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カンドンブレ、あるいはカンドンブレー(葡: Candomble [k??do?bl?])は、ブラジルの民間信仰のひとつ。主に低所得者層と中産階級から信仰されている。中心地はバイーア州およびリオデジャネイロ州。アフリカ系の宗教を基礎にしている。 アフリカの土着宗教(特にヨルバ人の伝統を継承している)が、奴隷貿易とともにブラジルへ渡来し、カトリックへの強制改宗にともなって独特の発展をとげた[1]。その過程においてジェジェ・ナゴ・カンドンブレと呼ばれるナゴ(Nago ヨルバ人)とジェジェ(Gege ダホメ人)の集団と、バンツー系で構成されるアンゴラ・コンゴ・カンドンブレが、インディオの信仰やエスピリティズモ(スピリティズム)など複数の信仰をも取り込み、1830年に体系化された[2]。 ブラジルの総人口のうち約1.5%(およそ200万人)が信仰しているとされ、信者らはキリスト教会とほぼ同じ頻度でテヘイロ(Terreiro、儀式を行う場所。カンドンブレ教会[3])に通うという。 カンドンブレという言葉は、プランテーションで働かされていた奴隷たちの宗教的舞踊「カンドンベ」と家を意味するヨルバ語「イレ」をつなげた造語[2]。 カンドンブレの儀式では、アタバキとよばれる三本の打楽器(パーカッション)のリズムに合わせ[4]、聖職者がその身にさまざまな神を憑依させる(信者が神懸かることもある)。カンドンブレの神々は、オリシャ(Orixa)と呼ばれ、それぞれのオリシャには自然現象や色、曜日、好物、持物(アイテム)、司る人間の内臓などが割り当てられている。神々の数は地方やテヘイロごとに差異があり、その正確な数はだれにもわからないとされる。これは各地の精霊信仰や日本の神道における八百万の神にも通ずるものがある。 なお、ハイチのブードゥー教やキューバのサンテリアなどはカンドンブレと同種の信仰である。特にヨルバ人の信仰体系を基礎とするサンテリアでは、スペイン語(但し「S音がT音」に転訛するためオリシャはオリチャとなる)になっただけでオリシャの重婚、性格、あてられる守護聖人などは全く同じで、サンテリアの信徒はカンドンブレとの親和性を主張するものの、ブードゥーとは距離を置いている[2]。
カンドンブレとオリシャ