ガス人間?1号
THE HUMAN VAPOR[出典 1][注釈 1]
監督
本多猪四郎(監督)
円谷英二(特技監督)
脚本木村武
原作ジョン・メレディス・ルーカス(英語版)
『ガス人間』[7]
製作田中友幸
出演者
三橋達也
八千草薫
佐多契子
土屋嘉男
音楽宮内國郎
撮影
小泉一(本編)
有川貞昌(特撮)
編集平一二
製作会社東宝[出典 2][注釈 2]
配給東宝[8][11][注釈 2]
公開 1960年12月11日[出典 3]
上映時間91分[出典 4]
製作国 日本
言語日本語
前作電送人間
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『ガス人間?1号』[注釈 3](ガスにんげんだいいちごう、英題:The Human Vapor)は、1960年12月11日に公開された、東宝製作の特撮映画。カラー、東宝スコープ[出典 5]。併映は『金づくり太閤記』[出典 6](主演:加東大介、監督:川崎徹広[18])。
変身人間シリーズの第3作[出典 7][注釈 4]。ガス人間による完全犯罪を描いたSFスリラーに、ガス人間とヒロインの悲恋を絡めた本作品は、監督の本多猪四郎の代表作にも数えられる[16]。 吉祥寺の銀行で強盗殺人事件が発生し、犯人の車は五日市街道の崖から転落するが、放置された車の中に犯人の姿はなかった。付近を捜索する警視庁の岡本警部補は荒廃した屋敷に迷い込み、そこで日本舞踊の没落した春日流家元の美女・春日藤千代の姿を目撃する。その数日後、再び五日市街道付近で強盗殺人事件が発生するが、今回は密室状態の金庫室から金が持ち出され、金庫内にいた銀行員が気管に謎のガスを詰められて殺害されるという、前回以上に不可解な犯行だった。 その後、都内で三度目の強盗事件が発生して犯人が現行犯逮捕されるが、一度目と二度目の事件で奪われた現金の隠し場所を吐こうとはしなかった。一方、貧窮していたはずの春日流は絶縁状態だった弟子たちに大金を配って呼び戻し、実行できずにいた発表会の準備を始めるなど、突然羽振りが良くなり始める。岡本は藤千代が事件に関与していると推理し、幼馴染の女流新聞記者・甲野と共に藤千代の身辺を捜査する。岡本の読み通り、藤千代の持っていた1万円札と事件で盗まれた紙幣の番号が一致していることが発覚し、彼女は逮捕される。 事件は解決したかに思われたが、警視庁に水野と名乗る男性が自首してくる。水野は自らが一度目と二度目の事件の真犯人であり、三度目の事件は模倣犯に過ぎないと宣言すると、刑事たちの眼前で自身をガス化させて銀行員を殺害し、密室状態の金庫室から脱出してみせる。水野はかつて生物学の権威・佐野博士による宇宙飛行士を生み出す人体実験を受けた結果、自身をガス化させる能力を得たガス人間であり、これまでの犯行は恋人である藤千代の発表会を実現させ、世間に彼女を再評価させるための資金を与えるためだったのだ。無実が証明されて釈放された藤千代は水野に凶行を止めるよう説得するが、自らの異能に全能感を抱く彼は聞き入れない。一方、世間の注目はガス人間に集まっており、一連の事件や模倣犯などによる社会不安を重く見た警察は、水野の抹殺を決断する。 警察は発表会の会場である大ホールに可燃性のUMガスを充満させ、その爆発による抹殺作戦に取りかかる。当初は藤千代とお付きの老鼓師を退避させた後に実行する手はずだったが、彼女たちに退避を拒まれたため、やむを得ずスイッチが押される。しかし、水野が事前に起爆装置を破壊していたため、作戦は失敗に終わる。藤千代は演舞を終え、唯一観客席に残った水野と抱擁を交わすが、彼女は隠し持っていたライターでホールに充満したガスに着火し、大ホールは大爆発の業火に包まれる。
ストーリー