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ガンダム(GUNDAM)は、「ガンダムシリーズ」に登場する架空の兵器。有人操縦式の人型ロボット兵器「モビルスーツ」(MS)の一つ。初出は、1979年放送のテレビアニメ『機動戦士ガンダム』。
作中の軍事勢力の一つ「地球連邦軍」が開発した試作機の1機で、主人公「アムロ・レイ」の搭乗機。額のV字型ブレードアンテナと、人間の目を模した双眼式のセンサーカメラが特徴で、ほかのMSに比べ人間に近い形状を持つ。これらの特徴は、以降のシリーズ作品に登場する「ガンダムタイプ」の基本となった。敵対勢力である「ジオン公国軍」のMSの多くを凌駕する性能を持ち、パイロットのアムロの成長と相まって「一年戦争」で伝説的な戦果を上げる。
通常、単に「ガンダム」と呼ばれる機体は、アムロの乗る白ベースに赤・青・黄色のトリコロールの2号機(型式番号:RX-78-2)を指すが、『ガンダム』本放送終了後に展開された企画や外伝作品などで、配色や一部仕様が異なる同型機が複数開発されたと設定された(後述)。 メカニックデザインは大河原邦男が担当。ただしバリエーション機などについては、大河原のデザインをもとにほかのデザイナーが担当している場合もある。 デザインは、大河原が総監督の富野喜幸の「富野メモ」[注 1]にあったラフ稿を参考に描いたが、大河原は途中参加だったためにサンライズ側の作品意図やイメージが十分に伝わっていなかった[1][2]。そこで作画監督の安彦良和が、作品コンセプトの参考にしたSF小説『宇宙の戦士』の表紙カバーや挿絵としてスタジオぬえの宮武一貴が描いたパワードスーツを参考にラフデザインを描いた[3][4]。しかし「これは主役メカにはならない」ということで却下となり、後にガンキャノンのデザインに転用された[1][2]。一方、大河原が次に考えた宇宙服を基本としたデザインも主役向きではなかった[1]。そこで大河原が新たにガンダムの原案となる「侍」モチーフのロボットを提案し、これを安彦がクリンナップしてカラーリングにも手を加え、ガンダムのデザインが完成した[注 2][1]。大河原の案では顔に「口」が付いていたが、「口はいらないはずだ」という安彦の意見から、マスクをつけたデザインに変更された[2][6]。 デザインのアイデンティティは、「背中に差したビーム・サーベル」「白が主体の配色」「足首やふくらはぎを設けた人型重視のフォルム」である[注 3][8][9]。サンライズのロボットアニメは伝統的に戦国武将の甲冑や武者人形をモチーフにしており[注 4]、ガンダムもその流れの中にある[5][10]。しかしガンダムの場合はより軽快な「足軽」がイメージにあったため、それ以前の作品に比べると装飾があっさりしたものになった[11][10]。 富野は配色を白一色にしたかったが玩具化した際に他のカラフルな玩具にインパクトで負けるため、従来通りのトリコロール色になった[注 5][12]。それでも、大河原の最初のデザインではトリコロールそのものだった配色を安彦が白の印象が強いものに手直しした[13][1]。またクローバー社から発売された玩具はベースが銀色だったが、富野はアニメでも銀色にしたかったという話もある[14]。当時、現実の戦闘機もジュラルミンの地色のままの銀色のものも多かったので、富野も「塗装してあること自体が不思議じゃないか」と言っていた。そこから、ガンダムがトリコロールに塗られている理由は「試作機なのでデモンストレーションが目立つ色にしたため」という解釈にしようということになった[14]。 諸元ガンダム
デザイン
設定解説
型式番号RX-78-2
頭頂高18.0m[15]
本体重量43.4t[16]
全備重量60.0t[15]
装甲材質ルナチタニウム合金[17][注 6]
ガンダリウムα[19]
出力1,380kW[16](65,000馬力[20])
推力24,000kg×2、3,750kg×2[21]
総推力55,500kg[16]