カルドセプト_(漫画)
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『カルドセプト』 (Culdcept) は大宮ソフトによって開発されたセガサターン (SS)、プレイステーション(PS) 用のコンピュータゲーム『カルドセプト』を原作とした漫画。作者はかねこしんや月刊マガジンZにて1999年9月号より連載開始。
概要

「トレーディングカード・ボードゲーム」という独自のジャンルのゲームである『カルドセプト』の第1作目を原作とした漫画。リュエードというファンタジー世界を舞台に、カードを使う特殊能力者「セプター」たちの戦いと冒険が描かれている。主人公のナジャランを初め、コミック版独自のキャラクターも多数登場し、ゲーム版の続編である『カルドセプト セカンド』(以降セカンドと表記)、『カルドセプト セカンド エキスパンション』発売後はそれらからもクリーチャーやカードが登場している。複雑かつ多様なルールを持つゲーム内容は、漫画化するにあたって戦闘場面のみを抽出し強調する形を取っている。かねこはカルドセプトを遊んだことのない人にも楽しめるように心がけたと自負している。

なお、かねこは本編の漫画以外にも大宮ソフトが主催するカルドセプトの大会の実況漫画や、原作ゲームに関するレポート漫画をマガジンZにたびたび執筆しており、それらは単行本巻末にも収録されている。3巻巻末には単行本特典として関係者との対戦対談を収録している。
休載

2006年11月号から2007年6月号までは作者の体調不良により長期休載となる[1]。その間、2007年1月号にて漫画本編の代わりに『カルドセプト サーガ』のレポート漫画を掲載している。2007年7月号より連載を再開するが、同年11月号を最後に再び長期休載に入ってしまう。その間に掲載誌マガジンZが2009年3月号から休刊となり、掲載誌を失ってしまった。

他誌への移籍再開などの目処は立っていないが[2]、単行本未収録エピソードに完結までの6話分の書き下ろしを足す単行本7巻の出版予定の打診が元マガジンZの編集部からあり、作者の体調が良くなりさえすれば完結の見込みがある事を明かしている[3]

なお、休載により単行本の出版が途絶えたことで雑誌連載の40ページ分が長らく収録されないままだったが、2016年7月15日に発売された電子書籍版の第6巻にて単行本未収録分が追加収録された[4]
ストーリー

女神カルドラに造られた世界リュエード。その世界最大の大陸であるバブラシュカでは、多数の不思議なカードが発見されていた。このカードが、神々の戦いで打ち砕かれた世界創造の書「カルドセプト」の破片であることが分かると、カードから力を引き出す能力者「セプター」たちは、カードを収集してカルドセプトを再現し、神の力を得ることを目指して争うようになった。そして神々の戦いから1000年が過ぎた現在、「黒のセプター」と名乗る集団が急速に台頭し、各国を襲撃してカードを奪い始めた。賢者ホロビッツの弟子ナジャランは、師の言いつけで出た調査の旅で、黒のセプターの陰謀とその背後にある世界の危機に向き合うことになる。
登場キャラクター
主要人物
ナジャラン
主人公。褐色の肌をし、食欲旺盛で元気な少女。賢者ホロビッツの弟子で、魔法の杖ゴリガンとともにバブラシュカ大陸を旅している。「エイドロン」や「サンダービーク」、「ナイト」など風属性のクリーチャーを好んで使う。漫画版オリジナルのキャラクターだが、ゲームでも『セカンド』以降はゲストキャラとして出演している。
ゴリガン
の一端に老人の顔が付いた「人頭杖」。ゲーム『カルドセプト』からのキャラクター。ナジャランのお目付け役だが、しばしば彼女のわがままに翻弄される。記憶を失っており、誰に作られたのかは彼自身も覚えていない。
ゼネス
竜眼の異名を持つ好戦的なセプター。ゲーム『カルドセプト』からのキャラクター。漫画でもゲーム同様、主人公をライバル視して行く先々で勝負を挑んでくる。左目に移植された竜眼による異相と、セプターに対する偏見によって迫害された結果、カードの使用に周囲を巻き込むことをためらわない攻撃的な性格となった。一国の王子として生まれるが、戦乱により祖国は滅亡。両親と死別し自身も重傷を負うが、サルバトールに救出され竜眼を移植されることで命を永らえる。その後はサルバトールを師と仰ぎ、シャンテニオンの街で生活していたが、サルバトールが暴徒に殺されたことで暴走し、シャンテニオンの街を焼き払った。彼の左腕には、そのとき召喚した「フレイムロード」のカードが焼き付いている。その後は単身放浪の旅を続けるが、ホロビッツとの対決でサルバトールの遺志を知ると改心しナジャランの仲間になった。フォマルハウトとの戦闘で左腕を切断され、フレイムロードを強奪されている。
ホロビッツ
大陸の東方、ギルマン島に住む老賢者。ゲーム『カルドセプト』からのキャラクター。漫画では主人公ナジャランの師匠として登場する。バブラシュカ三賢者のひとりであり、セプターズギルド創設者にして現主席理事。ギルマン島で隠遁生活をおくっていたが、「黒のセプター」の台頭にともなって活動を再開する。自らの両目を塞ぐ代わりに、手のひらに移植された「魔眼」で魔力を高めており、現在でもセプターとしての実力は驚異的なレベルである。
黒のセプター

破壊と略奪を旨とする凶悪なセプター集団。我が強く、長期的な同盟を組むことは無いとされるセプターたちの中にあって、完璧な統制の元に行動することで知られ、世界的な脅威と認識されている。

その正体は、神々の戦いによってこの世界に居場所を失ったミゴール族の反攻軍団。各地に散逸するカードや神々の戦いの遺物を収集し、戦力を蓄えている。彼らは通常、バルテアス神の影響下にある一部地域でしか生きられないため、外部で活動するセプターたちはリュエード世界の動植物との融合手術を受けることで弱点を克服した。
ベルカイル
「黒のセプター」首領。ゲーム『カルドセプト』からのキャラクターだが、設定は大きく異なっている。人間でありながら人間と世界を激しく憎悪し、黒のセプターを統率する。「アンサモン」や「メテオストーム」などの強力なカードを多数保有している。全ての人頭杖を統べるマスターロッド「バルガン」をパートナーとする。
屍蟲のデプテラ
「黒のセプター」メンバーの一人。腐肉に巣食う寄生虫で体が構築されており、人間の死体に潜り込むことでその人間に成りすます。人頭杖「ゴリアス」をパートナーとする。
呪土のネペンテス
「黒のセプター」メンバーの一人。寄生植物の体を持つ。寄生植物デラネシア草を操って、ビスティーム遺跡の攻略を目論むが、ガンツに真っ二つにされ死亡した。人頭杖「モヒガン」をパートナーとする。
深淵のフォマルハウト
「黒のセプター」メンバーの一人。巨大なヤドカリと一体化した体を持つ、黒のセプターの紅一点。人頭杖「ゴリリン」をパートナーとする。デスを使いホロビッツと共に相討ちになり死亡。
葬炎のデュミナス
「黒のセプター」メンバーの一人。仮面を被って終始無言の怪人。その正体は、殺されたセプターの死骸を使い捨ての魔力タンクとして流用したもの。当然ながら自我はなく、その手に握られた人頭杖によって操縦されている。
セプターズギルド

セプターの保護と相互扶助を目的とする結社。100年前、バブラシュカの三賢者によって創立された。本部である「動く島」エンダネス島は一般人の迫害を逃れたセプターの楽園となっている。しかし上層部では高位セプターたちによる権力争いが激しい。ちなみにエンダネス島とはDC版『セカンド』でネット対戦の会場イメージとして用意された島の名前、ギルドの紋章である渦巻き模様はドリームキャストのロゴに由来している。
ギルドマスター
セプターズギルド最高位にして、ギルド創立以前からのエンダネス島の主。島を動かすほど強い魔力の持ち主とされているが、その姿を見たものはほとんどおらず、関わると命が無いという噂だけが広まっている。その正体は四属の王の一種、ダゴンの化身。セプターが接見する時の外見は少女だが、本体はエンダネス島そのものであり、彼女が動くことで島が移動している。神々の大戦からの生き残りだがバルテアスへの忠誠心は失っている。100年前、彼女を討伐しようとした三賢者と和解し、ギルドの本拠地として背中を提供する代わりに、ギルドマスターとして、集まってきたセプターたちから魔力を少しずつ徴収する契約を交わした。
タレ
セプターズギルド会議の議長を務めるセプター。ギルドのセプターランキング第1位。モデルは2001年に行われた『セカンド』のマガジンZ杯、及びALLJAPAN CEPTER'S CUPの優勝プレイヤー「TARE」。
ルーフ
「静かなる炎の貴公子」の二つ名を持つセプター。ランキング2位。モデルはマガジンZ杯決勝出場者「Loof」。
ヒュンケル
「爆炎の騎士」の二つ名を持つセプター。ランキング3位。モデルはマガジンZ杯決勝出場者「ヒュンケル」。
カリン
「サーカスマスター」の二つ名を持つセプター。ランキング4位。二つ名の通りサーカスの舞台衣装を思わせる服をまとい、召喚を奇術のように演出する。セプター能力のために見世物としてサーカスに売り飛ばされたのを皮切りに、裏切られ続ける人生を送っており、人間不信と上昇志向が激しい。そのため、影ではギルドの権力争いに関する汚れ仕事を請け負ってランキングポイントを稼いでいる。
コーテツ
「白猿(ハヌマーン)」の二つ名を持つセプターの大猿。ランキング5位。ゲーム『カルドセプト』からのキャラクターだが、ゲーム版では攻撃的な性格だったのに対し、漫画版では争いを好まない温和な性格。サーカス時代からの馴染みであるカリンと共闘し、彼が前衛、カリンが支援と敵の妨害を分担している。
ハイジ
「カードジャンキー」の二つ名を持つセプター。ランキング6位。人間離れした容貌だが、内面はまともな人物。カードのレアリティに固執する傾向がある。
ハーシグ
セプターズギルドの次席理事。ホロビッツの失脚を狙っている。
その他のセプター
チミノ
砂漠の街ソロンのセプターバトル大会に参加したセプター。
スキンヘッドチンピラで、最弱の「ゴブリン」を召喚して粋がる程度の魔力しかない。自分のためにクリーチャーを使い捨てて恥じぬ性格だが、配下のゴブリン達からは慕われている。その戦い方からクリーチャーを友人扱いするナジャランを怒らせてしまうが、戦いの後は互いを認め合い、決勝戦前には激励を兼ねたカードトレードを持ちかけるほどの仲となった。
オーエン
ソロンのセプターバトル大会に参加したセプター。前回準優勝のベテラン。温厚な老紳士だが、実は“南部の虎”の二つ名を持つ実力派である。ゼネスの不意打ちを食らってリタイアするが、ナジャランを援護するために、決勝戦前夜のゼネスに決闘を申し込んだ。
キギ
膨大な魔力を持つエルフ族の少女。ビスティームの森の封印を守っており、挑戦者にさまざまな試練を課す。強力なクリーチャー「ガーゴイル」を従え、風切りの弓「エアスラッシャー」を使いこなすなど自身の戦闘力も高い。ビスティーム遺跡における最終戦では、呪いによりダークエルフの如き姿で人間たちを圧倒するが、これはゲーム『カルドセプト』のダークエルフの能力「人族に対して強打」をイメージしたものである。
グルベル
ビスティームの森の奥に居を構える女占い師で、バブラシュカ三賢者のひとり。ゲーム『カルドセプト』からのキャラクター。万物に宿る「カルドセプト」の記述を読み取り、未来を知る能力を持つが、それゆえに厭世的な性格である。戦いは好まないが、自分の美貌を害したり、年齢を指摘したりする者には見境が無い。
サルバトール
ゼネスの師匠でホロビッツの兄弟弟子。本編中では既に故人である。ゲーム『カルドセプト』でも設定のみ存在していた。バブラシュカ三賢者のひとりとしてセプターズギルド創設に関わったが、一般人とセプターの融和を唱えてギルドを離れ、あえて市井で生活していた。その後、セプターを恐れる大衆によって惨殺される。
バノッツ
ナジャランの父親。娘を連れて住所不定の借金生活をしていたが、カードについては神聖なものとして濫用を慎んでいた。ナジャランがカードにだけは潔癖な性格をしているのは彼の影響が大きい。
一般人
アルタ
ビスティームの
遺跡に眠る財宝を狙う探索人。


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