カムイ伝
[Wikipedia|▼Menu]

カムイ伝
漫画:カムイ伝
作者
白土三平
出版社青林堂
掲載誌月刊漫画ガロ
レーベルゴールデンコミックス(小学館
発表号1964年12月号 - 1971年7月号
巻数全21巻
漫画:カムイ伝[第二部]
原作・原案など白土三平(原作)
作画岡本鉄二
出版社小学館
掲載誌ビッグコミック
レーベルゴールデンコミックス
発表号1988年5月10日号 - 2000年4月10日号
巻数全22巻
テンプレート - ノート
プロジェクト漫画
ポータル漫画

『カムイ伝』(カムイでん)は、白土三平による日本の長編劇画1964年から1971年まで『月刊漫画ガロ』に連載された。連載中、『週刊少年サンデー』(小学館)に『カムイ外伝』を不定期連載している。1982年から1987年まで『ビッグコミック』(小学館)誌上に『カムイ外伝 第二部』を連載、そして同誌上に1988年から2000年まで『カムイ伝 第二部』が発表された。構想されていたとされる『カムイ伝 第三部』は作者の死去によりついに発表はされなかった。『カムイ外伝』は別項目を参照。2021年10月時点で「カムイ伝」シリーズの累計発行部数は1500万部を突破している[1]
作品内容

江戸時代の様々な階級の人間の視点から重層的に紡ぎ上げられた物語となっている。名脇役が数多く登場する壮大なスケールのこの物語は、1964年の連載開始から50年以上経過しながらも完結を果たせずに作者は亡くなった。白土自身の漫画家生活の大半をこの作品に費やしたことから、白土のライフワークとも言われる。
第一部
発表
月刊漫画ガロ』1964年12月号から1971年7月号までの全74回
単行本
1967年:ゴールデンコミックス『カムイ伝』全21巻1979年:旧小学館文庫『カムイ伝』全15巻1982年:小学館豪華愛蔵版『カムイ伝』全4巻1988年:小学館叢書『カムイ伝』全15巻1995年:小学館文庫『カムイ伝』全15巻2005年:ビッグコミックススペシャル『カムイ伝全集[第一部]』全15巻

「カムイ」とは主人公である忍者、およびサブストーリーとして語られる狼の名前である。主にカムイ(非人)、正助(農民)、竜之進(武士)という三者三様の若者を中心に物語は展開されてゆくが、非人のカムイは物語の進展にともない傍観者的になり、農民の正助が物語の中心になっていく。江戸時代初頭の架空の藩を舞台に展開され、主人公もまた架空の人物である。百姓道具の発案を作中の架空の人物にさせていることや、作品の発表された時代背景により「穢多」「非人」身分を全て「非人」に統一しているなど、フィクション的要素も多い。旧来の漫画にはみられない様々な群像が入り乱れる骨太のストーリーが高く評価され、時代小説に比しても遜色ない漫画路線の礎を築いたとされる。それは「ヴィジュアルは映画を凌ぎ、ストーリーは小説を越えた」というかつてのキャッチコピーにもみて取れる。

白土はこの作品連載のために「赤目プロダクション」を設立。『カムイ伝』前半のペン入れを小島剛夕[2]、後半のペン入れを白土の弟である岡本鉄二がそれぞれ担当した。物語中盤において画風に少し変化が感じられるのはそのためである(明確ではないが、全15巻型単行本では第10巻第四章辺りから)。作品の最後に『カムイ伝』は全三部作であると述べられるが、これは当初から決まっていたことである[3]
第二部
発表
ビッグコミック』1988年5月10日号から2000年4月10日号までの全168回
単行本
1989年:ゴールデンコミックス『カムイ伝[第二部]』全22巻※連載の途中までを収録1999年:ビッグコミックスワイド『カムイ伝[第二部]』全10巻※ゴールデンコミックス第20巻までの内容2006年:ビッグコミックススペシャル『カムイ伝全集[第二部]』全12巻

基本的に第一部の続きの世界を描いている。ただし、第一部と作中の年号がかぶっていることなど、一部矛盾する点もある。第二部においては、藩の場所をある程度の地域に定めており、歴史上の人物を多く中心においた構造になっている。また、作品に執筆当時の時代の風潮を大きく取り入れる作者であるとされ、例えばマルクス主義に対する時代の評価などが、第一部と第二部の間に大きく変化をもたらしているとの見方もある。

第二部においては岡本鉄二が一貫して作画を行なっており、作画者としてもクレジットされている。なお、「カムイ伝 第二部』は連載中に完結しておらず、単行本(二種)も最後まで収録されないまま続刊の発行を中止。2006年発行の単行本『カムイ伝全集[第二部]』第12巻に初めて連載分の最後まで全てが収録され、さらにラストの5枚が追加され完結となった。
第三部

構想は進んでいるが、発表は未定。2021年に白土が死去した為、事実上の未完となった。
登場人物(第一部)
カムイ(弟)
物語序盤の主人公。身分上最下層とされる「夙谷」(しゅくだに)と呼ばれる非人部落の出身だが、物乞いに甘んじる部落の連中を嫌って、自由と誇りを求め単身で生きようとする。百姓小頭たちによって非人の子供が殺され、復讐のため立ち上がったが、あっけなく捕らわれ斬首の刑に処せられた。
カムイ(兄)
死んだはずのカムイが再び姿を現したことで、カムイに双子の兄がいることが判明する。以後、兄カムイがシリーズを通しての主人公となる。容姿は弟カムイと瓜二つで、弟に比べ冷静沈着。喧騒を嫌い、特に騒がしい女を毛嫌いしている節がある。強くなることが唯一の自由だと信じ、その信念が自らを忍の道へと導く。


次ページ
記事の検索
おまかせリスト
▼オプションを表示
ブックマーク登録
mixiチェック!
Twitterに投稿
オプション/リンク一覧
話題のニュース
列車運行情報
暇つぶしWikipedia

Size:25 KB
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
担当:undef