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(?)-キニーネ
IUPAC名
(6-Methoxyquinolin-4-yl)[(2S,4S,5R)-5-vinyl-1-azabicyclo[2.2.2]oct-2-yl]-(R)-methanol
別称キニン
9-epi-キニジン
識別情報
CAS登録番号130-95-0
M09AA01
特性
化学式C20H24N2O2
モル質量324.42 g mol?1
外観白色結晶
融点
177 °C (無水物)
水への溶解度冷水に微溶
log POW3.44
酸解離定数 pKa4.2, 8.8
比旋光度 [α]D?158.7°(c = 2.1432, EtOH, 14 °C)
薬理学
生物学的利用能76~88%
投与経路経口、静注
代謝肝臓(主にCYP3A4およびCYP2C19)
消失半減期~18時間
血漿タンパク結合~70%
排泄腎臓 (20%)
胎児危険度分類C (USA), D (Au)
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。
キニーネ(蘭: kinine)またはキニン(英: quinine、クイニン)は、キナの樹皮に含まれる分子式C20H24N2O2のアルカロイドである。IUPAC名は(6-Methoxyquinolin-4-yl)[(2S,4S,5R)-5-vinyl-1-aza-bicyclo[2.2.2]oct-2-yl]-(R)-methanol。1820年にキナの樹皮から単離、命名され、1908年に平面構造が決定し、1944年に絶対立体配置も決定された。また1944年にロバート・バーンズ・ウッドワードらが全合成を達成した。ただしウッドワードらの全合成の成否については後述の通り議論がある。
マラリア原虫に特異的に毒性を示すマラリアの特効薬である。キューガーデンが移植を手がけて以来、帝国主義時代から第二次世界大戦を経てベトナム戦争まで、ずっとかけがえのない薬だった。米国は野戦病院等でキニーネを使い、1962-1964年頃に手持ちが底をついた。急に大量発注され、そこへ国際カルテルが便乗し、キニーネは暴騰した。参加企業は欧州諸共同体のキニーネ/キニジンメーカーを網羅していた[注 1]。
その後、キニーネの構造を元にクロロキンやメフロキンなどの人工的な抗マラリア薬が開発され、ある程度の副作用のあるキニーネは代替されてあまり用いられなくなっていった。しかし、東南アジアおよび南アジア、アフリカ、南アメリカ中北部といった赤道直下の地域において熱帯熱マラリアにクロロキンやメフロキンに対して耐性を持つものが多くみられるようになったため、現在ではその治療に利用される。
また強い苦味を持つ物質として知られている。 キナ属の植物は南米のアンデス山脈に自生する植物であり、原住民のインディオはキナの樹皮を解熱剤として用いていた。マラリアはアメリカ大陸にはもともと存在しなかったが、後にヨーロッパ人の渡来とともに拡散したと推定されている。その後偶然にキナ皮にマラリアを治療する効果が発見され、1640年頃にヨーロッパに医薬品として輸入されるようになったと思われる。
発見