この項目では、鳥について説明しています。
魚釣りの餌については「ミミズ#利用」をご覧ください。
その他の用法については「雉」をご覧ください。
キジ
キジ(オス) Phasianus versicolor
保全状況評価[1]
LEAST CONCERN
(IUCN Red List Ver.3.1 (2001))
分類
Phasianus colchicus robustipes[3]
和名
キジ
英名
Green Pheasant
Japanese Pheasant
亜種
詳細は本文参照
P. v. robustipes キジ
P. v. tanensis シマキジ
P. v. tohkaidi トウカイキジ
P. v. versicolor キュウシュウキジ
キジ(雉子、雉[4][5])は、キジ目キジ科キジ属に分類される鳥類。日本産の個体群のみで独立種 P. versicolor とする説と、ユーラシア大陸に分布するコウライキジ P. colchicus の亜種とする説があり、後者の説に従うと P. colchicus の和名がキジとなり本種のみでキジ属を構成する[6]。日本鳥学会などでは2012年現在、Clements Checklistでは2015年現在は後者(キジは日本やユーラシア大陸広域に分布する単一種)の説を採用している[6][7]。以下の内容はIOC World Bird ListおよびBirdlife Internatinal(IUCN)などが2015年現在に採用している前者の説(キジは日本にのみ分布する独立種)に従ったものと思われる[1][8]。
日本鳥学会が選定した国鳥[9]であるとともに、国内の多くの自治体でも「市町村の鳥」に指定されている。種小名の versicolor は、ラテン語で「色変わりの」を意味する[4]。日本の古語では「雉子(きぎす)」(10世紀前半成立の『和名類聚抄』巻十八「羽族名」での表記は、「木々須」と記す)。
キジやコウライキジは世界中で主要な狩猟鳥とされ、キジ肉は食用でもある[10]。 日本では北海道と対馬を除く本州、四国、九州に留鳥として分布している[11]。日本には、東北地方に生息するキタキジ、本州・四国の大部分に生息するトウカイキジ、紀伊半島などに局地的に生息するシマキジ、九州に生息するキュウシュウキジの4亜種が自然分布していた。ユーラシア大陸が原産地であるコウライキジが、もともとキジが生息していなかった北海道、対馬、南西諸島などに狩猟目的で放鳥され、野生化している。 全長オスが81 cmほど、メスが58 cmほど[11][12]。翼開長は77 cmほど[11]。体重はオスが0.8-1.1 kg、メスが0.6-0.9 kg。コウライキジではもう少し大きくなる。オスは翼と尾羽を除く体色 山地から平地の林、農耕地、河川敷などの明るい草地に生息している[4][11][12]。地上を歩き、主に草の種子、芽、葉などの植物性のものを食べるが、昆虫やクモなども食べる[11][12]。繁殖期のオスは赤い肉腫が肥大し、縄張り争いのために赤いものに対して攻撃的になり、「ケーン」と大声で鳴き縄張り宣言をする[13]。その際両翼を広げて胴体に打ちつけてブルブル羽音を立てる動作が、「母衣打ち(ほろうち)」と呼ばれている[14]。メスは「チョッチョッ」と鳴く[13]。子育てはメスだけが行う[5]。地面を浅く掘って枯れ草を敷いた巣を作る[13]。4-7月に6-12個の卵を産む[4]。オスが縄張りを持ち、メスは複数のオスの縄張りに出入りするので乱婚の可能性が高い。非繁殖期には雌雄別々に行動する[4][13]。夜間に樹の上で寝る[13][5]。 飛ぶのは苦手だが、走るのは速い[11]。スピードガン測定では時速32キロメートルを記録した[15]。人体で知覚できない地震の初期微動を知覚できるため、人間より数秒速く地震を察知することができる[11][16]。
分布
形態オスの頭部(繁殖期)
生態
オス
メス
農地で草をついばむつがい
卵