カール・テオドア・ドライヤー
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カール・テオドア・ドライヤー
Carl Theodor Dreyer
1965年
生年月日 (1889-02-03) 1889年2月3日
没年月日 (1968-03-20) 1968年3月20日(79歳没)
出生地 デンマーク コペンハーゲン
死没地同上
職業映画監督脚本家
ジャンル映画
活動期間1919年 - 1965年
公式サイト ⇒carldreyer.com
主な作品
『あるじ』
裁かるるジャンヌ
吸血鬼
怒りの日
奇跡

 受賞
ヴェネツィア国際映画祭
金獅子賞
1955年奇跡
短編映画賞
1947年『村の教会』
国際映画批評家連盟賞
1965年『ゲアトルーズ』
ゴールデングローブ賞
外国語映画賞
1955年『奇跡』
その他の賞

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カール・テオドア・ドライヤー (デンマーク語: Carl Theodor Dreyer [?k???l ?ts?e??ot? ?t??j??], 1889年2月3日 - 1968年3月20日) は、デンマーク映画監督
生涯
出生の秘密

1889年2月3日コペンハーゲンで生まれた。父はスウェーデン在住のデンマーク人、母はスウェーデン人。父は富裕な地主で、母はその家の女中であった。カールは私生児として生まれ、すぐに乳児院に預けられた。いくつかの施設を転々とした後、翌1890年にコペンハーゲンの植字工ドライヤー家の養子となった。養家はカールに対して極めて厳格であった。ドライヤーは次のように後述している。「彼らはわたしが飢えないでいることを感謝するよう絶えず強要した。厳密に言えば、わたしには何も要求する権利がないこと、わたしの生母はその死によって養育費の支払を免れ、結果的に彼らを騙したのだから、と」[1]。その後、17歳の時に事務員の仕事を見つけ、ドライヤー家を出た。以後、養家には二度と足を踏み入れることはなかった。

ドライヤーは18歳の時、生みの母であるヨセフィーナ・ニルソンの運命と自身の出生の秘密を探り当てた。ヨセフィーナの妊娠発覚後、父とその一族は彼女にスウェーデンを離れ、秘密裏にデンマークで出産することを強制した[1]。ヨセフィーナはカールを出産した後にスウェーデンに戻ったが、別の男性との間に再び男児を身ごもった。相手の男性に結婚を拒否されると、彼女は硫黄を使った民間療法中絶を試み、貧困と孤独の中、硫黄の過量摂取による中毒で死亡した。不幸にまみれた母の死を知ったドライヤーは、男性や権力者の欺瞞によって生まれる社会の抑圧と不寛容が母を死に追いつめたと悟った。母とドライヤー自身の運命を決定づけた「社会の抑圧と不寛容」というテーマは、その後の作品に色濃く反映され、繰り返し描かれることになった。また、ドライヤーは自身の出生について多くを語ることはなかった。
映画への傾倒

ドライヤーはその後、ジャーナリストに転身。新聞に演劇評などを寄稿した。また、当時世間の大きな話題となっていた航空機に興味を持ち、報道記事だけでなく自らも気球の飛行に積極的に参加した。この時期に『怒りの日』や『奇跡』の原作となった戯曲の舞台を演劇評論家として鑑賞した。また、裁判記事も執筆し、毎日のように裁判所に通った。これによって中産階級の人々を知るようになった。

ドライヤーの関心は次第に映画へと傾き、ジャーナリストとして映画批評を執筆する傍ら、デンマークの映画会社ノーディスク・フィルムで働くようになった。ここで編集サイレント映画字幕の挿入を行い、映画技術を学んだ。これらの仕事についてドライヤーは「その仕事はまさに、素晴らしい学校のようなものでした。(中略)私はその学校で五年間学んだのです。私は今では自分の映画を、撮影がなされるつど、頭のなかで編集してゆきます。編集は演出の一部分をなしているのです。」[2]と述懐している。その後、脚本の執筆も行うようになり、1918年に第1作『裁判長』の製作に着手。翌1919年に同作を完成させた。
様々な国での映画製作

3作目の『サタンの書の数頁』(1920年)以降、ドライヤーは不況と映画界の凋落を招いていたデンマークを離れ、ヨーロッパの様々な国を渡り歩いた。これにより、これ以後に製作した『不運な人々』(1922年)はドイツ、『むかしむかし』(1922年)はスウェーデン、『グロムダールの花嫁』(1926年)はノルウェーと作品ごとに製作会社が変わるという事態に見舞われた。当時の世界の映画界はハリウッドスタジオ・システムに見られるように特定のスタジオと独占契約を結び、同じようにそのスタジオと契約しているスタッフや俳優と一つのグループを形成しながらそのスタジオの希望に添うような作品を作り続けることが常識であった。


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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