カンデサルタン構造式
IUPAC命名法による物質名
IUPAC名
2-ethoxy-1-({4-[2-(2H-1,2,3,4-tetrazol-5-yl)phenyl]phenyl}methyl)-1H-1,3-benzodiazole-7-carboxylic acid
臨床データ
販売名Atacand
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カンデサルタン(英語: Candesartan)とは、主に高血圧の治療に使用されるアンジオテンシンII受容体拮抗薬の一つ。プロドラッグであるカンデサルタンシレキセチルがアストラゼネカや武田薬品工業からブロプレス (Blopress)、Atacand、Amias、Ratacandの商品名で市販されている。日本では武田薬品工業からブロプレス(単剤)、エカード配合錠(ヒドロクロロチアジドとの合剤)、ユニシア配合錠(アムロジピンとの合剤)が販売されている。創製は武田薬品工業で海外へは導出されている。開発コード、TCV-116。カンデサルタンシレキセチルの構造式 高血圧症、腎実質性高血圧症
効能・効果
ヒトの血圧に対しては、昇圧物質としてアンジオテンシンが最も影響を与える。アンジオテンシンIは、アンジオテンシン変換酵素により、アンジオテンシンIIへと変換され、アンジオテンシンIIが受容体に結合し、心臓・血管や副腎へと作用する。カンデサルタンは、アンジオテンシンII受容体に、競争的阻害剤として結合し、血圧を降下させる。2000年代初頭のCHARM臨床試験の結果、心不全の患者が服用する事で死亡率・入院率が低下することが示された[1]。心不全の治療ではACE阻害薬が第一選択薬であるが、カンデサルタンの併用はACE阻害薬単剤に比べて心血管疾患による入院率と死亡率を下げるほか、ACE阻害薬に不忍容な患者に対してはアンジオテンシンII受容体拮抗薬が代替薬として処方される。 観察期間4年間の無作為化比較臨床試験でカンデサルタンと偽薬とを比較した結果、カンデサルタンは高血圧前症の患者の高血圧症発症を防止または遅延させた[2]。観察期間前半の2年間はカンデサルタンと偽薬がランダムに割り付けられ、カンデサルタン群では高血圧症発症がほぼ.mw-parser-output .frac{white-space:nowrap}.mw-parser-output .frac .num,.mw-parser-output .frac .den{font-size:80%;line-height:0;vertical-align:super}.mw-parser-output .frac .den{vertical-align:sub}.mw-parser-output .sr-only{border:0;clip:rect(0,0,0,0);height:1px;margin:-1px;overflow:hidden;padding:0;position:absolute;width:1px}2⁄3に減少した。後半の2年間は全ての患者に偽薬が投与された。臨床試験の終わりまでに、カンデサルタンは有意に高血圧リスクを低下させ、低下率は15%を上回った。重篤な副作用の発生率は、カンデサルタン群よりも偽薬群の方が高かった。 チアジド系利尿薬の一つであるヒドロクロロチアジドと併用すると相乗的な降圧効果が得られる。カンデサルタン単剤8mgで充分な効果が得られない場合は、12mgに増量するよりはヒドロクロロチアジドを追加する方が良い[3]。 アリスキレン服用中の患者などには禁忌である。ただし、他の降圧治療を行ってもなお、血圧のコントロールが著しく不良の患者を除く[4]。 添付文書に重大な副作用として記載されている項目は、血管浮腫、ショック、失神、意識消失、急性腎不全、高カリウム血症、肝機能障害、黄疸、無顆粒球症、横紋筋融解症、間質性肺炎、低血糖である。 また服用した患者の5%以上に立ち眩み、低血圧、ふらつき、γ-GTP上昇、貧血、BUN上昇、クレアチニン上昇、血中カリウム上昇、血中尿酸上昇、血中CK(CPK)上昇が現れる[4]。 カンデサルタンは製剤としてはシクロヘキシル-1-ヒドロキシエチル炭酸エステル(シレキセチル)とのエステルである。カンデサルタンシレキセチルは腸壁のエステラーゼで完全に加水分解されてカンデサルタンとなり吸収される。 プロドラッグとする事でカンデサルタンの生物学的利用能は向上するものの、錠剤の利用能は約15%、アルコール溶液での利用能は42%であり、高いとはいえない。カンデサルタンのIC50は15μg/kgである。 開発コードTCV-116と呼ばれていたカンデサルタンは日本で研究開発された。標準的なラットを用いた動物実験の結果、カンデサルタンが有効性を示した事は1992年?1993年に公表された[5]。ヒトを対象とした予備的臨床試験の結果が発表されたのは1993年の夏であった[6]。 京都大学EBM共同研究センターを中心に行われた医師主導臨床研究CASE-J(2000年から2004年、心血管系障害
高血圧前症
利尿薬との併用
禁忌
副作用
薬物動態
開発の経緯
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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
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