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カルメン(全曲を試聴)
音楽・音声
アルコア版の録音 - テレサ・ベルガンサ(カルメン)、プラシド・ドミンゴ(ドン・ホセ)、シェリル・ミルンズ(エスカミーリョ)ほか、クラウディオ・アバド指揮ロンドン交響楽団、Universal Music Group提供YouTubeアートトラック
ギロー版の録音 - レオンティン・プライス(カルメン)、フランコ・コレッリ(ドン・ホセ)、ロバート・メリル(エスカミーリョ)ほか、ヘルベルト・フォン・カラヤン指揮ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団、Sony Classical提供YouTubeアートトラック
映像
アルコア版の映像 - Irena Parlov(カルメン)、Javier Agullo(ドン・ホセ)、Vicente Antequera(エスカミーリョ)ほか、Ricardo Casero指揮Orquesta Reino de Aragon、Halidon Music公式YouTube
『カルメン』(Carmen)は、ジョルジュ・ビゼーが作曲したフランス語によるオペラである。世界でもっとも人気のあるオペラの一つとされる[1]。声楽抜きでオーケストラのみによる組曲もコンサートや録音で頻繁に演奏されている。
本項ではオペラの他に、バレエやミュージカルといった舞台作品についても記載する。
概説ジョルジュ・ビゼー
オペラ『カルメン』は、プロスペル・メリメの小説『カルメン』を元に、アンリ・メイヤック(英語版)とリュドヴィク・アレヴィ(英語版)がリブレット(台本)を作り、ビゼーが作曲した4幕もののオペラである[1]。音楽(歌)の間をレチタティーヴォではなくメロディのない台詞でつないでいくオペラ・コミック様式で書かれていた。
1875年3月3日、パリのオペラ=コミック座で初演された[1]。初演は不評であった[2]が、その後の客入りと評判は決して悪くなく、ビゼーのもとには『カルメン』のウィーン公演と、そのために台詞をレチタティーヴォに改めたグランド・オペラ版への改作が依頼された。この契約を受けたビゼーだったが、持病の慢性扁桃炎による体調不良から静養中の6月4日、心臓発作を起こして急死してしまう。そこで友人である作曲家エルネスト・ギローが改作を担当してウィーン上演にこぎつけ、それ以降フランス・オペラの代表作として世界的な人気作品となった。リブレットはフランス語で書かれているが、物語の舞台はスペインである。そのため日本では役名の「Jose」をスペイン語読みで「ホセ」と書きあらわすが、実際はフランス語読みで「ジョゼ」と発音して歌われる。音楽もハバネラやセギディーリャ(英語版)などスペインの民族音楽を取り入れて作曲されている。
近年では、音楽学者フリッツ・エーザー(ドイツ語版)がビゼーのオリジナルであるオペラ・コミック様式に復元するとして、1964年にアルコア社(Alkor-Edition)から出版した「アルコア版」による上演も行われる。現行の主要な版は原典版のほか、オペラ・コミック版、グランド・オペラ版、メトロポリタン歌劇場版がある。ギロー版はフランス語ネイティブ以外のキャストでも台詞に訛りがつくのを避けられることもあり、現在でも使用されている。
2000年代初めには決定版ともいうべきミヒャエル・ロート(de:Michael Rot)による校訂版が作られており、一応の完成(A:自筆譜)から初演時点、初版などの各時点とその周辺の成立時点ごとに全てが併記されており、指揮者や演出家などのプランナーが自由に取捨選択することが可能な版となっている。校訂報告も簡潔な文章で、表になっていて非常に読みやすいものとなっている。日本では桐朋学園大学図書館が所有していて、閲覧や各地の図書館との連携によって貸出可能である。
登場人物
カルメン(メゾソプラノまたはソプラノ)- タバコ工場で働くジプシーの女
ドン・ホセ(テノール)- 竜騎兵長
ミカエラ(ソプラノ)- ドン・ホセの婚約者
エスカミーリョ(バリトン)- 闘牛士
スニガ(バス)- 衛兵隊長、ドン・ホセの上官
モラレス(バリトンまたはテノール)- 士官
ダンカイロ(バリトンまたはテノール) - 密輸商人
フラスキータ(ソプラノ)- カルメンの友人
メルセデス(メゾソプラノ、ただしソプラノとする楽譜もある)- カルメンの友人
レメンダード(テノール)- ダンカイロの仲間
以降は版によって増減される。 フルート2(2本ともピッコロ持ち替え)、オーボエ2(2番はコーラングレ持ち替え)、クラリネット2、ファゴット2、ホルン4、コルネット2、トロンボーン3、ティンパニ、トライアングル、タンブリン、大太鼓、シンバル、小太鼓、ハープ、弦五部(14型) 約2時間40分(カットなしで各55分、45分、40分、20分) 1820年ごろのセビリヤ。昼休みに広場に現れたタバコ工場の女工たちに、男たちが言い寄るが、カルメンは全く相手にしない。カルメンは、女工たちに興味を示さない衛兵の伍長ドン・ホセに花を投げつけ、気を引こうとする。ホセの婚約者であるミカエラが現れ、ホセに故郷の彼の母親からの便りを届ける。セビリアの煙草工場でジプシーの女工カルメンはけんか騒ぎを起こし、牢に送られることになった。しかし護送を命じられた竜騎兵伍長のドン・ホセは、カルメンに誘惑されて彼女を逃がす。パスティアの酒場で落ち合おうと言い残してカルメンは去る。 1ヶ月後、カルメンを逃がした罪で牢に入れられていたホセが、釈放される。カルメンが、友人二人(メルセデスとフラスキータ)、衛兵隊長スニガと酒場で歌い踊っていると、花形闘牛士エスカミーリョが現れ、カルメンの気を引く。釈放されたホセが酒場に着くと、カルメンはホセのために歌って踊り、密輸団の仲間になるよう誘う。カルメンの色香に迷ったドン・ホセは、婚約者ミカエラを振り切ってカルメンの元に行き、上司とのいさかいのため密輸をするジプシーの群れに身を投じる。しかし、そのときすでにカルメンの心は闘牛士エスカミーリョに移っていた。 冒頭で、ジプシーの女たちがカードで占いをする。カルメンが占いをすると、不吉な占いが出て結末を暗示する。密輸の見張りをするドン・ホセを、婚約者ミカエラが説得しに来る。闘牛士エスカミーリョもやってきて、ドン・ホセと決闘になる。騒ぎが収まったあと、思い直すように勧めるミカエラを無視するドン・ホセに、ミカエラは切ない気持ちを一人独白する。カルメンの心をつなぎとめようとするドン・ホセだが、カルメンの心は完全に離れていた。ミカエラから母の危篤を聞き、ドン・ホセはカルメンに心を残しつつ、盗賊団を去る。 ホセが盗賊団を去って1ヶ月後、エスカミーリョとその恋人になっているカルメンが闘牛場の前に現れる。エスカミーリョが闘牛場に入ったあと、一人でいるカルメンの前にドン・ホセが現れ、復縁を迫る。復縁しなければ殺すと脅すドン・ホセに対して、カルメンはそれならば殺すがいいと言い放つ。そんなホセの執拗な言動にカルメンは業を煮やし、以前彼からもらった指輪を外して投げつける。逆上したドン・ホセがカルメンを刺し殺し、その場で呆然と立ちつくす。
リリャス・パスティア(台詞役)- 居酒屋の主人
山のガイド(台詞役)
中尉(バス)
アンドレス(テノール)
オレンジ売りの女(メゾソプラノ)
ジプシー男(バリトン)
合唱
楽器編成
なお、オーケストラ内のコルネットは舞台上のバンダとしても使用される(第2幕・第4幕)。
上演時間
あらすじセビリアの旧タバコ工場、現在は大学になっている。
第1幕
第2幕
第3幕
第4幕
一般的には上述の全4幕とされるが、3幕4場とすることもある。この場合は山中の密輸団のシーンが第3幕第1場、最後の闘牛場のシーンが第3幕第2場となる。
主要曲.mw-parser-output .listen .side-box-text{line-height:1.1em}.mw-parser-output .listen-plain{border:none;background:transparent}.mw-parser-output .listen-embedded{width:100%;margin:0;border-width:1px 0 0 0;background:transparent}.mw-parser-output .listen-header{padding:2px}.mw-parser-output .listen-embedded .listen-header{padding:2px 0}.mw-parser-output .listen-file-header{padding:4px 0}.mw-parser-output .listen .description{padding-top:2px}.mw-parser-output .listen .mw-tmh-player{max-width:100%}@media(max-width:719px){.mw-parser-output .listen{clear:both}}@media(min-width:720px){.mw-parser-output .listen:not(.listen-noimage){width:320px}.mw-parser-output .listen-left{overflow:visible;float:left}.mw-parser-output .listen-center{float:none;margin-left:auto;margin-right:auto}}第1幕への前奏曲(闘牛士)闘牛士の歌「諸君の乾杯を喜んで受けよう」これらの音声や映像がうまく視聴できない場合は、Help:音声・動画の再生をご覧ください。
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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
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