ガサラキ
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ガサラキ
ジャンル
ロボットアニメサスペンス伝奇
アニメ
原案矢立肇高橋良輔
監督高橋良輔
シリーズ構成野崎透
キャラクターデザイン村瀬修功、山形厚史(ゲスト)
メカニックデザイン出渕裕荒牧伸志
音楽`島邦明
アニメーション制作サンライズ
製作サンライズ、テレビ大阪読売広告社
放送局テレビ東京系列
放送期間1998年10月4日 - 1999年3月28日
話数全25話
テンプレート - ノート
プロジェクトアニメ
ポータルアニメ
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『ガサラキ』(Gasaraki)は、1998年10月4日から1999年3月28日まで全25話にわたってテレビ大阪テレビ東京系列で放送されたサンライズ制作のロボットアニメ作品。
概要

装甲騎兵ボトムズ』を手がけた高橋良輔が、『蒼き流星SPTレイズナー』以来、13年ぶりに監督を務めたテレビシリーズのロボットアニメである。リアルロボットや実在兵器が登場する迫真性が高い戦闘描写、政治ドラマを持ち味とする近未来SFとしての側面と、を始めとして和風のテイストを盛り込んだ伝奇作品としての側面を持つ。高橋が手がけるリアルロボット・テレビアニメとしては、初めての半年2クールシリーズ企画でもあった。(ただし助監督として参加していた谷口悟朗の後年のインタビューによれば、高橋は当時多忙で現場につきっきりでいることができなかったため、脚本の決定権を除き自分たちが中心になって映像を制作していたと発言している)[1]

まず最初にアニメ放送用のシナリオが書かれた。アニメは一話?数話で一ストーリー完結という形を取らず、一つの話数の中に異なる複数のストーリーを同列に配置する一種のコンプレックス形式を取っている。そのため第1話から最終話まで全て見なければ、視聴者は全てのストーリーを理解することが困難となっている。

この様な独特な構成は、シリーズ構成・脚本を担当した野崎透によるものである。野崎は「『ER緊急救命室』の様な群像劇にしたかった」と述べており、本作の方向性やコンセプトも監督の高橋良輔ではなく、主に野崎が定めていた[2]
物語設定

本作の本質は、主人公・ユウシロウがヒロイン・ミハルと共に自分自身や「ガサラキ(餓沙羅鬼)」と呼ばれる存在の謎に迫る伝奇サスペンスである。この伝奇としての部分を盛り上げるため、各話冒頭のサブタイトルに和歌を用いたり、ユウシロウがトランス状態に入るために能(「物依せ」の儀式)を舞ったりするなど和風の味わいを盛り込んでいる。豪和一族の中でユウシロウだけが名をカタカナ表記をされていることも重要な伏線となっている。

ユウシロウの属する豪和一族と、ミハルの所属する組織シンボルはどちらもガサラキに由来する伝承・技術を古代から保持しつつ、更にガサラキの真の姿・力を追い求め、これに接触し呼び込むことのできる二人を利用している。登場する戦闘ロボット「タクティカルアーマー(TA)」(シンボルでの呼称は「メタルフェイク(MF)」)もその過程での産物であり、ガサラキに由来するオーバーテクノロジー(豪和一族は「骨嵬(くがい)」と呼ぶ)を基にしている。

輪廻転生などの思想も取り入れられており、前世、あるいは祖先と思われる人々による餓沙羅鬼や骨嵬を巡る争いなどが平安編とドラマCDで描かれた。アニメ本編の後半からはユウシロウやミハルらと入れ替わる形で、思想家・西田と自衛隊による日本国内でのクーデターや日米対立などの現代政治劇ドラマが物語の軸となっており、最終回を除き伝奇的要素は影を潜める事となっていく。特に政治ドラマが中心となった後半は、西田が物語の前面に出るあまり、主人公のうちユウシロウは一パイロットとなり、ミハルの存在感も薄くなる、平安編まで張られていた伏線の多くが未消化に終わる等の弊害も招いた。

後半、ユウシロウの印象が薄くなった原因について野崎は「ユウシロウはまだ17歳の子どもであり、いくら優秀でも所詮子どもが物語を構成する大人社会を引っ張る様な描写を描くことは、自分にはできなかった」と述べている。これについて高橋は野崎の考えを否定はしなかったが、本作においてはマイナスに働いたと指摘。自分がそこを修正すべきだったと述べている[3]
メカ設定

本作品には特務自衛隊が開発したタクティカルアーマー(TA)と、シンボルが開発したメタルフェイク(MF)という、二足歩行ロボット兵器が登場する。

TAやMFは体高4m台の機体に人が立って搭乗する。こうしたサイズ上の制約と重量軽減のため、装甲は必要最低限しか施されていない。防御に関しては機動による回避を主としており、作中ではMFが歩兵携帯火器の集中攻撃を受けて破壊される場面も描写されている。手足があっても格闘に用いるのに十分な強度は無く、敵を殴りつけるとマニピュレーターが粉砕してしまう。また移動時の振動、敵や暴徒と対峙した時のストレスが、パイロットの身体・精神に与える過酷な負担も強調されている。

TAは、『太陽の牙ダグラム』におけるコンバットアーマー、『装甲騎兵ボトムズ』におけるアーマードトルーパーといった一連の作品における「リアルロボット」の延長線上のあるデザインで、純粋な兵器としてのイメージを持つ。その武装の多くは現用兵器に近く、それらを用いたリアリティ優先の戦闘シーンの演出が行われた(「電磁レールガン」や「ブラストロッド」といった武装もあるが、現実においても試作研究中、ないし実在兵器の応用である)。ベギルスタン編では、砂漠上において初めてMFと遭遇した戦車部隊を実質奇襲の形で壊滅させた回もあるが、兵器としては本来さほど強力ではなく、航空機や戦車と正面切って戦うのは無謀とされる。暴徒の威嚇・鎮圧、ワイヤーを活用したある程度の大きさがある建物への侵入・ビル群が立ち並ぶ都市部での局所戦といった極めて限定された状況でしか有効でないと描写される。

複合装甲を持つ戦車の砲塔がそのまま頭部になったようなデザインがテレビアニメで使用されたのは、この作品が初めてであった(OVAや模型では既存)。

TAやMF、骨嵬は劇中での活躍というより出番そのものが少なかった(特に物語中盤)。番組終了後に高橋監督は「ロボットを活躍させなさすぎた」と語っている(TAやMFはキット化されたが、セールス面では奮わなかった)。
続編について

監督の高橋良輔は本作について、後に「当初想定していた着地点にまで到達できなかった」と語っている。事実、番組終了後の関連商品(主に映像ソフト)の売り上げも悪くなかった[4]ことからサンライズ内で劇場映画化の企画が立ち上がり、実際にアニメ誌などでも取り上げられたが[5]、なんらかの理由で頓挫した模様。米たにヨシトモのWEBラジオにゲスト出演した高橋監督自ら「ガサラキの続編はない」と発言している[6]
あらすじ

日本の経済を影で操る旧家・豪和家は、代々伝わる「骨嵬」(クガイ)の組成を研究応用し、自衛隊と共に「タクティカルアーマー(TA)」という二足歩行兵器を開発した。

豪和家四男で余流能楽の継承者であるユウシロウはガサラキと接触できる「餓沙羅(がさら)の舞」実験の途中、ミハルという名の少女と精神接触をする。ミハルを擁する組織「シンボル」もまたガサラキ(ナダ)への接触実験を行っていた。

一方、豪和家長男である一清は、国学者・西田啓、自衛隊の広川と共謀し、反米クーデターに拠って日本の権力を手に入れようとする。同じ力を持つユウシロウとミハルは、ナダ実験への誤解が引き起こしたベギルスタン紛争、ガサラキの力を追い求める豪和家・シンボルの思惑といった波瀾の運命に翻弄されていく。
登場人物
豪和憂四郎/豪和ユウシロウ(ごうわ ユウシロウ)
- 檜山修之主人公。豪和家四男。特務自衛隊(特自)の教導団第3実験中隊に、豪和側からTAパイロット(フォーカス1担当)として大尉待遇で委託配属されている。空知検校により幼少の頃から余流能楽の手ほどきを受けて育つが、本人には10歳より以前の記憶が無い。実は、憂四郎は8年前の実験で死亡しており、現在のユウシロウは空知の孫で、脳に憂四郎の記憶を移植され、死んだ憂四郎の代わりに豪和家によるガサラキ召喚実験におけるシャーマン的役割である「嵬」(カイ)として利用されている。
ミハル
声 - 金月真美ヒロイン。日本人らしいが本名は作品中では明かされない。シンボルのMFパイロット。「インヴィテーター」と呼ばれる、豪和家における「嵬」と同様の実験体としてシンボルに利用されている。幼少時に難病に罹患しており、治療のため海外に渡航中に乗機が墜落、唯一の生存者となった。その際にインヴィテーターの反応を発見したシンボルによって救助され治療を受けて回復している。
豪和一族及び関係者
豪和一清(ごうわ かずきよ)


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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