ガイガン
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ガイガン
ゴジラシリーズのキャラクター
初登場『地球攻撃命令 ゴジラ対ガイガン
作者

水氣隆義(初代デザイン)

韮沢靖(『FINAL WARS』デザイン)



中山剣吾(初代)

吉田和宏(『FINAL WARS』)

よしだひかる(『ガイガン来襲』)

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ガイガン(Gigan)は、特撮映画『地球攻撃命令 ゴジラ対ガイガン』、『ゴジラ対メガロ』、『ゴジラ FINAL WARS』などに登場する怪獣である。別名は未来怪獣[出典 1]、サイボーグ怪獣[出典 2]
特徴

頭部に備えたサングラスじみた赤い単眼赤外線眼[7]と硬く鋭い大きな1本角、口の開閉とともに左右に開閉する牙、手足の1本爪、腹側や背側を覆う金色のウロコ、肘から先が大きな鉤爪状になっている両腕ハンマーハンド[出典 3][注釈 1]が特徴[14]。腹部の回転カッター[出典 4]と眉間に埋め込まれた強力レーザー光線発射装置などが、サイボーグ怪獣という、ゴジラシリーズにおいて特異な存在であることの象徴となる。背中には翼状のを3枚持ち、手足の付け根や胴部にプロテクターらしきパーツを備える。

戦闘に際しては、キングギドラなど他の悪役怪獣とタッグを組むことが多い。その華麗な姿と残忍な闘いぶり、徹頭徹尾悪役として登場した独特の存在感が特徴である[注釈 2]。特撮監督の川北紘一は、ゴジラのキャラクターが正義のヒーローに変わっていったため、敵対する怪獣も悪役然としたキャラクターにする必要があったと述べている[19]

地球攻撃命令 ゴジラ対ガイガン』が公開されると、派手なデザインのガイガンは人気を集め[20][注釈 3]、翌年には次作『ゴジラ対メガロ』、さらに特撮テレビドラマ『流星人間ゾーン』(日本テレビ、東宝)にも登場する名敵役となった。後年には、『地球攻撃命令ゴジラ対ガイガン』のオーディオコメンタリーに出演した樋口真嗣にも気に入られている。
デザイン

初代ガイガンのデザイナーは、かつて『週刊少年マガジン』を中心に挿絵画家として活躍していたイラストレーターの水氣隆義である[出典 5]。ただし、2008年末に水氣自身のWebサイト[24]で公表されるまで東宝でもその事実は知られておらず、漫画家の水木しげるの原案、もしくは彼の描いた妖怪おんもらきのイラストがデザインモチーフなどと推測されていた[25][26]。水氣自身が公表するまで、東宝関係者の間ですら「講談社のミズキに依頼した」という旨しか知られておらず[注釈 4]、当時に該当するのが水氣と水木しかいなかったことが原因であった。水氣自身も、ガイガンのデザイナーが不明とされていることについては知らず[23]ガレージキットについてネットサーフィンをしていた際に初めて知った後、マーミットでの商品企画時[29]に東宝と交渉して正式に認定された。

資料によっては井口昭彦によるデザインだとされていたが[30][31]、こちらは井口本人によって否定されている[要出典]。

上述のような事情から、メインとなっているモチーフが鳥類恐竜であることまでは推測されていたが何の鳥なのかまではわからず、水氣自身によってなど大型の鳥類をベースとしてさまざまな武器や三角形を鋭利なイメージでまとめたものであることが、公表された[22]。デザインの方向性としては、成田亨によるウルトラ怪獣のような統一性のあるデザインを目指したという[23]

特徴的なサングラス状の目は「『山と谷と雲』(1959年公開、日活)に出演していた石原裕次郎」から着想を受けたもので[23]、当初の構想ではサングラスの下に左右へ動くモノアイが埋め込まれている設定であった。鉤爪状の両腕や一本爪だけの足はバルタン星人に影響されたもの[21][23][注釈 5]。腹部の金の鱗は、スーツではキングギドラのそれと同様のものが使用されているが、水氣自身は黄色い鳥の羽毛をイメージしていた[19]

特技監督の中野昭慶は、前作『ゴジラ対ヘドラ』に登場する敵怪獣ヘドラが軟質的でモノトーンの怪獣であったことから、『地球攻撃命令ゴジラ対ガイガン』では対照的に硬質的で極彩色の怪獣を出すことをコンセプトとしていたと語っている[32]。デザインに際しては、科学雑誌『ネイチャー』に掲載された「恐竜は極彩色だったのではないか」という論文をもとに極彩色の怪獣をイメージし、ゴジラを威嚇するクジャクのような羽根、十二単のようなグラデーション[出典 6][注釈 6]、キングギドラとの整合性を意識した金色の意匠などの要望が中野から出されていたが、水氣には伝わっていなかったとみられる[28][注釈 7]。首から胸にかけて施された七色のグラデーション[出典 7]は現場には不評であり、反射を防ぐためにつや消しスプレーを上掛けされた[28]。肩は西洋甲冑を参考にした動きやすい形状となっているが、中野は肩に肉付けできないことから全体的なフォルムが弱くなってしまったと述懐している[34]。また、中野は自身の要望が届かなかったことから、ガイガンには満足していないとも述べている[28]

名前の由来はナイスガイの「guy」と、メインモチーフである「雁」を合わせて水氣自身が命名したもの[出典 8]。目のデザイン同様、ナイスガイも石原のイメージに由来するものだったが[21]、他社のスターがモチーフであることを当時は明言できず、周囲には「外敵であるから」という後付の理由で説明していたという。1971年11月25日付の『東京新聞』には「ガイガーカウンターに由来する」という記述もあった。

水氣によるデザイン画は紛失している[23]。従来の資料でデザイン画として紹介されていたイラストは、デザイン決定後に描かれたイメージイラストとみられているが、こちらの作者も不明である[23]

書籍『大ゴジラ図鑑2』では、キングギドラの軽量化と評している[31]
登場作品

公開順。

地球攻撃命令 ゴジラ対ガイガン(1972年)

ゴジラ対メガロ(1973年)

ゴジラ FINAL WARS(2004年)

上記のほか、特撮テレビドラマ『流星人間ゾーン』(1973年)、『ゴジラアイランド』(1997年)、パチンコ『CRゴジラ3・4』、イベント映像作品『フェス・ゴジラ3 ガイガン来襲』にも登場している。
登場が検討されていた作品
ゴジラ対メカゴジラ』では、検討用脚本『残波岬の大決斗 ゴジラ対メカゴジラ』の段階で、登場が予定されていた[37]


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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