カワサキ・Z1/Z900
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カワサキ900スーパー4Z900

基本情報
排気量クラス大型自動二輪車
車体型式Z1,Z1A,Z1B,A4
エンジンZ1E型 903cccm3 空冷4ストロークDOHC8バルブ直列4気筒
内径x行程 / 圧縮比66mm x 66mm / 8.5:1
最高出力82ps/8500rpm
最大トルク7.5kg-m/7,000rpm

      詳細情報
製造国日本
製造期間1972年?1976年
タイプネイキッド
設計統括大槻幸雄
デザイン
フレーム鋼管ダブルクレードル
全長x全幅x全高2200mm x 0865mm x 1170mm
ホイールベース1490mm
最低地上高
シート高815mm
燃料供給装置キャブレター (ミクニVM28SC,VM28SS)
始動方式セルキック併用
潤滑方式ウエットサンプ
駆動方式チェーン
変速機前進5速(リターン式)
サスペンションテレスコピック式
スイングアーム式
キャスター / トレール
ブレーキシングルディスクブレーキ
ドラム
タイヤサイズ前3.25-19インチ
後4.00-18インチ
最高速度200km/h
乗車定員2人
燃料タンク容量18L
燃費
カラーバリエーションキャンディートーンブラウン,キャンディートーンスカイブルー,キャンディートーンイエロー,キャンディートーンスーパーレッド
本体価格
備考輸出専用車
先代無し
後継カワサキ・Z900
姉妹車 / OEMカワサキ・750RS
同クラスの車ホンダ・CB750FOUR

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カワサキ・Z1は、1972年川崎重工業欧州及び北米市場向けに製造販売した輸出専用オートバイの型式名である。正式名称であるカワサキ・900 Super4よりも、型式名「Z1」の呼称が広く認知されている為、本稿では、「Z1」を標記として用いる。尚、後継機種であるカワサキ・Z900も併せて掲載する。所謂「Z1」の系譜は、1972年から1976年にかけて製造販売していた。


目次

1 概要

2 モデル一覧

2.1 Z1

2.2 Z900 / KZ900


3 参考文献

4 関連項目

5 外部リンク


概要

1960年代後半の川崎重工業(2輪車製造部門、以下
カワサキ)の販売を支えていた北米市場では、燃費の悪い2ストロークを嫌い4ストロークを好むようにユーザーが変化していた。その為、2ストロークのスポーツ車が主力だったカワサキは、当然ながら業績が悪化していた。

当時のカワサキでは、大型オートバイ(現在のスーパースポーツに相当)と言えば2ストローク500tのマッハ(空冷並列3気筒)だけで、4ストロークと言えば、経営悪化で吸収合併したメグロ(目黒製作所)の流れを汲む650cc並列2気筒OHVの「W1」系しか持っていなかった。

スポーツ走行に適さない「W1」系では、同業他社に勝負出来無い為、市販車として世界初になる空冷並列4気筒の「N600」型エンジンの開発に取り組んでいた。市販に向けて開発が進んでいたものの、1969年ホンダから市販車初の空冷並列4気筒エンジンを搭載した"CB750FOUR"が発表された。

結果的に先を超されたカワサキは、この「N600」エンジンの開発を急遽中止した。ホンダ同様に北米市場を強く意識していたこともあり、これを受けて車体デザインや動力性能等において全面的に企画を見直しが行われ、排気量を上げた900t並列4気筒DOHC(開発コード「T-103」、後の「Z1」)へ変更された。

この「Z1」の開発は、作戦名「ニューヨークステーキ作戦」と名付けられた。当時の北米では、多気筒をステーキ、単気筒をロブスターと俗称を用いていた事からカワサキの本拠地(兵庫県)から神戸牛の特上ステーキ「Z1」を北米市場に提供しようと言う意味である。

後発の利を生かした設計で、DOHCの採用以外に乗車時の足付き性に配慮する等で、商品性の向上を図った。事前のメディア対策も功を奏した為、販売成績も好調で、これにより1968年の H1(マッハIII、2ストローク500cc)及び1971年のH2(マッハIV、2ストローク750cc)から出発した「高性能・大型車のカワサキ」のイメージが北米及び欧州で定着した。

ZAPPER(ザッパー)とは「ZAP(風切音)」から派生したもので、カワサキが想定したオートバイ分類の中の1つである。スタイルが良く、軽量・軽快で加速性に優れることを身上とし、「シグナルグランプリ」(信号?信号間の競争)に強いといった特徴を有するもので、カワサキはこれが当時の北米マーケットにおける最大要件であると分析していた。分類のもう一方に位置する「TOURING CYCLE(長距離用で直進性や乗り心地を重視する)」は、後の "LTD" シリーズで商品化されたが、これは Z1 のコンセプトとは異なるものである。

Z1 以前の H1(マッハIII 500、1969年)や H2(マッハIV 750、1971年)も典型的 "ZAPPER" である。また、1976年の Z650シリーズ も Z1 の ZAPPER 属性をさらに特化させた(且つ操縦性も向上させた)ものと考えられる。

その後1976年にZ900、1977年にZ1000とマイナーチェンジを繰り返されていった。本稿では「903cc、4本マフラー」の機種を一つの世代として記述し以降の機種は別稿(Z1000Z1000MKIIZ1-R/Z1R-II 他)に委ねる。

上記2本マフラー化されたZ1000発売後、4本マフラーの旧モデルをピカピカに磨きこみ、エンジン調整等を行って完全な状態に整備して自慢をし合うことが流行し、北米での中古車価格が暴騰した。これはこの当時、トルクの向上とクランクシャフトの見直しによりエンジンフィールがマイルドになったZ1000に対し、旧モデルの方が速いという噂話への市場の反応と考えることもできるが、Z1の4本マフラーの商品力があったを示すエピソードとも言える。

モデル一覧

モデルチェンジ毎にカラーグラフィックは変更されている。バーバー・ビンテージ・モータースポーツ博物館に展示される1974モデルのZ1AKawasaki 900Super4
Z1

Z1(1973年モデル 1972年8月?1973年7月製造、初期型) - (モデル中間において)センターカムチェーントンネルのオイル漏れ対策実施

Z1A(1974年モデル 1973年8月?1974年7月製造) - カラーリング、エンジン点火時期、進角特性の変更、エンジンの黒塗装を廃止、リアブレーキにブレーキシュー残量インジケーターを新設。タコメーター内にテール、ストップランプの断線インジケーターを装備。燃料タンクの容量について記載の変更があるがカタログデータ上の物で実際のタンク形状にはエンブレムサイズ以外に変更はない。

Z1B(1975年モデル 1974年8月?) - カラーリング、チェーン給油装置廃止と共にシールチェーン採用、エンブレムを“900”書体変更。

Z900 / KZ900

Z900-A4/KZ900-A4(1976年モデル) - 前輪ダブルディスク化(欧州仕様のみ)、インジケーターパネル周りのデザイン変更、バッテリー搭載位置、エアクリーナーボックスの変更に伴いサイドカバー形状の変更、サイドカバーエンブレムが(K)Z900へ。マフラーは外観は同じながら内部構造の変更により静穏化。最大出力 / トルク → 81 ps / 7.3 kg

1976年に
Z1000がZ1000-A1(1977年モデル)が発売される。

参考文献

種子島経『Z1開発物語 New York steak story モーターサイクルサムアメリカを行く』ライダースクラブ、1990年8月、ISBN 4-87099-038-5

関連項目

カワサキ・750RS

カワサキ・Z1000

カワサキ・Z1000MKII

カワサキ・Z1000R

カワサキ・ZFX

カワサキ・ZGP

外部リンク


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