カレーパン
カレーパンの断面
別名カレードーナツ
種類惣菜パン
発祥地 日本
地域東京
関連食文化洋食
考案者中田豊治?
誕生時期1927年(昭和2年)?
主な材料小麦粉、カレー
食物エネルギー
(100 gあたり)302 kcal (1264 kJ)[1]
栄養素
(100 gあたり)
タンパク質6.6 g
脂肪18.3 g
炭水化物32.3 g
類似料理ピロシキ、サモサ、ムルタバ、バニーチャウ、エンパナーダ、ダブルスなど
Cookbook ウィキメディア・コモンズ
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カレーパンは、カレーを具(フィリング)とする調理パン(惣菜パン)である[2][3]。パン生地でカレーを包み、パン粉をつけて油で揚げたものが一般的だが[2][4]、油で揚げずに焼いた「焼きカレーパン」も増えてきている[5][6]。油で揚げたものはカレードーナツとも呼ばれる[7]。昭和初期に考案された[3][8]日本生まれの西洋料理(洋食)の一つであるが[9]、カレーとパンなどを組み合わせた料理は世界各地でも見られる[10]。
惣菜パンの元祖であり、各種の惣菜パンが考案されるきっかけになったとされている[11]。さまざまなパン屋が工夫を凝らしたカレーパンで人気を競っており[12][13]、惣菜パンの定番の一つとなっている[6][14]。
特徴揚げられたままの状態と断面焼きカレーパン
カレーとカツレツをヒントに考案されたとされる[4]。カレーパンが誕生した昭和初期は、明治維新以降西洋の技術や文化を積極的に取り入れる中で[15]日本に伝来した西洋料理が日本風にアレンジされて洋食として定着した時期に当たり[16]、カレーパンもこうした流れの中で誕生したものである[15]。パンにカレーを入れるという斬新な発想は[3][8]、他国から受容した食材を独自にうまく組み合わせた、日本ならではの料理と評価されている[6]。
厚い小判形あるいは潰したフットボールのような形が基本[17]。油で揚げたものが多く[2][18]、表面のサクッとした食感と[19][20]スパイシーな香りとコクが特徴である[21]。カレーフィリングは、カレーライスのカレーより固めのものを使うのが一般的で[3]、店によって辛さが異なったり[13]、キーマカレーやビーフカレーを用いたり、ゆで卵を入れたりするなど、多様なバリエーションがある[18]。
テイクアウトもでき持ち運びも容易なカレーパンは[22]、昼食やおやつに適しており[20]、カレーを応用したさまざまな料理の中で最も親しまれているとされる[22]。辛口のカレーパンは、ビールにも合う[20]。他の惣菜パンと比べて日持ちすることからスーパーマーケットやコンビニエンスストアでも人気となっている[19]。
歴史
背景「パン」および「日本のカレー」も参照
発酵させた生地を焼く西洋風のパンは、戦国時代にポルトガル人によってもたらされ[23][24][25]、キリスト教とともに普及していった[26][27]。しかし、江戸幕府による禁教・鎖国政策によってパン食も禁じられ、忘れ去られていった[28][29][30]。西洋風のパンは、江戸時代後期に携帯用の兵糧として注目された後[31][32][33]、明治時代に入って一般に広まるようになる[34]。