カラーテレビ
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カラーテレビ(英語: Colour television)は、映像にが付いているテレビジョン放送、またはこれに対応したテレビ受像機である。

日本で登場したばかりの頃は「総天然色テレビジョン」と呼ばれていた。
アナログテレビにおける三原色の分解変換方法

モノクロ画像をカラーにするため三原色に分解変換する必要があるが、NTSCPALSECAMといった方式が出来上がるまでに模索期があり、大別すると「フィールド順次方式(逐次方式)」と「同時方式(並列方式)」、並びに後者に準じた「点順次方式」となる[1]
フィールド順次方式(逐次方式)

テレビ画面を1コマ(フィールド)ごとに赤・緑・青と切り替え、これを高速化することで残像現象で自然な色彩像になるというもの[1]
CBS方式(Columbia Broadcasting System)
撮影時に赤・緑・青の色を放射状に配置したフィルター円盤を撮像管の前に置き、これをフィールドと同期するように回転させ、飛び越し走査時に6フィールドで完全なカラー画像ができるようにして、受像機側でも同じように同期したフィルター円盤を置いて回せば天然色に見えるという仕組み[2]。名前の通り、CBSが開発したもの。長所は機構が単純で、当初は同時方式に比べ価格が安かったこと。画像の重ね合わせが不要で既存の白黒テレビを改造してカラーにすることもできた(1966年当時で2?3万円ほどのコスト[1])ので、後述の短所が問題でない工業用テレビには比較的盛んに利用された[2]。短所は白黒テレビより毎秒フィールド数を増やさないとちらつきが生じ、アメリカでは毎秒144フィールド(通常の白黒テレビは60フィールド)が必要だったため、番組が白黒テレビと互換性がなく、映像周波数帯が多く必要だったので放送用には適さなかった[1]。また、構造上フィルターをモーターで回すので騒音が発生し、受像機大型化につながったため、1969年時点ですでにほとんど使用されなくなった[3]
同時方式・点順次方式

赤・緑・青の信号を同時に送りだすというもの。NTSC方式はこの方式の代表例である[1]。白黒放送の映像も見ることができ、上位互換性を保っている。また白黒テレビの受像器でも色は付かないものの映像を見ることができ、下位互換性を保っていることが強み(両立性[4])となり、こちらが主流になった。
三撮像管式(RCA式[3][1]
撮影時にダイクロイックミラー(特定の色のみを反射・透過する鏡[4])で3つに分けた光をそれぞれフィルターで三原色の画像にし、これを1つの電波で送り出す。そのまま送りだすと3倍の周波数帯が必要になるが、現実にはごく小さい面積では人間が色を見分けられないので小面積は輝度信号だけ送るようにして白黒テレビと同じ周波数帯で送れる。その後、受像機側で3本のビームを重ね合わせる。名前の通り、RCAが開発したもの。長所は3色の映像信号を合成すれば輝度信号になるので、白黒テレビでも受像できること[1]。短所は3つのカメラで同時撮影するので、わずかな像のひずみも色ずれや色むらになるので調整が難しいこと[1]、受像機も同じ問題があるので設置後移動すると問題が出る場合があった[3]
点順次方式[1]
カラー信号に精細度が不要であることを積極的に利用し、撮像管の前に赤・緑・青の細かい縦縞のフィルターを置き、出力信号を一連の三原色繰り返し信号(緑→青→赤…など)にして、各原色ごとに分離後低域フィルター(比較的低い周波数しか通らない回路)に入れれば平均化して連続的な原色信号が得られる。長所は撮像管の数を減らせる事、色ずれが起きない事。短所は回路が複雑になる事。
分離輝度方式[1]
点順次方式では三原色信号を重ね合わせても先鋭な輝度信号を得られないので、もう1つ輝度信号用の撮像管(白黒用と全く同じ)を用意したものでハーフミラーで輝度とカラーの信号に分離後、カラー側のみ点順次方式の手順を踏む(二管式)。なお三撮像管式にも分離輝度方式は応用でき、この場合撮像管が4本必要になる(四管式)。長短は点順次方式に準じるが、輝度信号がより先鋭になる長所と撮像管がもう1本増えて複雑化する短所がある。
歴史

カラーで画像を送る発想は1928年、イギリスのJ・L・ベアードが、三重スパイラルニポー円盤を使用して行った試みが最初で、翌年にはアメリカのベル研究所で飛点走査方式による実験が行われた[5]


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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