枯れた竹の稈やぼろぼろに腐朽した広葉樹の材片などにつながっており、腐生菌であるのは確かである。他の腐生菌によって、基質がある程度分解された後に侵入する二次的腐生菌である可能性がある。 多くのキノコと異なり、本種の胞子の分散は風によらず、昆虫や陸棲貝類などの小動物によるところが大きいとされ、胞子を含む粘液が放つ異臭は、それらの小動物を引き寄せるべく進化した結果であると考えられている。日本ではタテハチョウ・シデムシ・ナメクジなどがキヌガサタケの胞子塊を舐めたり、托や菌網をかじったりすることが知られている[1]。また、キヌガサタケの胞子塊そのものに直接に触れることはまれであるにもかかわらず、ショウジョウバエ類では一匹あたり35000?240000個、イエバエの類では同じく1700000個の胞子が、胃の内容物として検出された例がある[2]。当然ながら、降雨による胞子分散もあり得る。 日本(全土)・中国・北米・オーストラリアなどに分布する[3]とされているが、近縁種との混同がしばしば生じていることから、分布域はややあいまいである。食用としての利用が盛んなことから、中国での分布はほぼ確実であり、日本でも竹類が分布している地域には定着して分布しているものと考えられる。 埼玉県・三重県[4]においては、本種はレッドデータ 1798年、フランスの植物・菌学者エティエンヌ・ピエール・ヴァントナによって、スッポンタケ属
生態
分布
分類学
分類位置の変遷