ガンマ線バースト
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1999年1月23日に起きたガンマ線バースト GRB 990123 の可視光での残光(白い四角形の中の輝点。右は拡大図)。残光の上部に伸びるフィラメント状の天体はバースト源をもつと思われる銀河。この銀河は別の銀河との衝突によって形が歪んでいる。

ガンマ線バースト[1](ガンマせんバースト、: gamma-ray burst[1]、GRB)は、天文学の分野で知られている中で最も光度の高い物理現象である[2]

ガンマ線バーストではガンマ線が数秒から数時間にわたって閃光のように放出され、そのあとX線の残光が数日間見られる。この現象は天球上のランダムな位置で一日に数回起こっている。

ガンマ線バーストを起こす元となる仮想的な天体をガンマ線バースターと呼ぶ。現在では、ガンマ線バーストは極超新星と関連しているという説が最も有力である。超大質量の恒星が一生を終える時に極超新星となって爆発し、これによってブラックホールが形成され、バーストが起こるとされる。多くのガンマ線バーストが何十億光年も離れた場所で生じている事実は、この現象が極めてエネルギーが高く(太陽が100億年間で放出するエネルギーを上回る)、かつめったに起こらない現象である事を示唆している(1つの銀河で数百万年に一度しか発生しない)。これまで観測された全てのガンマ線バーストは銀河系の外で生じている。似たような現象として軟ガンマ線リピーターがあるが、これは銀河系内のマグネターによるものである。ガンマ線バーストが銀河系で生じ、地球方向に放出された場合、大量絶滅を引き起こすと推定されている。

なお、天体物理学界ではガンマ線バーストの詳細な発生機構についての合意は得られていない。
名前

ガンマ線バーストの名前は、略称の「GRB」に、発生時刻の西暦下2桁、月、日の6桁の数値で決まる。同日に複数のガンマ線バーストがあった場合は、A、B、C…という順にアルファベットが付けられる。例えば2008年9月16日に3番目に発生したガンマ線バーストは「GRB 080916C」となる。
研究史
発見

ガンマ線バーストは1967年7月2日にアメリカの核実験監視衛星ヴェラによって発見された。発見されたGRBは後にGRB 670702と名づけられた。ヴェラは核兵器の爆発実験により放出される放射線を検出する目的で作られた衛星だが、発生源が不明のガンマ線のバーストを検出することがあった。1973年にアメリカのロスアラモス国立研究所の研究者が、この衛星のデータから、これらのバーストが太陽系外からやってきているのを突き止めた。

宇宙から飛んでくるガンマ線は地球の大気によって遮られるため、ガンマ線バーストは大気圏外でしか観測できない。研究者たちは、より高性能のガンマ線検出器を衛星軌道上に打ち上げればGRBの位置を迅速に求められると考えた[3]。しかし、1970年代になって高性能のガンマ線センサーが打ち上げられたものの、バースト源の位置を特定して詳細に調べるには精度が不足していた。衛星が示したバーストの発生位置付近を可視光で観測しても、それらしい天体は全く見つからなかった。

バースト源についてそれ以上詳しい情報は得がたいのが明らかになり、またGRBについて多く疑問が出された。第一の疑問は、バースト源は銀河系内にあるのか、それとも遠くの宇宙にあるのか。第二の疑問は、バーストのメカニズムは何か、であった。仮にバーストが遠方の宇宙で起きるとすると、その莫大なエネルギーの源を説明するのが難しくなる。なお、一部の研究者は、ガンマ線バーストは太陽系内のオールトの雲にある反物質と物質が対消滅を起こしたときに発せられたのではないかという仮説を打ち立てたが、のちに否定された。

1980年代にはこの問題はほとんど進展しなかった。その後1991年4月にアメリカ航空宇宙局コンプトンガンマ線観測衛星を打ち上げた。コンプトンに搭載された観測装置の Burst And Transient Source Experiment (BATSE) はガンマ線バーストを検出し、その天球上の位置を十分な精度で決定することに成功した。BATSEによって、ガンマ線バーストには少なくとも2種類、硬ガンマ線バーストと軟ガンマ線リピーターが存在するとわかった。

BATSEは毎日2、3個のGRBを検出し、それらが天球全体にわたってランダムに分布するのを発見した。バーストが我々の銀河系内で起きているのであれば、銀河面に沿ってより多く分布するはずである。バースト源が銀河系の銀河ハローに付随するとしても、銀河中心により多く分布するように見えるはずである。またもしそうなら、近傍の銀河も同様の銀河ハローを持つと期待されるが、これらの銀河の銀河ハローに暗いガンマ線バーストの輝点は見られなかった。

この事実はGRBが遠方の宇宙で起きているのを示唆していたが、同時にこれほど大きなエネルギーを生み出すメカニズムが問題となった。理論天文学者の中には依然としてGRBが銀河系内で起きるモデルを考え出す者もいたが、BATSEではこの問題を解決できなかった。
バーストの同定: GRB 970228

1990年代末にはGRBが銀河系内で起きるとする説は否定された。最初の手掛かりは、1996年に打ち上げられて2003年まで稼動したイタリアオランダBeppoSAX衛星によってもたらされた。

BeppoSAXは2つの広角X線カメラと協調して動作するガンマ線検出器を搭載していた。衛星のガンマ線検出器の角分解能は高くないが、GRBには一般にX線も含まれているので、X線カメラを使えば素早くバースト源を特定でき、可視光やほかの波長の望遠鏡での観測に役立つ。

1997年2月28日、BeppoSAXはGRBの正確な位置を素早く割り出した。このデータにより、アムステルダム大学のJ. van Paradijsのチームがカナリア諸島のラ・パルマにあるウィリアム・ハーシェル望遠鏡でGRBの可視光による対応天体の検出に初めて成功した。GRB 970228と名づけられたこのバーストの光学対応天体は、1997年3月26日にはハッブル宇宙望遠鏡によって観測され、淡く広がった天体が取り巻いているとわかった。これはハッブル・ディープ・フィールドの非常に遠方にある銀河によく似ていた。しかしこの頃にはバーストの残光は非常に暗くなっていたため、バーストが銀河系外に起源を持つとはっきり証明するのに必要なスペクトルは得られなかった。

1997年5月8日、BeppoSAX は別のバーストGRB 970508きりん座で記録した。衛星の研究チームはインターネットでバースト発生の報告を流し、7時間後に天文学者ハワード・ボンドがアメリカのキットピーク国立天文台の90cm望遠鏡を使って光学天体を検出した。5月11日には10mケックII望遠鏡によってこの天体のスペクトルが得られた。このスペクトルの吸収線は大きなドップラーシフトを示していた。赤方偏移の値は 0.835 であった。ハッブルの法則を当てはめるとバースト源は数十億光年の彼方にあることになる。

これらの観測に続いて天文学者たちは、バースト発生の数時間後あるいは数日後により暗い可視光や電波の残光を検出した。赤方偏移のデータもより多く集まり、バーストが遠方の宇宙で起きているのがはっきりした。

1997年1998年に行われたいくつかの GRB 発生位置の可視光観測によって、バーストと超新星の間につながりのある可能性が浮かび上がってきた。これらの観測は決定的ではなかったが、天体物理学者たちは GRB が超新星と関連していることに自信を持つようになった。
観測の歴史

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バーストの観測年代名称
1999年GRB 990123
2006年GRB 060614
2013年GRB 130427A
2022年GRB 221009A

バーストの観測: GRB 990123

1999年1月23日、アメリカ・ニューメキシコ州ロスアラモスの Robotic Optical Transient Search Experiment 1(ROTSE-1)という装置によって、初めて GRB 本体の可視光画像を得ることに成功した。ROTSE-1 は商用の200mm望遠レンズ4本が CCD 撮像素子に組み合わされたアレイで構成されており、これが自動動作する架台に搭載されていた。


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