ガキ帝国
監督井筒和幸
脚本西岡琢也
原案井筒和幸
製作林信夫
佐々木史朗
音楽山本公成
撮影牧逸郎
『ガキ帝国』(ガキていこく)は、1981年に公開された井筒和幸監督の映画作品。
昭和40年代前半の大阪を舞台にした不良少年たちを描いた作品。井筒和幸の出世作でもある。続編の『ガキ帝国 悪たれ戦争』についても述べる。 大阪万博を3年後に控えた大阪に少年院から帰ってきた不良少年のリュウとそこで知り合った高がシャバに出てきた、古い友人で仲間のチャボとケンはリュウを温かく迎え再会を喜ぶ。チャボによると現在大阪は大きく二つの不良グループに分かれておりキタは暴力団竜神会をバックに持つ北神同盟、ミナミはホープ (たばこ)しか吸わないホープ会のどちらかに所属しなくては夜の盛り場では自由に遊べなくなっていた。それを影で聞いていた高は北神同盟に入るため同盟メンバー、さらに竜神会幹部小野からのリンチに耐え切り「明日のジョー」の通り名をもらい同盟副会長に抜擢され、あっという間に組織をまとめ上げミナミに進出、ホープ会を難なく倒す。一方、リュウら三人はどちらにも属さずに北神とホープ会にケンカを売っては有無を言わせず叩きのめし遊びまわる。ある日、ケンの友人のゼニが護身用に持ち歩いていた改造銃をホープ会に奪われ、ふざけて撃った銃弾がゼニに当たり死亡した。三人は怒り狂いリーダーの服部を倒し、ホープ会残党は北神に対抗しようとリュウにリーダーを頼みピース (たばこ)しか吸わない「ピース会」を結成する。しかしケンはどこにも属さないというポリシーを貫き組織に入ってでもミナミを守ろうとするリュウ達と反目する。
あらすじ
キャスト
リュウ:島田紳助 - 典型的な暴れん坊。
チャボ:松本竜介 - 典型的なチンピラ体質で一般生徒にはカツアゲ、恐喝、ナンパをして遊びまわっている。喧嘩の腕はからっきしだが弱りきった相手に止めを刺そうと狂ったように蹴り上げるなど弱いものには容赦しない。基本的にリュウと行動しており明日のジョーから「金魚のフンが!」と罵られた事が思わぬ悲劇の引き金を引く事になる。
ケン:趙方豪 - 在日朝鮮人。バンドマンのドラマーとしても活躍している。
明日のジョー:升毅 - 同じく在日朝鮮人。
クロ:玉野井徹
グリコ:中浩二
オバQ:永田憲一
チビ太:篠田純
工藤:山本孝史
ゴキブリ:藤田佳昭
服部:北野誠
ポパイ:上野淳
タカオ:パンチけいすけ
ゼニ:名村昌晃 -朝鮮学校に通う在日朝鮮人でケンの友人
アパッチ リーダー崔:米村嘉洋
京子:紗貴めぐみ
アコ:雅薇
和子:森下裕巳子
御園のママ:渡辺とく子
ゴーゴーホール支配人:平川幸雄
富士ホールのマスター:大杉漣
リュウの父:夢路いとし
竜神会・小野:上岡龍太郎
アパッチ メンバー:木下ほうか
徳井優
スタッフ
監督・原案:井筒和幸
脚本・助監督:西岡琢也
製作:林信夫、佐々木史朗
撮影:牧逸郎
音楽:山本公成
編集:菊池純一
ガキ帝国 悪たれ戦争 『ガキ帝国 悪たれ戦争』(ガキていこくあくたれせんそう)は、1981年9月12日に公開。前作と同じく井筒和幸監督の映画作品。東映=徳間書店提携作品[1]。同時上映は『獣たちの熱い眠り』。『獣たちの―』とともに徳間書店としては初の映画製作進出[2]。 時代設定を1970年の大阪万博前から映画公開当時の現代までに移し[3][4]、舞台を大阪市内から大阪の衛星都市に移しており厳密にいえば前作の続編ではない[3][4]。但し、主人公が守ろうとした世界『ガキ帝国』は同じである[3]。 大阪のベッドタウンで働く佐々木良一と松本辰則は辰則の兄が経営するハンバーガー店のバイト、喧嘩、性欲処理に明け暮れる毎日を送っていた。ある日辰則に連れられてソープランドへ行った良一はそこの風俗嬢とトラブルを起こし、用心棒の渋沢からボコボコにされ、ムラムラが収まらない辰則は日ごろからソリの合わない同居先の兄嫁をレイプして日ごろの憂さを晴らそうとするが彼女が抵抗した際、自身のコレクションが壊された事に逆上し暴行。警察に捕まり少年院で首を吊って自殺した。それを聞いた良一も自殺の原因は兄嫁のせいと逆恨みして彼女を襲撃、少年院で一年を過ごした。刑期を終え社会に戻った良一は昔の喧嘩仲間、後藤光春と再会し彼女の安子と友達のトモ代を紹介する。しかしトモ代も光春の事が好きでいつしか二人は結ばれる。その二人の前に渋沢が現れ誰か一人ソープに沈めろと迫り光春はトモ代を差し出す。だが彼女はある暴力団組長の姪だった事で話がこじれた。 東映と徳間書店が製作を担当し[注 1]、製作費は3,000万円と書かれたものと[6]製作費は宣伝費も含めて5,000万円と書かれた文献がある[7]。3,000万円なら当時の東映社長・岡田茂が松田優作作品など、東映セントラルフィルム作品に与えた製作費と同額[8]。当時の製作費としては悪くない予算[6]。また当時は東映の本番線に提携作や買取り作品も増え[9][10]、本作の次に本番線で掛かった映画は『とりたての輝き』と『夏の別れ』の東映セントラルフィルム製作の二本立てだった[9][注 2]。若いプロデューサーや監督にチャンスを与えるという目的で[11]、東映シネマサーキット(TCC)もでき[11]、『ガキ帝国』を評価して東映から井筒へオファーを出した[5][6][12]。
監督井筒和幸
脚本西岡琢也
原案井筒和幸
音楽上田正樹
撮影牧逸郎
編集菊池純一
製作会社東映
徳間書店
配給東映
公開 1981年9月12日
上映時間90分
製作国 日本
言語日本語
前作ガキ帝国
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ガキ帝国 悪たれ戦争
あらすじ
キャスト
松本良一:豪田遊
佐々木辰則:北野誠
川村安子:谷山衣枝
後藤光春:清水昭博
佐々木辰夫:鶴田忍
佐々木和代:山口美也子
合田:月亭可朝
渋沢:下元史朗
三上トモ代:五十嵐知子
中川ルミ:井上真由美
本間好子:森村陽子
島田紳助
松本竜介
製作