ガーター騎士団
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最も高貴なガーター勲章

連合王国君主による栄典
種別騎士団勲章
標語Honi soit qui mal y pense
悪意を抱く者に災いあれ
創設者エドワード3世
主権者チャールズ3世
騎士団長第5代アバコーン公爵ジェイムズ・ハミルトン
地位王族の騎士団員
臣民の騎士団員
外国人の騎士団員
歴史・統計
創立1348年 (676年前) (1348)
最初の叙任1348年
最後の叙任2023年
人数

エドワード3世: 62

リチャード2世: 29

ヘンリー4世: 27

ヘンリー5世: 21

ヘンリー6世: 44

エドワード4世: 36

リチャード3世: 8

ヘンリー7世: 37

ヘンリー8世: 53

エドワード6世: 13

メアリー1世: 9

エリザベス1世: 54

ジェームズ1世: 29

チャールズ1世: 21

チャールズ2世: 47

ジェームズ2世: 7

メアリー2世およびウィリアム3世: 14

アン: 14

ジョージ1世: 21

ジョージ2世: 32

ジョージ3世: 75

ジョージ4世: 14

ウィリアム4世: 14

ヴィクトリア: 132

エドワード7世: 27

ジョージ5世: 45

ジョージ6世: 31

エリザベス2世: 109

チャールズ3世:
計: 1,024
階位
上位席ジョージ・クロス
下位席シッスル勲章

ガーター勲章(ガーターくんしょう、: Order of the Garter)は、1348年エドワード3世によって創始された、イングランドの最高勲章。正式なタイトルは“Most Noble Order of the Garter”(最も高貴なガーター勲章)。グレートブリテン及び北アイルランド連合王国栄典においても騎士団勲章(order)の最高位であるが、全ての勲章・記章の中ではヴィクトリア十字章ジョージ・クロスが上位に位置付けられている。

騎士団勲章は本来、その騎士団の一員になるという意味を持っており、一般に勲章と呼ばれる記章はその団員章である。ガーター騎士団員の称号は男性が“Knight of the Garter”、女性が“Lady of the Garter”で、騎士のポスト・ノミナル・レターズはそれぞれ“KG”および“LG”と表記される。

モットーは“Honi soit qui mal y pense”(悪意を抱く者に災いあれ)で、勲章にもその文字が刻印されている。勲章の大綬の色がブルーであるため、「ブルーリボン」とも呼ばれている。
構成星章、頸飾およびガーターガーター(右下)、頸飾(左)、星章(右上)、大綬章(右中:これにブルーの大綬が付く)。

一般にガーター勲章と呼ばれるものは、以下の物で構成されている[1]

ガーター

黄金の頸飾とその先端に付ける記章(The George)

大綬章

星章

また特別な物として、歴代の国王や王妃が晩餐会等で佩用する大綬章の正章としてカメオダイヤモンドを散りばめた物や、チャールズ3世やロイヤルファミリーが同じく晩餐会等で佩用するルビー星章も存在する。ガーターにはブルーの生地に金の刺繍が施され、その中央部にエドワード3世が述べたとされる“Honi soit qui mal y pense”(悪意を抱く者に災いあれ、中世フランス語)の文字が記されている[2]。着用する場合は男性の団員は左ひざに、女性の団員は左腕につける[3]

黄金の頸飾にはランカスター家の赤バラとヨーク家の白バラを合わせたテューダー・ローズテューダー朝成立後から使用されている[1]。また、頸飾の先端の記章は白馬に乗って竜を退治する聖ジョージの姿がかたどられている[1]

正章でアレッサー・ジョージは左肩から右の腰に斜めがけする大綬の結び目の下につり下げられ、ガーターを模した楕円の記章の中に、頸飾の記章と同じく聖ジョージの姿が透かし彫りされている[1]。大綬章が17世紀に制定されたことでガーター勲章は現在の形態を確立した[1]

また正装用にビロードのマント(ガーター・ローブ)と羽飾り帽子、真紅のフードがあり、これらを着用したうえでガーター、頸飾、星章を佩用するのが騎士団の正装である。大綬章は正装時には付けないのが慣習である[3]。正装はガーター・セレモニーや戴冠式など限られた場面でのみ用いられている[4]燕尾服のような通常の正装時は、大綬章と星章とガーターを付けるのが一般的だが、状況や個人によって異なる[4]

星章は他の勲章と同様に左肋に付けるが、大綬章は一般の勲章が右肩から左腰に掛けるのに対し、ガーター勲章は左肩から右腰に掛ける。チャールズ2世が大綬章を制定した直後にはガーター勲章も右肩から左腰に掛けていたが、当時9歳だったチャールズ2世の庶子、初代リッチモンド公チャールズ・レノックスが誤って左肩から右腰に掛けて公式の場に現われたのをきっかけに、チャールズ2世がこれを正式な佩用方法に定めたという[5]。その後、この習慣は他国にも広がり、スコットランドの最高勲章であるシッスル勲章プロイセン黒鷲勲章日本の功一級金鵄勲章等その国の特別な勲章が他の勲章との差別化のために左肩から右腰に掛けられるようになった。

勲章一式は受章者が死亡すると王室へ返還するしきたりであるが、王室の許可を得れば星章や大綬章などは複製を自費で作成して所有することができ、遺族がそれを相続することも出来る[4]


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