カジメ
カジメ
分類
カジメ(搗布[2][3][4][5]、未滑海藻[2]、学名: Ecklonia cava)は、コンブ目コンブ科[注 2]カジメ属に属する大型の褐藻の一種である。根のような付着器で岩に付着し、1本の茎(茎状部)の先端に葉(葉状部)がつき、その両縁から側葉が羽状に伸びている。多年生であり、大きなものは高さ2?3メートルになる。葉の表面はふつう平滑でシワはない。本州中部太平洋岸と瀬戸内海の一部に分布し、低潮線下で大規模な藻場(海中林)を形成する。古くは「かちめ[9](加知女[10])」ともよばれた。食用とされることもある。
類似種としてアラメがあるが、茎の先端が2叉に分かれること、葉にふつうシワがあることでカジメとは異なる。またカジメ属の中で、カジメの類似種としてクロメやツルアラメがあるが、これらも葉状部にシワがあること、またツルアラメは発達した匍匐枝(ストロン)をもつことなどで区別される。ただし遺伝子解析からは、カジメとクロメ、ツルアラメの間の境界が不明瞭であることが示され、クロメとツルアラメをカジメの亜種とすることが提唱されている。ただし以下では、クロメやツルアラメを含まない狭義のカジメについて解説する。 複相 (染色体を2セットもつ) で大きな胞子体と単相 (染色体を1セットもつ) で微小な配偶体の間で異形世代交代を行う[11]。 胞子体は叉状分岐する付着器とそこから伸びる茎(茎状部)、およびその先端についた葉(葉状部)からなり、多年生(3?6年)で大きくなると高さ2?3メートルに達する[4][5][11][12]。1年目の茎は短いが、発達した茎は円柱状で直径1?3センチメートル(ときに中空になる)、長いものは2メートルに達し、頂端では連続的に葉に移行する[4][12]。1年目の葉は1枚の笹の葉状の中央葉のみであるが、やがてその両縁から側葉を生じ、これが発達する[4][12]。中央葉は幅5?6センチメートル、中軸が厚く、長さ30?100センチメートルになる[12]。中央葉の両縁から羽状に生じる側葉は幅4?6センチメートル、長さ30?60センチメートル、両縁からさらに二次側葉を生じることがある[4][12]。側葉は1年間に数十枚形成、脱落を繰り返す[11]。
特徴