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光沢(こうたく、英語: lustre[1]、luster[1])は、物体表面の物理的性質で、対応する心理的属性を「つや(艶
)」や「光沢感」などと呼ぶ。光沢は主として光を反射する程度によって決まるが、実際には、正反射光と散乱反射光の強さの比、正反射像の鮮明さ、表面のざらつき模様などが強く影響する。光沢は表面反射光が強い金属光沢と透明物質に伴う非金属光沢との2種類に大別され、非金属光沢はさらに細分される[2]。
紙や塗料などでは光沢の規格が定められており、工業的に規格化されている光沢の測定方法としては、ISO 2813 (JIS Z 8741:1997) において規格されている鏡面光沢度がある[3]。 鉱物の性質の一つ。鉱物はその種類において特有の光沢を示すことが多いため、光沢は鉱物の識別において利用される[4]。不透明鉱物
鉱物学における光沢
光沢の種類
金属光沢黄鉄鉱詳細は「金属光沢」を参照
金属光沢(英: metallic lustre[1]、metallic luster[1])とは、理想的な表面状態であれば鏡のようにふるまう、磨かれた金属のような光沢である。金属光沢を有する鉱物としては、方鉛鉱[5]や黄鉄鉱[6]、磁鉄鉱[7]などがある。
亜金属光沢閃亜鉛鉱
亜金属光沢(あきんぞくこうたく、英: submetallic luster[8])は、金属光沢に類似しているが、その輝きや光の反射は金属光沢よりも劣る。その分類には明確な基準があるわけではなく曖昧であり、金属光沢と非金属光沢の中間に位置する分類である[9]。しばしば非常に高い屈折率を持った不透明に近い鉱物において見られ[10]、その代表的なものに閃亜鉛鉱や辰砂、赤銅鉱などがある。 非金属光沢(ひきんぞくこうたく、英: nonmetallic lustre[1]、nonmetallic luster[1]) 金剛光沢(こんごうこうたく、英: adamantine lustre[1]、adamantine luster[1])は、ダイヤモンドにおいて最も顕著にみられるような光沢である[11]。そのような鉱物は透明もしくは半透明であり、1.9を超える高い屈折率を有している[10]。金剛光沢を有する鉱物は非常に稀であり、その例として白鉛鉱
非金属光沢
金剛光沢(ダイヤモンド光沢)カッティングされたダイヤモンド
後述の瑠璃光沢を有する鉱石の中で、金剛光沢よりはやや劣るものの屈折率が高く他の鉱石と比較して金剛光沢に近い光沢を有するものは亜金剛光沢 (subadamantine) と呼ばれる事もある。その例としては柘榴石(屈折率1.73 - 1.89)やコランダム(屈折率1.76 - 1.77)が挙げられる[11]。
玻璃光沢(ガラス光沢)石英
ガラス光沢(ガラスこうたく、英: vitreous lustre[1]、vitreous luster[1])は、ガラスのような光沢のことである。ガラス光沢を表す vitreous の語は、ラテン語でガラスを表す vitrum に由来する。ガラス光沢は最も一般的にみられる光沢の一つであり[12]、比較的低い屈折率を持った透明もしくは半透明の鉱物において見られる[10]。代表的なものに、方解石や石英、トパーズ、緑柱石、電気石および蛍石などがある。