カナート
[Wikipedia|▼Menu]
.mw-parser-output .hatnote{margin:0.5em 0;padding:3px 2em;background-color:transparent;border-bottom:1px solid #a2a9b1;font-size:90%}

この項目では、地下水路について説明しています。スーパーマーケットについては「洛北阪急スクエア」をご覧ください。
モロッコにおけるカナートカナートの横断面

カナート(アラビア語: ????‎, qan?t)とは、イランの乾燥地域に見られる地下用水路のこと。同様のものをアフガニスタンパキスタンウズベキスタン新疆ウイグル自治区などではカレーズ(karez; ペルシア語: ?????‎ 転写:k?riz)といい、北アフリカではフォガラ(foggara)という。

イラン高原を中心に各時代に出現したペルシア帝国が、ティグリス川ユーフラテス川沿岸の古代メソポタミア文明を凌駕した点の一つにこのカナートという灌漑施設があったといわれる。現在に至るまで古代に起源を持つこの水路が使われている地域も多い。

山麓の扇状地などにおける地下水を水源とし、蒸発を防ぐために地下に水路を設けたものである。山麓に掘られた最初の井戸で水を掘り当ててその地点から横穴を伸ばし、長いものは数十kmに達する。水路の途上には地表から工事用の穴が掘られ、完成後は修理・通風に用いられる。水路が地表に出る場所には、耕地や集落のあるオアシスが形成されている。耕地では小麦大麦に加え、乾燥に強いナツメヤシ、近年では綿花サトウキビなどの商品作物の栽培が行われている。
各地の名称

ペルシア語:ガナート ???? (ghan?t)、カーリーズ ????? (k?r?z)

アラビア語フスハー):????(語義:(中が空洞な)槍;(主にまっすぐな、ないしは曲がった)棒、シャフト、ポール;(狭いもしくは幅広の)水路、運河[1][2][3][4]) *文語アラビア語の休止形発音では qan?h(カナーフとカナーハが混ざったような発音で、最後のh音は無母音のため軽く発声)、口語に近い簡略化された休止形発音では qan?(カナー)、また現代では語末にある文字 ? (ター・マルブータ)の直前が長母音?の場合「?(h)」音ではなく「?(t)」音で読むことが許容されておりqan?t(カナート)と読むことの根拠になっている。

アラビア半島ファラジ ??? (falaj, ファラジュ)[5]

マグリブ:フォッガーラ ?????? (foggara)[6]

モロッコ:ハッターラ、カタラ ????? (khettara)[7]


ダリー語アフガニスタン):カレーズ ????? (k?r?z)

ウイグル語:カリズ ????? (kariz)

中国語:坎児井(k?nrj?ng、カアルジン、新疆ウイグル自治区トルファン盆地甘粛省等にある)

日本語:マンボ[注 1]。「マンボ」という名前の語源ははっきりしないが、オランダ語の「マンプウ」から出たものであるという説が谷崎潤一郎の『細雪』に紹介されており、鉱山の坑道、地中の水脈を求めて横堀りした水路、鉄道の線路盛土の下に掘られた狭い通路や水路などが、「マンボウ」「マンプウ」「マンポウ」「マンボ」「マンポ」「マンプ」などと呼ばれているという[9]
カナートの伝播と名称
脚注[脚注の使い方]
注釈^ 東海地方、愛知県三重県京都府などにある人工地下水路。「間風」、「間歩」、「万堀」などと綴られる。水田かんがいの他、生活用水や酒造用にも使用され、江戸時代から大正まで掘削されたが、農業用水施設の整備にともない減少している[8]

出典^ “The Living Arabic Project - ????” (英語). 2023年12月27日閲覧。
^ “???? ??? ????? ???? (????)”. www.almougem.com. 2023年12月27日閲覧。
^ “??????? - ????”. 2023年12月27日閲覧。
^ 「カナート」がアラビア語でオアシスを意味するとの記事が見られるが誤り。アラビア語でオアシスは??????(w??ahないしはw??a, 日本語カタカナ表記:ワーハ)と呼ばれ、カナートとは全く別の語となっている。
^ “The Living Arabic Project - ???” (英語). 2023年12月27日閲覧。
^ “International Glossary of Hydrology:AR 0720 foggara” (アラビア語). UNESCO. 2016年8月2日時点の ⇒オリジナルよりアーカイブ。2005年8月7日閲覧。
^ “Khettara” (アラビア語). UNESCO. 2022年5月20日時点の ⇒オリジナルよりアーカイブ。2005年8月7日閲覧。
^ “東海の歴史的水利遺構 - マンボ - 木曽調だより第17号” (PDF). 農林水産省東海農政局. p. 4 (2007年3月). 2018年4月22日時点の ⇒オリジナルよりアーカイブ。


次ページ
記事の検索
おまかせリスト
▼オプションを表示
ブックマーク登録
mixiチェック!
Twitterに投稿
オプション/リンク一覧
話題のニュース
列車運行情報
暇つぶしWikipedia

Size:12 KB
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
担当:undef