ガリレオシリーズ
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『ガリレオシリーズ』は、日本の推理作家東野圭吾原作の推理小説で、物理学者・湯川学を主人公とした連作ミステリーシリーズの総称。
概要

初出は『オール讀物1996年11月号。天才物理学者・湯川学が大学時代の友人である刑事・草薙俊平の依頼を受けて、一見超常現象とも取れる不可解な事件を科学によって解決していく。また、シリーズ第2作以降は論理的な推理によって、解決するものもある。作者が理系出身であることを生かし持っている知識をフル活用して書いた作品で、検証こそされていないが原作中に登場するトリックはすべて理論的には可能なものである。

古くから推理小説においては、「世間において、あまり一般的ではない科学技術を駆使したトリックは使用しない」という暗黙の了解が存在する[1]が、本シリーズではこれを意図的に破っている。

2007年10月から短編集2作を原作としたテレビドラマ 『ガリレオ』として放映された。テレビドラマ化発表時点でシリーズ全体の発行部数は約160万部であったが、その後売上を伸ばし、さらには『容疑者Xの献身』の文庫化もあって、2008年8月現在では発表時点の公表より大きく上回り400万部を突破した。また、2008年10月にはテレビドラマの劇場版として同キャスト・スタッフにより探偵ガリレオシリーズ第3作『容疑者Xの献身』が映画化された。

シリーズ初の長編作『容疑者Xの献身』は第134回直木三十五賞を受賞し、日本人として史上2作目となるエドガー賞候補となった。2013年3月5日に、発行部数がシリーズ合計で1000万部を超えたと発表された[2]

2012年に刊行された単行本『禁断の魔術』に収録の短編「猛射つ」は、2015年6月10日発売の文春文庫に収録時に長編小説に改稿した文庫オリジナルとなっている。「猛射つ」と共に掲載されていた短編は、3月10日発売の文春文庫『虚像の道化師』にまとめられた[3]

2022年8月、発行部数がシリーズ累計で1500万部を超え、刊行済みのガリレオシリーズの中からジュニア向けに再編成された『ガリレオの事件簿』が刊行された[4]
登場人物テレビドラマ版での人物設定については「ガリレオ (テレビドラマ)#登場人物」を参照
メイン
湯川学(ゆかわ まなぶ)
主人公。帝都大学物理学助教授(
准教授)で、理工学部物理学科第十三研究室に所属。『沈黙のパレード』以降では教授に昇進している。帝都大学理工学部卒業。「爆ぜる」連載当時34歳。「曲球る」では38歳のプロ野球選手より少し年上、「猛射つ」では40歳前後、『沈黙のパレード』では40歳過ぎと表記されている。物理学においては天才的な頭脳を持つほか、かなりの雑学的知識を有する。また、洞察力にもたけ、女性の職業を当てたことがある。その能力を駆使して草薙が持ち込む難事件を少ない情報で論理的に解決していくため、捜査一課からは「ガリレオ(先生)」とあがめられるほど。しかし、本人はその呼び名を嫌がっている。その素顔はベールに包まれていて、生活観を窺うことができない。夜遅くまで研究を続け、夕食も大学内で済ませているようである(ただし、時々自炊することもある)。かつて大学院2年の秋に、「磁界歯車(磁力を引き上げる実験)」を考案し、某アメリカ企業が買いに来たことがある。しかし、ごく限られた状況下でしか効果がないことがバレ、どこも相手にしなくなってしまった。この歯車は元々行っていたモノポールの証明が失敗したことで、別の角度から研究を行った結果生み出されたものである。純粋な科学者ほど失敗を受け入れず実験の積み重ねを無駄にしたくないとムキになるが、湯川は早々にモノポールの探索に見切りをつけ、「磁界歯車」に取り組んだと『ガリレオの苦悩』所収の「操縦る」で恩師の友永幸正が語っている。富樫慎二殺害事件(『容疑者Xの献身』参照)での警察の対応で確執を起こして以後、捜査に一切協力しないことを決め、草薙とも疎遠になっていた。しかし内海薫から協力を依頼(『ガリレオの苦悩』)されたのをきっかけに現在は科学者として興味をそそる事件限定で再び協力している。性格は偏屈で、事件への興味を惹こうとする草薙の話の揚げ足をよくとる。また、ほかの人物が興奮したり騒いだりしても常に自分のペースを変えない冷静さを持ち、滅多に感情的になることはない。しかし『聖女の救済』ではトリックの困難さに苦戦を強いられ、『禁断の魔術』では容疑者を庇いたいという思いから机を叩くなど、いずれも内海の前で苛立ちを見せている。また女性の色香に困惑するなど女慣れしていない様子。このように決して冷たい人間というわけではなく、犯人の事情を知ると「情」に駆られて見逃そうとしたりすることもある。そういった考えもあり、自分がどういう推理をしているのかということを一切話さず、必要になった時にしか語らない(草薙たちに先入観を与え、冤罪を起こしてしまうのではないかと危惧している理由もある)。『禁断の魔術』では必要な情報を意図的に秘匿したり、草薙たちにも事情を話さず一人で事件を解決しようとするなど感情的になっている面が強く出ている。『禁断の魔術』の事件解決後、草薙や内海たちと花見をするはずだったが、「急遽ニューヨークに行くことになった。怪事件が起こってもアメリカまで来ないでほしい」と草薙にメールを送った。それから四年後の『沈黙のパレード』にて教授となって帰国するが、連絡したのは内海だけで草薙にはしなかった(内海から伝わると考えたため)。趣味はバドミントン。バドミントン部に属していたころから腕前は高く、現在でも大会で優勝することがある。そのため体格はいいが、当人は学生時代よりは衰えたと述べている。好きなものはインスタントコーヒーでその歴史を諳んじるほどである。またかつてはインスタントコーヒーを自作しようとしたこともあるが『買ったほうが効率が良い』と言う結論に落ち着いたという。草薙が訪れた際には、あまり綺麗に洗っていないマグカップに薄いインスタントコーヒーを淹れてもてなす。他の訪問者にもたいていコーヒーを勧めるが、遠慮されることが多い。一方で他人が淹れるコーヒーにはうるさい。容姿に関しても「端正な顔立ち」とされ、整った顔であることが窺える[5]。苦手なものは子供。理由は「論理的でない相手と付き合うのは疲れる」ため。


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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