カルテット_(2017年のテレビドラマ)
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カルテット
ロケ地の一つ、軽井沢大賀ホール
長野県北佐久郡軽井沢町
ジャンルテレビドラマ
脚本坂元裕二
演出土井裕泰
金子文紀
坪井敏雄
出演者松たか子
満島ひかり
高橋一生
松田龍平
吉岡里帆
富澤たけし
八木亜希子
Mummy-D
藤原季節
宮藤官九郎
もたいまさこ
音楽fox capture plan
エンディングDoughnuts Hole「おとなの掟
国・地域 日本
言語日本語
製作
チーフ・プロデューサー土井裕泰
プロデューサー佐野亜裕美
製作TBSテレビ

放送
放送チャンネルTBS系列
映像形式文字多重放送
番組連動データ放送
音声形式ステレオ放送
放送国・地域 日本
放送期間2017年1月17日 - 3月21日
放送時間火曜 22:00 - 22:54
放送枠火曜ドラマ
放送分54分
回数10
公式サイト
特記事項:
初回は15分拡大(22:00 - 23:09)。
第8話は「2017 WORLD BASEBALL CLASSIC1次ラウンド 日本×キューバ」中継(18:30 - 23:10、70分延長)のため、70分繰り下げ(23:10 - 翌0:04)。
第9話は「2017 WORLD BASEBALL CLASSIC 2次ラウンド日本×キューバ」中継(18:30 - 22:50、50分延長)のため、50分繰り下げ(22:50- 23:44)。
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『カルテット』は、TBS系「火曜ドラマ」枠にて2017年1月17日から3月21日まで毎週火曜22時 - 22時54分[注 1]に放送されたテレビドラマである[1]。主演は松たか子で、松の連続ドラマ出演は約5年ぶりとなった[2]

カルテットとは主要キャラクター4名が組む弦楽四重奏のことで[3]、30代の4人の俳優と坂元裕二のオリジナル脚本による[4]サスペンスヒューマンドラマコメディー、ラブストーリーなどの要素を交えた、「ほろ苦くて甘い、ビターチョコレートのような大人のラブサスペンス」を標榜している[5]。第7回コンフィデンスアワード・ドラマ賞で作品賞をはじめとする5部門制覇など、複数のドラマ賞を受賞した[6]
企画・制作

プロデューサーの佐野亜裕美によれば、本作品放送5年前の2012年、同局のドラマ『運命の人』の打ち上げで、アシスタントプロデューサーであった佐野から、本作品で演出を担当することになる土井裕泰に対し、坂元裕二のオリジナル脚本と松たか子の組み合わせでドラマを作りたいという申し出をした。たまたま同じタイミングで松たか子と仕事をしたいと坂元と土井も話していたことから、最初の企画が立ち上がった[7]。同年末にプロデューサーに就任した佐野は、とりあえず松たか子が過去に出演していた作品で見せていた松たか子の「ブラックなコメディエンヌ」の面を出してもらいたいという希望のみを坂元に出し、メイン4人のキャスティングについてみんなで話し合い、その後坂元が具体的な物語や展開、脚本を考え書き下ろしていくという流れからドラマを制作していった。主要4名の演技については「目の表情が豊か」という共通点があり、脚本のト書きによって示されているある人物から他の人物への何気ない視線の演技が、後から物語の流れに深く関わってくるなど、作品上には色々な仕掛けが施されている[8]

本作品は、白黒はっきりとしたドラマではなく、グレーな正解のないドラマの楽しみも伝えたいというコンセプトの元制作されており、プロデューサー曰く社会現象となった前クールの同枠ドラマ『逃げるは恥だが役に立つ』の後番組であることは意識せず、「想像以上にのびのび」制作されたという[9]
ロケ地

長野県北佐久郡軽井沢町

軽井沢駅[10]

軽井沢駅改札前およびペデストリアンデッキ[注 2]

煙事燻製工房軽井沢 - ライブレストラン「ノクターン」外観[11]

千ヶ滝別荘地西区

ツルヤ軽井沢店[12]

塩沢湖(軽井沢タリアセン[13]

ハルニレテラス[13]

軽井沢ユニオン・チャーチ[13]

軽井沢大賀ホール(第5話[注 3]・第7話・第8話)[14]

軽井沢・プリンスショッピングプラザ[注 4]


御代田町

マイショップ御代田店(サンライン浅間店)[13]


東京都渋谷区

シアター・イメージフォーラム(第6話)[注 5]


東京都文京区

播磨坂桜並木[15]

文京シビックセンター[注 6]



軽井沢駅

塩沢湖

シアター・イメージフォーラム

播磨坂

あらすじ

公式告知では第1話 - 第5話までを「第1幕」、第6話以降を「第2幕」としている[16]
第1幕

それぞれ弦楽器をたしなむアマチュア演奏家の30代男女4人[17]は、ある日練習していた東京カラオケボックスで偶然出会い、弦楽四重奏のカルテット「ドーナツホール」(以下QDHと表記)を結成する。元プロ演奏家で現在は専業主婦の巻真紀、高名な音楽家を祖父に持ちサラリーマンをしている別府司、路上演奏をするチェリストの世吹すずめ、フリーターの家森諭高の4人は、それぞれ演奏家としての夢を諦めきれない者たちだった。

4人は司の祖父が所有する軽井沢別荘で、週末を中心にひと冬の共同生活を送り、練習を重ね人前での演奏を目指す。あるとき真紀は、近隣で谷村大二郎・多可美夫妻が経営するライブレストラン「ノクターン」からレギュラー出演者を半ば追い出すような形で自分たちの発表の場をつかむ。真紀の行動に戸惑う司たちに、彼女は夫が失踪していることと、その傷心もあり音楽にのめりこもうとする気持ちを告白する。しかしその陰ですずめは、真紀の・巻鏡子に依頼され、彼女の「本性」を探る。真紀は夫を殺したと鏡子に疑われていたのである。

やがて司が実は真紀を昔から知っており恋心を抱いていたことを本人に告白するが、夫への思いを抱える彼女は拒絶する。共同生活が続くにつれ、すずめは真紀の調査をやめたいと考えるが、鏡子はすずめが父・綿来欧太郎によって超能力少女を演じる詐欺に加担させられた過去と、それを隠していることを元に脅し、継続させる。父の死が迫っていると知ったすずめは、彼との確執から病院に足が向かず、とうとう最期を看取らずに終わる。しかし成り行きで事情を知った真紀は病院近くをさまようすずめを迎えにゆき、自分を責める彼女の選択を肯定して励まし、別荘へ連れ帰る。

ある日、以前から諭高を追っていた半田温志らがついに別荘に足を踏み入れるようになり、諭高は彼らに追われる原因の元妻・大橋茶馬子と再会する。離れて暮らす息子・光大が恋しい諭高は復縁を考えるが、茶馬子から夫婦関係が完全に破綻していることを突き付けられ、息子のヴァイオリンとの共演を思い出にして彼らと別れる。後日、東京のマンションでゴミの片付けをする真紀に付き添った司は、彼女の夫の気配が残る部屋でにわかに真紀への思いを語って強く迫る。だがそこへ突然鏡子が訪れ、真紀とは親しげに会話するものの、司との関係を疑う。同じ頃すずめは諭高から、真紀への夫殺害疑惑をネタにした恐喝目的で彼女に近づいたと告白され、QDH全員の出会いが偶然でないことが判明する。

ある日すずめは、真紀から夫が以前にも母・鏡子との関係に悩み逃げるために失踪した「前科」があり、自分から逃れるために再び失踪したと考え、翌日出席した友人のパーティ会場で憤りのあまり夫を罵りながらはしゃいだことを明かされる。その姿の写真を鏡子に見せられていたすずめは、事情を知って真紀への捨てきれずにいた不信感が消失し、彼女の無実を確信する。

別の日、司を弟の別府圭が訪ねてくる。実は別荘には売却話が出ており、その関係もあって圭は経済面を司に頼るQDHの現状を指摘し、彼らが演奏家として稼ぐ道を提案する。その後、圭に紹介された音楽プロデューサーの朝木国光はQDHを絶賛し、初めてまともな評価を得られたメンバーは喜ぶ。だが、紹介された仕事は朝木が「三流」と言い、演奏よりもパフォーマンスを重視したアニメコスプレキャラを演じるもので、あげく真剣に練習したにもかかわらず、主役ピアニストの一方的都合で演奏の当て振りをするよう命じられる。我慢の限界に達したすずめや諭高は仕事を放棄しようとするが、真紀はこれが自分たちの置かれた現実だと説得し、一同は仕事を果たす。結局後日、司は圭に対し以後の仕事を断る。

一方、すずめは断ろうとした依頼を逆に鏡子から切られる。実はノクターンのアルバイト店員・来杉有朱が彼女らの関係を知り、新たに鏡子から真紀の調査役を頼まれていたのだ。有朱は突然別荘を訪ね、真紀の夫婦や人間関係に対する考えに噛みつき、すずめを交えた3名が異様な会話に乱される中、有朱が盗聴に使うICレコーダーが真紀に見つかる。以前よりすずめが録音した会話を聞いた真紀は鏡子の企みとすずめの協力を知る。有朱が弁解する中、すずめは黙って泣きながら別荘から逃げ出し、さまよう途上、軽井沢駅前で偶然QDHのチラシを持つ男性とぶつかる。彼は真紀の夫・巻幹生であった。
第2幕

幹生が真紀の夫と見抜いたすずめは、同居人たちが不在の別荘に幹生を連れてゆくが、彼が強盗を犯し逃亡中と知ったすずめは失踪の真相を語らせる。幹生は仕事で出会った真紀のミステリアスな魅力にひかれ、恋に落ち結婚するが、彼女は結婚後音楽を辞め専業主婦として幹生の世話に没頭し、狭い世界の中に閉じこもる。また互いの食や文化に対する価値観のずれから次第に幹生は真紀に幻滅し、仕事面でも悩みを深め自殺未遂を図る。ついにはある日、居酒屋で語った「愛してるけど好きじゃない」という真紀への思いを偶然本人に聞かれたと気付いた幹生は、話し合う勇気を持てないまま、妻に無断で会社を辞め失踪する。同じ頃真紀は、鏡子と相対して同様に夫婦の真相と離婚の決意を語り、鏡子は真紀への誤解を解く。その間別荘が留守と知った有朱は邸内に侵入し、金目当てで真紀のヴァイオリンを盗み出そうとする。その邸内ですずめは口を塞がれ拘束されており、有朱は幹生と鉢合わせし、真紀の愛器を取り返そうとする彼ともみ合った弾みで、ベランダから地面に転落する。

有朱を殺したと思った幹生は、ちょうど帰宅した真紀と再会、事態を知った真紀は夫とともに逃げようとするが、幹生は一人で有朱の遺体を遺棄し自殺しようと車で逃走する。ところが有朱は失神しただけで生きており、死に場所を物色する幹生を置き去りにして車を奪い去り、幹生を追ってきた真紀に車を返して盗難の問題をうやむやにする。真紀は幹生を探し出すと東京へ戻ろうとし、拘束を解いて彼女らを追ってきたすずめは止めようとするが、真紀はそれを拒んで去る。真紀と幹生は東京のマンションで夫婦水入らずの時を過ごすが、幹生は真紀にこれまでの感謝を伝えて警察に出頭することを決め、離婚届を出し警察署に向かう。

旧姓・早乙女に戻った真紀は別荘に戻り、また仲間たちとの日常が戻ってくる中、司は圭を通じて別荘売却問題を再度突き付けられた際、仲間たちを「ダメ人間」と揶揄され怒りを見せる。その様子を垣間見たすずめは、不動産屋でのアルバイトを始め経済的自立を目指し、司と真紀の幸せを願って彼らが結ばれるように計らい、諭高にも協力を仰ぐ。すずめの司に対する恋心を知る諭高は真紀たちを煽りつつも、自分自身のすずめに対する片思いを隠し続ける。司は真紀に再度告白するが、真紀は今の4人の関係に満足していると答える。


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