ガンダルバ_(ダリット)
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この項目では、ネパールのカーストについて説明しています。インド神話における半神半人の精霊については「ガンダルヴァ」をご覧ください。
ガンダルバによるサランギの演奏と歌バララム・ガンダルバによるサランギの演奏バララム・ガンダルバによる歌唱

ガンダルバ(がんだるば・ネパール語: ??????? ????、英語: Gandarbha)とは、ネパール中央丘陵地帯のインド・アーリア系民族パルバテ・ヒンドゥー)に属するダリット(不可触民)コミュニティ。ネパールの下位カーストで、職業は楽師[1][2][3][4]。伝統的にはガイネ (ネパール語: ?????、英語: Gaine)と呼ばれていたが、カースト名称を忌避してサンスクリット的な美称を名乗るようになった。ガンダルバの由来はインド神話の天界の楽人ガンダルヴァ[5]、ガイネの由来はg?unu(ガウネ・歌う)とh??ne(ヒンネ・歩く)[6]
概要

ガンダルバの伝統的職業は日本の門付けに近い。村の家々を訪ねたり広場など人の集まるところを移動しつつ弾き語りをする遊行の音楽家であり、その対価として食べ物などを得て生計を立てていた[3][2]。ときに「大道芸人」「辻音楽師」「吟遊詩人」などとも表現されるが[7]、彼らには職業を指す特定の言葉は無く「歩き回る仕事」「楽しませる仕事」「ジャーナリストのような仕事」などと表現している[8]

彼らが主に使う楽器はサランギと呼ばれるバイオリンに似た弦楽器である[1][9]。かつてはより大きなアルバージ(arb?j)と呼ばれる撥弦楽器も用いていたが、現在ではサランギがガンダルバのアイデンティティとなっている[2][1]

彼らの歌はGeetと呼ばれる民謡の一種で、内容は英雄的な叙事詩、大事件を元にした物語詩、神々への賛歌、愛や自然を歌う抒情詩などである[2][7][10]。また、彼らは即興の歌に乗せて情報を伝達する役割も担っていた。ネパール王国の建国の際には、戦況を歌に乗せて村々に伝えたことで貢献したと評価されている[4]
伝統的な生業

彼らのようなダリットは職業カーストとも呼ばれ、世襲的な職域に縛られる。多くのダリットは鍛冶屋(カミ)や皮職人(サルキ)など生活必需品の生産者であり固定の顧客をもつため経済的には安定していたが、遊行をするガンダルバは特定の顧客を持たず、時に物乞いのような扱いをうけるなど不安定な生活を強いられた[3][6]


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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