座標: .mw-parser-output .geo-default,.mw-parser-output .geo-dms,.mw-parser-output .geo-dec{display:inline}.mw-parser-output .geo-nondefault,.mw-parser-output .geo-multi-punct,.mw-parser-output .geo-inline-hidden{display:none}.mw-parser-output .longitude,.mw-parser-output .latitude{white-space:nowrap}北緯30度0分 東経27度30分 / 北緯30.000度 東経27.500度 / 30.000; 27.500
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概要
ほとんどが不毛の地であり、わずかに雨が降る地域にアカシアの一種アカシア・ラディアーナ(Acacia raddiana)の森があり、そこでは多くの生物も見られる。
この低地はチーターの生息地として重要であり、主に北部、西部、北西部に分布している。Ein EI Qattara、Ein EI Ghazzalatといったオアシスや、この低地内外のアカシアの森に見られるが、それぞれの場所で分布が孤立している。ガゼル属のドルカスガゼル (Dorcas gazelle) 、リムガゼルも生息しており、チーターの重要な食料になっている。ガゼルは主に湿地が多くやわらかい砂地の南西部に分布している。ガゼルが住む領域は900 km2に及び、そこにはHatiyat Tabaghbagh、Hatiyat Umm Kitabainといったオアシスや、点々とした湖と塩沼、ヤシの森、イネ科のデスモスタキヤ・ビピンナータ (Desmostachya bipinnata) の草原がある。そのほかにケープウサギ (Cape Hare) 、ゴールデンジャッカル、サバクギツネ (Ruppell's Fox) 、フェネック も生息している。かつてはバーバリーシープ も多かったが今では減ってしまった。また、絶滅してしまったが、かつてはシロオリックス、アダックス、キタハーテビーストも生息していた。
ここに定住している人間はいない。遊牧民のベドウィンが立ち寄ることがあり、特に乾季に水を求めてモーグラオアシスを訪れる人は多い。 カッターラ低地は軍用車、とりわけ戦車の通行が困難である。第二次世界大戦中、この地形がエル・アラメインの戦いで決定的な意味を持った。特に塩沼の通過が困難であり、断層崖やフェチフェチ (Fech fech
第二次世界大戦
1958年のイギリス映画『恐怖の砂』(Ice cold in Alex)で、この地での戦いが描写されている。
土地開発水路案(色線)
1957年、アメリカのCIAは当時のアメリカ大統領アイゼンハワーに対し、カッターラ低地に水を入れて湿地にするよう進言した。CIAはその理由として、(1)美しく平和な地となる、(2)隣接地域の気候も穏やかになる、(3)建設作業がパレスチナのアラブ人に仕事を与え、完成後も彼らの職と住居の源となる、(4)エジプト大統領ナーセルがソビエト連邦の楔から離れるきっかけになるかもしれない、の4つを示した。もっともアイゼンハワーはその提案を、馬鹿げたことだと一蹴している[1]。
1960年代、地中海の水をカッターラ大地に引いて、アスワン・ハイ・ダムに並ぶ水力発電所を作ってエジプト北部の電力源とする計画が持ち上がった。ナーセル大統領の時に計画された[2]。計画は、北方80キロメートルにある地中海からカッターラ低地に向けて、数々の水路やトンネルを設け、海水は発電タービン用の水圧管 (penstock) を通り、水面下90mの位置で放水する。カッターラは高温で乾燥しているため、放水した海水は蒸発して無くなる。蒸発した水はやがて雨の恵みをもたらすだろう、というものだった。後に、人の定住地域から離れているため、平和的核爆発による水路掘削も提案された。ただし、いずれも実現には至っていない[2]。
注釈、出典^ "CIA Suggestions," Document Number CK3100127026, reproduced in Declassified Documents Reference System, Farmington Hills, MI: Gale, 2009
^ a b ブリタニカ国際大百科事典 小項目電子辞書版 (c)2006, Britannica Japan Co.,Ltd.
参考文献
Annotations. Central University Libraries at Southern Methodist University. Vol. VI, No. 1, Spring 2004.
Manlius, M., Menardi-Noguera, A. and Andras Zboray, A. (2003). Decline of the Barbary sheep (Ammotragus lervia) in Egypt during the 20th century: literature review and recent observations. J. Zool. (London) 259: 403?409.
Nora Berrahmouni and Burgess, Neil (2001] Saharan halophytics (PA0905). World Wildlife Fund; ⇒online.
Saleh, M.A., Helmy, I. and Giegengack (2001) The Cheetah, Acinonyx jubatus (Schreber, 1776) in Egypt (Felidae, Acinonychinae). Mammalia 65 (2): 177-194.
⇒Mediterranean-Qattara Hydro-electric Proposal
Map of Qattara Depression
Segal et al. ⇒On climatic changes due to a deliberate flooding of the Qattara depression (Egypt)(PDF), Climatic Change 5(1983) 73-83