カレイ
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この項目では、魚のカレイについて説明しています。

ルーマニアの都市については「カレイ (ルーマニア)」をご覧ください。

グリム童話』中の1作品については「かれい (グリム童話)」をご覧ください。

その他の用法については「カレー (曖昧さ回避)」をご覧ください。

カレイ
プレイス Pleuronectes platessa
分類

:動物界 Animalia
:脊索動物門 Chordata
亜門:脊椎動物亜門 Vertebrata
:条鰭綱 Actinopterygii
:カレイ目 Pleuronectiformes
:カレイ科 Pleuronectidae

学名
Pleuronectidae
Rafinesque, 1815[1]
英名
Righteye flounder
亜科


ムシガレイ亜科 Eopsettinae

オヒョウ亜科 Hippoglossinae

トウガレイ亜科 Lyopsettinae

ベロガレイ亜科 Samarinae

パラリクトデス亜科 Paralichthodinae

カレイ亜科 Pleuronectinae

カワラガレイ亜科 Rhombosoleinae

底砂に隠れるイシビラメ

カレイ(鰈)は、カレイ目カレイ科に分類される魚類の総称である。
概要

砂や泥の海底に生息し、海底に潜むのに適した平たい体をしており、目が体の右側の面に2つともある特徴的な形態をしている。北極海太平洋インド洋大西洋の沿岸の浅い海から水深1000mの深海までに生息する海水魚。汽水に生息する種もいる。

5亜科から7亜科に分類され、世界で100種ほどが知られる。日本近海で獲れるものでは、マガレイマコガレイババガレイ(ナメタガレイ)、ホシガレイ、メイタガレイ、アカガレイ、イシガレイオヒョウなど数十種が含まれる。
生態

体は平たく、両目は、ヌマガレイなどの一部の例外を除き、原則として体の右側の面に集まっている。逆にヒラメ類では、目は体の左側側面に集まる。しかし、個別の個体では偶発的に逆となる変異現象(reversal of sides)がある。両目のある側を上にして海底に横向きになり、砂や泥に潜るなどして潜む。体の目のある側は黒褐色から褐色。特有の斑点を持つものもある。この体色は体表にたくさん散らばっている色素細胞である黒色素胞(メラノフォア)の大きさを変えることにより、周囲の環境に合わせて変えることができ、保護色となる。両目のない側は白色。背ビレと尻ビレが長く、背ビレは頭部からはじまり尾ビレの根元まで、尻ビレは、頭部のそばにある小さな腹ビレから尾ビレの根元まで続く。

幼生は目が普通の魚と同様に左右に分かれて付いており、体も平たくない。成長とともに変態し、目がだんだんと右側に移動していき、体が平たくなり、また浮き袋がなくなり底生の成体となる。カレイは概して長寿命で、ヨーロッパ産の1種 プレイス (European plaice) で50年、オヒョウで40年などの記録がある。

主に肉食性で、小魚や海底の無脊椎動物を食べるが、似たような外見でフィッシュイーターであるヒラメとは異なり、捕食行動はやや大雑把である。そのため、ヒラメ釣りでは生き餌小魚や俊敏な動きのルアーを用いるのに対し、カレイ釣りではゴカイ・イソメ、アサリのほか、鈍重な動きのワームを用いる。冬の釣りの対象魚として知れられる。
名称

日本語の「かれい」は「唐?」(からえい)または「涸れ?」の転訛とされる[2]。「鰈」の「?」はに由来し薄いものの意[3]。王が魚を半分食べたところを水に放すと泳ぎだしたとの中国の故事から「王余魚[4]、王餘魚[5]」とも書くが、ヒラメをも含めた言い方である。このほか「鰕?」[4]、「嘉列乙」[6]、「嘉鰈」[6]、「?[7]」、「?[8]」、「?魚[9]」などの漢字表記もある。

漢名は「鰈」であるが、ヒラメとの混称で「偏口魚」、「比目魚」などとも呼ばれる。

カレイはフランス語ではリマンド (limande)。英語では、カレイ、ヒラメシタビラメなどカレイ目の魚を "flatfish" と総称する。そのうち、カレイ、ヒラメは「flounder」と呼び、体の右側に目が寄っているカレイ科などの魚を、「righteye flounder」、ヒラメ科、ダルマガレイ科などの目が左側に寄っているものを「lefteye flounder」と呼ぶ。カレイ科のうち、オヒョウ類を特に「halibut」と呼ぶが、その区別はあいまいである。また、ウシノシタ科などに用いられる「sole」を名の一部に持つカレイ科の魚も少なくない。
種類

カレイ科は5亜科から7亜科に分けられる、主な種は下記の通りである(属、種はともに一部)。

カレイ目には、カレイ科以外でも「?カレイ」の名で呼ばれる種は多い。ヒラメ科のアラメガレイ、テンジクガレイ、メガレイ、ダルマガレイ科のダルマガレイ、トゲダルマガレイ、コウベダルマガレイ、ヤリガレイなど。これらはヒラメを参照。また、地方名ではウシノシタ科クロウシノシタをスジガレイやニジリガレイなどと呼ぶ例もある。
カレイ亜科

カレイ亜科 学名 Pleuronectinae
ツノガレイ属

ツノガレイ属 学名 Pleuronectes
*1 の種は、別属の Pseudopleuronectes 属とする説が提唱されている。
*2 の種は、別属の Lepidopsetta 属とする説が提唱されている。

Pleuronectes platessa Linnaeus, 1758 (European plaice)

Pleuronectes putnami (T. N. Gill, 1864) (American Smooth Flounder)

Pleuronectes quadrituberculatus Pallas, 1814 (Alaska plaice)

マガレイ*1
真鰈。学名 Pseudopleuronectes herzensteini、英名 Littlemouth flounder最大50cmほどになる。他種より口が小さくとがっており、クチボソなどの別名がある。太平洋北西部。千島列島、樺太、沿海州から、黄海、渤海、朝鮮半島沿岸、日本沿岸、東シナ海中部まで分布。日本では北海道、本州沿岸、瀬戸内海など。水揚げ量が多い。
マコガレイ*1
真子鰈。学名 Pleuronectes yokohamae、英名 Marbled flounder最大45cm程度。太平洋北西部。北海道南岸以南の日本沿岸、瀬戸内海、朝鮮半島沿岸、黄海、渤海、東シナ海北部まで。水揚げ量が多い。「城下かれい」(しろしたかれい)はマコガレイの地方名で、大分県日出町沿岸で獲れるもののこと。特においしいとされ、高値で取引されるブランド魚である。
クロガレイ*1
黒鰈。学名 Pleuronectes obscurus40cmほどになる。太平洋北西部。オホーツク海(千島列島、樺太、北海道オホーツク海沿岸)、日本海(沿海州から朝鮮半島東岸)、黄海まで。日本では北海道で獲れる。クロガシラガレイとよく似ており、区別せずに扱われることが多い。
クロガシラガレイ*1
黒頭鰈。学名 Pleuronectes schrenki、英名 Cresthead flounder最大50cmほどになる。太平洋北西部。千島列島、オホーツク海南部から、日本の北部の沿岸、日本海の朝鮮半島東岸まで。クロガシラとも呼ばれる。クロガレイとよく似ており、クロガレイと呼ばれることも多い。北海道では釣りの対象として人気が高い。
アサバガレイ*2
浅羽鰈。学名 Pleuronectes mochigarei、英名 Dusky sole40cmほど。太平洋北西部。オホーツク海南部から朝鮮半島、日本では本州北部の沿岸にかけて。マガレイ、マコガレイに似ている。
シュムシュガレイ*2
占守鰈。学名 Pleuronectes bilineatus、英名 Rock sole最大60cmほど。北太平洋に広く分布する。日本海北部、朝鮮半島、オホーツク海、ベーリング海から、北アメリカのカリフォルニア沿岸まで。カナダなど北アメリカで漁獲量が多い。和名は千島列島の占守島から。
プレイス
ヨーロッパプレイスとも。学名 Pleuronectes platessa、英名 Plaice, European Plaice最大1mになる。大西洋北東部。グリーンランド、ノルウェー南部から北アフリカのモロッコ沿岸まで。地中海のスペイン、フランス沿岸など。ヨーロッパで最も漁獲が多い種で、生あるいは冷凍で広く取り扱われている。内陸湖のアラル海に放流され、漁獲がある。
ハナガレイ
花鰈。学名 Pleuronectes proboscideus、英名Pleuronectes proboscidea(英名 Longhead dab)と同種とする考え方もある。
スナガレイ
砂鰈。学名 Pleuronectes punctatissimus、英名 Sand flounder30cmほど。


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