カナダ軍
カナダ軍(カナダぐん、英: Canadian Armed Forces、略称:CAF、仏: Forces armees canadiennes、略称:FAC)は、カナダが保有する軍隊である。 カナダは北アメリカ大陸北部を領有し、冷戦期にはアメリカ合衆国とソビエト連邦の間に挟まれる軍事的な緊張地帯に位置していた。カナダ軍は本部を首都のオンタリオ州オタワに置き、カナダの国防を達成するために安全保障と自主独立を追求し、必要に応じては災害派遣や民生支援などの活動を行うことを基本的な任務としている。カナダ軍は全軍合わせて、正規軍約67,492人[2]の兵力を有する。現在は志願制となっている。予備役は約36,381人。 カナダ憲法の規定では、カナダ軍最高司令官はカナダの国王/女王(2022年現在に於いてはイギリス国王でもあるチャールズ3世)である。しかし1904年からは、カナダ総督がその任につき、1905年に特許状でも最高司令官としての任務を委任された。ウェストミンスター制の立憲議会制度の上では、カナダ軍に対する事実上の指揮権は首相が保持している。カナダ軍の指揮系統は文民統制の観点から国防大臣から国防参謀総長(Chief of the Defence Staff
概要
北大西洋条約機構(NATO)にも加盟しており、アメリカ軍とは緊密な集団安全保障の体制を構築している。核戦力を保有していないためにアメリカ合衆国に依存しているが、アメリカ合衆国とともにカナダは北アメリカ大陸の防衛のため、北アメリカ航空宇宙防衛司令部(NORAD)を共同で設置して防空の分野で重要な役割を果たしてきた。アメリカ合衆国の非武装軍用機が領空に入ることやカナダ軍の施設を訓練で使用することについても認められている。
またイギリスやドイツの陸軍部隊の戦闘訓練やフランスの空軍部隊にも飛行訓練で施設を使用させている。加えてカナダは国連主義の外交政策と関連して平和維持活動(PKO)を重視しており、一定の枠組みを作って積極的に戦力を派遣している。世界的にも珍しく一軍制を採用しているが、これにはカナダの歴史的な背景が関連している。 1867年のカナダ自治領誕生以前は、現在のカナダに当たる地域にはフランス軍、イギリス軍及び地域の民兵団が組織されていた。民兵団は他の欧州諸国や先住民族、後のアメリカ独立戦争や米英戦争期にはアメリカ合衆国軍、またはフェニアン襲撃やメティのレッド川蜂起(Red River Rebellion)や北西の蜂起
歴史
カナダにおける軍事指揮権は、イギリスの元首(British Crown-in-Council)及び、1906年にイギリス陸軍とイギリス海軍がハリファックスから全面撤退するまで駐在していたイギリス陸軍の北米総司令官(Commander-in-Chief, North America)が掌握していた。その後カナダ海軍と、その航空隊としてカナダ空軍が設立された。