カリン_(バラ科)
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カリン
カリン
分類

:植物界 Plantae
階級なし:被子植物 angiosperms
階級なし:真正双子葉類 eudicots
:バラ目 Rosales
:バラ科 Rosaceae
亜科:シモツケ亜科 Spiraeoideae[1]
:ナシ連 Pyreae[1]
亜連:ナシ亜連 Pyrinae[1]
:カリン属 Pseudocydonia
:カリン P. sinensis

学名
Pseudocydonia sinensis (Thouin) C.K.Schneid. (1906)[2]
シノニム


Chaenomeles sinensis (Thouin) Koehne (1890)[3]

和名
カリン(榠樝、花梨)
英名
Chinese quince
果実

カリン(花梨[4]・花櫚[5]・榠樝[6]学名: Pseudocydonia sinensis)は、バラ科カリン属[注 1]落葉高木である。中国から日本へ渡来した薬用にもされる果樹で、果実は同科のマルメロとよく似る。その果実石細胞が多く含まれるため硬く生食はできないが、カリン酒や砂糖漬け、のど飴などの原料に使われる。別名、カラナシ。
名称

和名「カリン」は、材の木目が三味線の胴や竿、座卓に使われる唐木の花櫚(読みは「かりん」、花梨とも書く)に似ているので名づけられたものである[7]。カリンの属名 Pseudocydonia は偽のマルメロを意味する。

別名で、カラナシ[5][8]、カリントウ[8]、アンランジュ(安蘭樹)[8]、またはアンラジュ(菴羅樹)ともよばれる。「菴羅」はマンゴーの別名だが、古い時代の日本では誤訳によりカリンを指す場合がある。長野県諏訪地方で、「かりん」と称するものはマルメロのことであり、導入時にカリンとマルメロを間違えたことにより、現代もその呼称でよばれている[4]

果実は生薬名を和木瓜(わもっか)という。ただし和木瓜をボケクサボケとする人もあるし、カリンを木瓜(もっか)とする人もいるが、木瓜はボケの果実である[9]。なお、日本薬局方外生薬規格においてカリンの果実を木瓜として規定していることから,日本の市場で木瓜として流通しているのは実はカリン(榠樝)である[10]

中国語では『爾雅』にも記載がある「木瓜」を標準名とする[11]。他に「榠樝」(めいさ)[9]、「榠?」(『図経本草』)、木李(『詩経』)、「木瓜海棠」、「光皮木瓜」[11]、「香木瓜」、「梗木瓜」、「鉄脚梨」、「万寿果」などの名称がある。「木瓜」は他にボケ類パパイア(「番木瓜」の略)を意味しうる。
分類

かつてボケ属 Chaenomeles とする説もあったが、ドイツの植物学者カミロ・カール・シュナイダー(英語版)が1属1種のカリン属 Pseudocydonia を提唱し[12]分子系統で確認された[1][13]。カリン(属)に最も近縁なのはマルメロ属 (Cydonia) とカナメモチ属 (Photinia) であり[1][13]、それに次ぐのがナシ亜連の他の属で、かつて属していたボケ属のほか、リンゴ属ナシ属などがある。


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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