Ε-カプロラクタム
IUPAC名
Azepan-2-one
別称1-Aza-2-cycloheptanone, 2-Azacycloheptanone, Capron PK4, Cyclohexanone iso-oxime, Extrom 6N, Hexahydro-2-azepinone, Hexahydro-2H-azepin-2-one (9CI), Hexanolactame
識別情報
CAS登録番号105-60-2
68 °C
沸点
136-138 °C @ 10 mm Hg
水への溶解度820 g/L (20 °C)
危険性
RフレーズR20, R22, R36/37/38
引火点125 °C
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。
ε-カプロラクタム(イプシロン カプロラクタム、ε-Caprolactam) はアミド、ラクタムの一種。分子式は C6H11NO、分子量は 113.16で、融点 69 °C、沸点 267 °C。別名 2-ケトヘキサメチレンイミン、2-オキソヘキサメチレンイミン、アミノカプロン酸ラクタム。ヘキサンの両端がアミド結合でつながった構造をしている。6-ナイロンの原料として知られる。 白色で吸湿性の薄片または結晶で、水に溶けやすい。加熱や燃焼により分解して窒素酸化物、アンモニアなどを生じる。 強酸化剤と激しく反応する。加水分解するとε-アミノカプロン酸となる。 2019年の改訂で、国際がん研究機関 (IARC) によるIARC発がん性対象一覧で「Group3(ヒトに対する発がん性については分類できない)」に分類されている[1]。 ε-カプロラクタムの合成は、ベンゼン又はフェノールを出発物質として行われる。光ニトロソ化法を除き、まずシクロヘキサノンを合成し、これをシクロヘキサノンオキシムに変換する。光ニトロソ化法は、ニトロソベンゼンを合成し、これをシクロヘキサノンオキシムに変換する[2][3]。関西大学が開発した手法ではシクロヘキサンを出発物質とし、ニトロソシクロヘキサンを経てシクロヘキサノンオキシムを得る[4]。いずれの合成法においてもシクロヘキサノンオキシムのベックマン転位によりε-カプロラクタムが得られる。
性質
合成方法
シクロヘキサノンの合成法
ベンゼンからのシクロヘキサノンの合成は、ベンゼンを水素化して得られたシクロヘキサンを酸化する方法、またはベンゼンを部分水素化してシクロヘキセンとし、これを水和反応でシクロヘキサノールとした後、脱水素してシクロヘキサノンを得る方法がある[5]。
フェノールからのシクロヘキサノンの合成は、水素化により直接シクロヘキサノンを合成する[5]。
シクロヘキサノンからシクロヘキサノンオキシムの合成法
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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
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