カナール・アンシェネ
[Wikipedia|▼Menu]

カナール・アンシェネ
種別風刺新聞
判型560 × 360 mm
所有者SAS Les Editions Marechal - Le Canard enchaine
編集長エリック・エムプタズ
ルイ=マリー・オロー
ゼネラル
マネージャーニコラ・ブリモ
設立1915年
言語 フランス
発行数358,347部 (2016年現在)
ISSN0008-5405
ウェブサイトhttps://www.lecanardenchaine.fr/
フランス
都市パリ

カナール・アンシェネ(Le Canard enchaine)は、1915年にジャンヌ・マレシャルとモーリス・マレシャルが創刊したフランスの週刊風刺新聞である。フランス最古の新聞の一つであり、特に風刺新聞としては最も長い歴史を誇る[1][2]。同じく風刺新聞として知られる『シャルリー・エブド』と同様に、報道機関としての独立性を維持するために広告は一切掲載しない方針である[3]
目次

1 概要

2 構成

3 特徴

3.1 影響力の大きい内容

3.2 日本からの批判と抗議


4 脚注

5 外部リンク

概要

1915年9月10日、ジャンヌ・マレシャルとモーリス・マレシャルが風刺漫画家アンリ=ポール・デヴォー・ガシエとともに創刊。100年以上の長い歴史を誇る風刺新聞であり、販売部数は各週約40万部[4]調査報道と過激な風刺画により体制を批判し、政財界の腐敗を暴いてきた。

政治的立場としてはもともと左派であり、「反体制順応主義(反体制)、反パリ中心主義、平和主義反教権主義、反軍国主義、要はアナキズム」とされるが、報道の客観性を維持するために左派でも右派でもないと主張する[5]。 実際、社会党ミッテラン政権時代の一連の腐敗を暴いた1981年には売上が73万部に達した[3]。最近では、2017年フランス大統領選挙では有力候補であった中道右派のフランソワ・フィヨン元首相の不正給与疑惑などのスキャンダルを暴いた[6][7]

ジョルジュ・クレマンソーが発行した新聞『L'homme libre (自由の人)』が当時の政府を厳しく批判したために検閲を受けて廃刊になり、皮肉を込めて『L'homme enchaine (鎖につながれた人)』と改名した[8]。マレシャル夫妻はこうした検閲反対、表現の自由、風刺の精神にインスピレーションを受けて、『Le Canard enchaine (鎖につながれたカモ)』と命名した[9]。"Canard (カモ)" はフランス語のスラングで「新聞」という意味である。

『カナール・アンシェネ』は発行を続けるにつれて人気を博し、1940年に、フランスがナチス・ドイツに占領された期間の一時休刊まで、世論に影響を与え続けた。フランス解放後は発行を再開し、1960年代には、現在の8ページの書式に増やされた。
構成

この新聞は、原則8ページで構成されている。1?4ページと8ページは主にニュースと社説である。5?7ページは社会問題(環境問題など)、背景、一般的なユーモアや風刺漫画、文学・演劇・映画などの批評が掲載されている。
特徴

発刊初期に貢献した人物は、共産党社会党のメンバーであったが、1920年代にこれらとの協力関係は解消された。政治的に左派の傾向があるが、現在の新聞社のオーナーは、いかなる政治・経済のグループとの結びつきはない。また、いかなる提携からも強く独立を守っていることで、犯罪の告発といった記事や、偏りのない政党批判を展開している。

注目すべきは、フランスの政治と財界のスキャンダルに焦点を当てている点である。かつて他の主要な新聞は、政治汚職やスキャンダルを追及することに乗り気ではなかった(現在では、それらの新聞も積極的である)。しかし、本紙はその空白を埋めるかのごとく、これらの追及を進んで行った。

しかしながら、最近は改善したとはいえ、国際報道についてはムラがあるともいわれる。これらの情報源は、フランス政府や他のメディアによる報告であることも多い。

有名な記事としては、インチキのインタビュー、一週間をまとめた「Prises de Bec(口論)」や、有名な文章の切り抜き(とはいうものの、出版物での誤植・言葉のおかしな誤用など)、悪名高く謎めいた「Sur l'Album de la Comtesse(伯爵夫人のアルバム)」などがある。

基本的に広告は掲載されていない。
影響力の大きい内容

本紙は密告者による情報を含んだ、政治家の「消息筋」や公的行政機関のリークなどを記事にする。フランスにおける政治背景の情報が充実しており、これらの暴露記事によって、内閣の大臣が辞任に追い込まれることもたびたびある。

また、記事の中には、明らかに、非常に高い地位の者が情報源である内容も見られる。シャルル・ド・ゴールはよく標的にされ、本紙が刷り上がる毎週水曜日に「あの忌々しい鳥は何と言っている?(que dit le volatile?)」と述べたとされる。大統領首相といった国のトップたる政治家が、他の政治家について語ったオフレコが、一字一句記載されることが多い。


次ページ
記事の検索
おまかせリスト
▼オプションを表示
ブックマーク登録
mixiチェック!
Twitterに投稿
オプション/リンク一覧
話題のニュース
列車運行情報
暇つぶしWikipedia

Size:24 KB
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
担当:undef