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モーリス・ビンダー(Maurice Binder, 1925年8月25日 - 1991年4月9日[1])は、アメリカ合衆国のタイトル・デザイナー。ニューヨーク市生まれ。数多くの映画・テレビドラマで、メインタイトルのデザインを行った。
日本語では「モーリス・バインダー」と表記されることもあるが、原音に近いのは「モーリス・ビンダー」である。 1950年代から1960年代には、ソール・バスと並んで人気のデザイナーであった。ビンダーの作品は鮮やかな色使いに特色があり、『007 ドクター・ノオ』や『シャレード』のオープニング・タイトルで顕著に現れている。 映画『007シリーズ』においては、第1作『ドクター・ノオ』と、第4作『サンダボール作戦』から第16作『消されたライセンス』までの14作品において、タイトル・デザインを担当[2]。よく知られる冒頭のガンバレル・シークエンス(en:gun barrel sequence
来歴シャレード
私生活は質素なもので、女好き・子供好きと言われていたが、結婚して家庭を持つことはなかった。その分、出演する女性には熱意を持って接し、「指先だけ映るモデルがいつの間にかヌードになっている」とスタッフが呆れることもあったという。
シルエット撮影中、前貼りも付けずに撮影を行い、送風機を当てられたヌード・モデルは「下の部分がたなびいてしまった」こともあったという。
ビンダーには子がいなかったため、甥や姪を溺愛した。一方で仕事にはシビアで、よい素材を求めて納得するまで撮りなおすこともしばしばであった。さらに素材を組み合わせる編集作業も緻密であり、試写会ぎりぎりにならないとメインタイトルが完成しない事態も頻繁であったため、スタッフの中でも特に編集者には激怒する者もいた。
メイン・タイトルは65mmフィルムで撮影されており、完成させた映像(1:2.2)は35mmアナモルフィックレンズで撮影された映像1:2.35とは画角が異なっていたが、トリミングを許さず、そのままの状態で35mmに縮小焼き付けされている。そのため、オープニング・シーンでは画面左右にマスクをかけて焼きつけられた。
1991年、肺癌のためロンドンで死去[1]。死後、多数の美術書や絵画を蒐集・所蔵していたことが明らかとなった。ビンダーは生前、これらの名画を部屋に裏返しに掛けていたという。 映画『007シリーズ』において、よく知られる冒頭の映像。スクリーンの中を歩いて横切るジェームズ・ボンドが、こちらに向かって銃を撃つと、上方から血が流れ落ちる。ライフルの刻まれたガンバレル(銃身)の中から写した形の映像になっているため、こう呼ばれる。 戯れに銃口の中を覗き込んでみたビンダーが、銃身の内側の造形に感心して使ってみたといわれる。発表の当時から現在に至るまで、初めてその映像を見た者は「目のシンボルか?」「カメラの絞りではないか?」と不思議がる印象的なモチーフである。本来は『007 ドクター・ノオ』のオープニングの冒頭部分に過ぎなかったが、第2作として『007 ロシアより愛をこめて』が製作された際、編集のピーター・ハントの発案で使用されることになったといわれる。以後、第20作『007 ダイ・アナザー・デイ』まで使用され、007シリーズの冒頭を飾る映像として広く親しまれ、多くのパロディを生んでいる。当のビンダーは、一回きりの作品と思って制作費のみを手にしたが、「ライセンス制にしておけば、シリーズごとに収入が入ったのに」と、本気で落胆したと言われる。
ガンバレル・シークエンス
ボブ・シモンズ版…長らくジェームズ・ボンドのスタントを担当したシモンズが初代ガンバレルのボンドである。シモンズの構えは軽くジャンプして正面を向き、着地と同時に発砲する。『ドクター・ノオ』ではオープニングの冒頭にあたり、耳慣れた「ジェームズ・ボンドのテーマ」は発砲後に流れ始める。ドットが左から右に流れる間はピコピコという電子音、ガンバレルが開いてからボンドのテーマがかかるまではグロッケンシュピールの単音をバックにしている。ドットは途中で停止し、左にハリー・サルツマン、右にアルバート・R・ブロッコリのクレジットを当てる。発砲して銃声が鳴った後に右下へ縮小した銃口の周囲には無数のドットが集まり、タイトルの「Dr.NO」に変化するが、銃口は「O」となる。『007 ロシアより愛をこめて』と『007 ゴールドフィンガー』でも使用されたが、「ボンドのテーマ」はドットから流れている。サルツマン&ブロッコリのクレジットはカットされ、ドットは定位置まで進む。