『カンブリア年代記』(カンブリアねんだいき、Annales Cambriae)は、ウェールズの歴史を綴った年代記。カンブリアと呼ばれた地域をラテン語で綴った年代記で、ダヴェド(英語版)のセント・デイヴィッズで集められた10世紀以前の原稿をもとに書かれている。
「カンブリア」と名づけられているものの、本書はウェールズのみならず、コーンウォール、イングランド、スコットランド、場合によってはそれ以外の地域の年代も含められている。 以下の4つが主要な資料として挙げられる。 1. は『ブリトン人の歴史』 (Historia Brittonum) の写本の中に無題名のまま収められており、オーワイン・アプ・ハウエル・ザー
資料
MS. Harley 3859, folios 190r-193r.、ロンドン大英図書館蔵
MS. E.164/1 (K.R. Misc. Books, Series I) pp.2-25、London (Kew), Public Records Office蔵
MS. Cotton Domitian A.i, folios 138r-155r、ロンドン大英図書館蔵
Exeter, Cathedral Library, MS. 3514, pp. 523-8, the Cronica ante aduentum Domini.、エクセター大聖堂附属図書館蔵
ibid., pp. 507-19, the Cronica de Wallia.
2. はウェールズ南部のニースにあるシトー会の修道院で書かれ、13世紀のものと思われる。題名は Annales ab orbe condito adusque A. D. mcclxxxvi [1286] となっている。
3. はセント・デイヴィッズで書かれた本の一部にあり、題名を Annales ab orbe condito adusque A. D. mcclxxviii [1288] という。13世紀のものと思われる。
4. と 5. はウェールズ南西部、ホウィットランド(英語版)のシトー会修道院で書かれ、13世紀後半のものと思われる。