キニーネ
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(?)-キニーネ


IUPAC名

(6-Methoxyquinolin-4-yl)[(2S,4S,5R)-5-vinyl-1-azabicyclo[2.2.2]oct-2-yl]-(R)-methanol
別称キニン
9-epi-キニジン
識別情報
CAS登録番号130-95-0
PubChem8549
ChemSpider84989
J-GLOBAL ID200907026656606974
DrugBankAPRD00563
KEGGD08460
ATC分類

M09AA01
特性
化学式C20H24N2O2
モル質量324.42 g mol?1
外観白色結晶
融点

177 °C (無水物)
への溶解度冷水に微溶
log POW3.44
酸解離定数 pKa4.2, 8.8
比旋光度 [α]D?158.7°(c = 2.1432, EtOH, 14 °C)
薬理学
生物学的利用能76~88%
投与経路経口、静注
代謝肝臓(主にCYP3A4およびCYP2C19
消失半減期~18時間
血漿タンパク結合~70%
排泄腎臓 (20%)
胎児危険度分類C (USA), D (Au)
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。

キニーネ(: kinine)またはキニン(: quinine、クイニン)は、キナ樹皮に含まれる分子式C20H24N2O2のアルカロイドである。IUPAC名は(6-Methoxyquinolin-4-yl)[(2S,4S,5R)-5-vinyl-1-aza-bicyclo[2.2.2]oct-2-yl]-(R)-methanol。1820年にキナの樹皮から単離、命名され、1908年に平面構造が決定し、1944年に絶対立体配置も決定された。また1944年ロバート・バーンズ・ウッドワードらが全合成を達成した。ただしウッドワードらの全合成の成否については後述の通り議論がある。

マラリア原虫に特異的に毒性を示すマラリアの特効薬である。キューガーデンが移植を手がけて以来、帝国主義時代から第二次世界大戦を経てベトナム戦争まで、ずっとかけがえのない薬だった。米国は野戦病院等でキニーネを使い、1962-1964年頃に手持ちが底をついた。急に大量発注され、そこへ国際カルテルが便乗し、キニーネは暴騰した。参加企業は欧州諸共同体のキニーネ/キニジンメーカーを網羅していた[注 1]

その後、キニーネの構造を元にクロロキンメフロキンなどの人工的な抗マラリア薬が開発され、ある程度の副作用のあるキニーネは代替されてあまり用いられなくなっていった。しかし、東南アジアおよび南アジアアフリカ南アメリカ中北部といった赤道直下の地域において熱帯熱マラリアにクロロキンやメフロキンに対して耐性を持つものが多くみられるようになったため、現在ではその治療に利用される。

また強い苦味を持つ物質として知られている。
発見

キナ属の植物南米アンデス山脈に自生する植物であり、原住民インディオはキナの樹皮解熱剤として用いていた。マラリアはアメリカ大陸にはもともと存在しなかったが、後にヨーロッパ人の渡来とともに拡散したと推定されている。その後偶然にキナ皮にマラリアを治療する効果が発見され、1640年頃にヨーロッパに医薬品として輸入されるようになったと思われる。この点に関しては、1640年にペルー副王だったチンチョン伯爵ルイス・ゼロニモ・メンドーサ(スペイン語版)の妻がキナ皮を熱病の治療に使ったことを切っ掛けとしてイエズス会を通じてキナ皮がヨーロッパにもたらされマラリアに対するキニーネ療法が始まったという説が、明治35年頃の日本では信じられていた。

このキナ皮から活性成分単離しようとする試みは18世紀中ごろから行われた。キナ皮の需要の増加につれて品質の悪いものやニセモノが出回るようになったため、品質評価のために活性成分を定量分析する方法が必要になったのである。

1790年にはフランスのアントワーヌ・フールクロア(Antoine Francois Fourcroy)がキナ皮をアルコールやアルカリなどで抽出する試みを行っている。このとき彼はキナ皮を抽出した水がアルカリ性になることに気が付いていた。しかし、それ以上の研究を行わなかった。1811年ポルトガルの軍医ベルナルディーノ・アントニオ・ゴメスはキナ皮をエタノールで抽出し、そこに水と少量の水酸化カリウムを添加すると微量の結晶が生じることに気がつき、これにシンコニンと命名した。

1817年ドイツモルヒネが単離された。このとき用いられた方法は酸によってモルヒネのを作り、それを単離するというものであった。この方法に興味を持ったジョセフ・ルイ・ゲイ=リュサックは同僚のピエール=ジャン・ロビケにこの方法を紹介した。ロビケの元で働いていたピエール・ジョセフ・ペルティエとジョセフ・ベイネミ・カヴァントゥはこの方法を用いて多くのアルカロイドを単離した。1820年に彼らはゴメスが単離した結晶が単一物質ではなく、2つの物質、キニーネとシンコニンからなることを発見し、これらの分離に成功した。この2つの物質のうち、キニーネのみが抗マラリア活性を持つことが分かった。なお、彼らの単離したキニーネはロンドンサイエンス・ミュージアムに展示されている。
構造決定

キニーネの正しい分子式は1854年アドルフ・ストレッカーによって提出された。これを出発点としてキニーネの構造決定がスタートした。キニーネの構造決定は主に分解反応の生成物を同定し、それらを組み合わせることで行われた。

まずはストレッカーが分子式の提案とともに2つの窒素が三級窒素であることを示した。臭素が付加することや酸化分解によってギ酸が放出されることからビニル基が存在することは1870年代のうちに確定された。


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