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カランダッシュ (Caran d'Ache) は、1915年に創業した鉛筆工場を前身にもつ、スイスの総合ブランド、高級メーカにして、スイス最大の筆記具メーカーである。
主要販売品である万年筆、ローラーボール、ボールペン、ペンシル、色鉛筆から、ライター、皮小物、バッグまで販売することで知られている。
カランダッシュという名は当時ヨーロッパで活躍していた、ロシア生まれのフランス人の風刺画家の名、カラン・ダッシュ(エマニュエル・ポアレの雅号)から命名され、ロシア語で鉛筆(карандаш )という意味を持つ。 1915年にスイスのジュネーヴにて、創業された鉛筆工場「エクリドール ペンシル ファクトリー」を1924年にアルノルト・シュバイツァーが買収し「カランダッシュ スイス ペンシル ファクトリー」と名づけた。カランダッシュは、創業より一貫して筆記具についてはスイス・ジュネーヴの自社工場にて生産しており、かつ小さな部品も含めてすべてに製品基準のテストを受け、厳しい管理の元に生産されている。また、メッキ加工の筆記具において、表面の金・銀メッキの厚みは10マイクロメートルにも達し、他社に比べて2倍程度厚くなっている。現在日本では、デザイン性や素材の先進性、高級感に優れた高級筆記具メーカーとして有名であるが、1980年?1990年の中半頃までは、優れたライターや高級バッグのメーカーとしても知られていた。また、本社のあるスイスでは、デザイナー向けの高級ラインからキッズ向けの入門ラインを持った鉛筆や色鉛筆、絵の具、更には粘土まで扱う画材メーカーとして知られ、親しまれている。一方日本においても、高級なラインだけではなく比較的廉価な文具コレクションも展開しており、同社の高い技術力や先進的なデザインを気軽に堪能することも可能である。 なお、筆記具やライターの多くはスイス・ジュネーヴの自社工場にて生産しており、保証書や外箱、筆記具本体には特徴ある文字体の Swiss Made、もしくはGenevaの刻印が入っている。
主な歴史
1915年、カランダッシュ社の前身である、エクリドール鉛筆製造所がスイスの首都ジュネーヴに設立される。
1924年、当時会社を引き継いだアーノルド・シュバイツァーがエクリドール鉛筆製造所を、「カラン ダッシュ スイス鉛筆製造所」として再出発させる。
1929年、自動給芯機構を持つ世界最初の完全金属製メカニカルペンシル「フィックスペンシル」(現在のチャック給芯式シャープペンシルの原型)を開発、特許を取得し、カランダッシュ社のデザイン上の特徴である六角形デザインの「エクリドール」 として発売。
1953年、ボールペンを販売開始。
1972年、ローラーボールを、販売開始。
1974年、高い製造技術と優れたデザイン性を持つ、ライターを販売開始。
1999年、「ラ・モデルニスタ ダイヤモンド」を発表。ギネス世界記録2001年版に「世界で最も高級な筆記具」として登録される。
2007年、1本2000万円の超高級万年筆『1010』を発売し、話題になった。この『1010』は世界限定10本で、日本には1本のみ輸入された。
2008年、上述の『1010』により、世界的万年筆専門誌であるPEN WORLDにて、『PEN OF THE YEAR』を受賞。
2009年、日本初のフラッグシップ店として、丸の内本店を開店。
2010年、1本1億円の超高級万年筆、『1010ダイアモンド』を発売し、大きな話題になった。オークションや歴史的要素などを除いた、正規価格製品としては万年筆史上最高額とみられる。
2015年、筆記具・画材などすべての商品を一堂に集めたフラッグシップ店『カランダッシュ 銀座ブティック』を開店。
2018年、カランダッシュ公式オンラインストアをスタート。
2019年、画材の日本総輸入代理店がホルベイン画材から日本現地法人であるカランダッシュ ジャパン(株)に移行した。
2020年、849コレクションのカスタマイゼーションサービスを銀座ブティックで開始。ボディ、クリップ、ノックボタンを自由に組み合わせられるほか、オプションでメッセージの刻印も可能。
概要