この項目では、星について説明しています。その他の用法については「カノープス (曖昧さ回避)」をご覧ください。
カノープス[1][2](Canopus)は、りゅうこつ座α星、りゅうこつ座で最も明るい恒星で全天21の1等星の1つ。太陽を除くとシリウスに次いで全天で2番目に明るい恒星である。 地球から見て(太陽を除き)全天で最も明るい恒星シリウスの地球との距離は約8.6光年、全天で3番目に明るい恒星ケンタウルス座α星は約4.3光年の距離だが、カノープスはそれらより遥か遠方に位置し約310光年の彼方にある。にもかかわらず全天で2番目の明るさ(見かけの等級)があるのは、距離の影響をしのぐほどの強く眩しい光を放つ恒星だからである[7][8][11]。 赤緯マイナス52度42分に位置するため、南半球では容易に観測できるが、北半球では原理的には北緯37度18分(=90度?52度42分)度以北では南中時でも地平線の下に隠れて見ることができない。ただし、大気を通るときの屈折があるため、北限はわずかに北上する[12]。日本では東北地方南部より南の地域でしか見ることはできない。角度では可能とされる地域であっても、北緯36度の東京の地表では南の地平線近く2度程度、北緯35度の京都でも3度程度の高さにしか上らず、地上からの光害や、大気を通る距離も長いため全天でシリウスに次いで明るいとは思えないほどに減光して赤くなり、見つけることはより困難となる。本州より南に位置する九州地方では本州よりは高い位置に観測でき、九州南部の鹿児島県鹿児島では6度程度、南西諸島の沖縄県那覇では10度程度の高さまでのぼる。さらに南緯37度18分以南、たとえばオーストラリアのメルボルンなどでは、一年中地平線下に沈むことのない周極星になる。 日本の宇宙探査機「さきがけ」や「すいせい」では、姿勢制御のためのスター・トラッカーの対象としてカノープスが使われた[13]。 カノープスは太陽のおよそ8倍の質量を持つ恒星で[7]、輝巨星または超巨星に分類され[8]、光度は太陽の1万倍かそれ以上に達する[8][7]。
概要
観測と利用東京から見たカノープス(2009年12月)
天体としての性質