ガバペンチン
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ガバペンチン

IUPAC命名法による物質名
IUPAC名

2-[1-(aminomethyl)cyclohexyl]acetic acid

臨床データ
胎児危険度分類

AU: B1

US: C




法的規制

JP: 処方箋医薬品

UK: 処方箋のみ (POM)

US: ?-only

? (Prescription only)

投与経路経口
薬物動態データ
血漿タンパク結合3%未満
代謝ほぼ代謝されない
半減期5-7時間
排泄腎臓
識別
CAS番号
60142-96-3
ATCコードN03AX12 (WHO)
PubChemCID: 3446
DrugBankAPRD00015
KEGGD00332
化学的データ
化学式C9H17NO2
分子量171.237 g/mol
SMILES

O=C(O)CC1(CN)CCCCC1

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ガバペンチン(: Gabapentin)は、GABA誘導体の抗てんかん薬である[1]。日本では商品名ガバペンで抗てんかん薬として流通している[2]プロドラッグであるガバペンチン エナカルビル(商品名:レグナイト)はむずむず脚症候群の治療薬として販売される[3]

ガバペンの適応は、他の抗てんかん薬の効果が認められない際の補助薬である。レグナイトの適応は、慎重に国際的な診断基準に従い、中等度から高度の他が原因でないむずむず脚症候群である。
歴史

ガバペンチンは1973年、ワーナー・ランバート(Warner Lambert、現:ファイザー)の西ドイツ研究所で、抗てんかん薬として合成された。イギリスおよびアメリカ合衆国で、成人におけるてんかんの部分発作に対する併用療法として承認され、1999年以降、欧州連合・アメリカで小児の適応を取得後は、アジアを含め世界中で抗てんかん薬として広く使用されている。[要出典]

日本では1993年に臨床試験が開始され、国内外の臨床試験の結果、既存の抗てんかん薬では発作の抑制が不十分な部分発作に、併用での有用性が認められた。2006年に製造販売承認を取得し、同年9月25日に発売を開始した。

ワーナー・ランバートの医療情報担当者が、承認外の11の適応に効くと医師に病気喧伝し、適応外使用を勧めていたことが、1996年の内部告発と提訴をきっかけに判明。全米各地で団体訴訟が発生した[要出典]。これにはFDAの承認を取得した帯状疱疹神経痛も含む。

2003年に誇大宣伝などの独占禁止法違反で、アメリカ合衆国連邦政府による調査が実施され、この結果ファイザーは、2003年末に4億2700万米ドル以上の巨額の引当金を計上した。[要出典]
適応
ガバペンの日本での適応

他の抗てんかん薬で十分な効果が認められないてんかん患者の部分発作(二次性全般化発作を含む)に対する抗てんかん薬との併用療法

国内臨床試験において、単独投与での使用経験はない[4]
レグナイトの適応

中等度から高度の特発性
レストレスレッグス症候群(下肢静止不能症候群)

使用上の注意として、国際レストレスレッグス症候群研究グループの診断基準および重症度スケールに基づき慎重に実施し、基準を満たす場合にのみとされる。特発性とは他が原因でないということである。たとえば、薬物または物質による睡眠関連運動障害のひとつとして、ドーパミン受容体を遮断する抗精神病薬による錐体外路症状がある[5]
有効性

難治性慢性咳嗽への二重盲検試験にて有用性が確認された[6]
代謝

ガバペンチンはほとんど代謝の影響を受けず、あるいは他の代謝を誘導しない。
副作用

ガバペンチンの副作用は以下のようなものがある。

傾眠傾向

浮動性
めまい

頭痛

複視

倦怠感

アメリカでは、抗痙攣薬すべてに自殺企図や自殺念慮を高める旨の警告表示がなされている[7]。日本でも、精神疾患に適応のあるほかの抗痙攣薬において、自殺念慮の症状が悪化する可能性についての警告表示がある[8]

抗てんかん薬全般に言えることであるが、連用中における急激な減量あるいは中止時に、てんかん発作の増悪またはてんかん重積状態のおそれがあるため、徐々に減量する。


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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