カシン型駆逐艦
61型大型対潜艦
「クラースヌイ・カフカース」
基本情報
艦種
警備艦 (SKR; ?1966年、1992年?)
大型対潜艦(BPK; 1966年?1992年)
大型ミサイル艦(BRK; 1977年?1980年; 61M・MP型のみ)
前級BPK: 57-A型 (カニン型)
準同型艦 61ME型(ラージプート級)
次級BPK: 1135型 (クリヴァク型)
要目 (61型後期建造型)
基準排水量3,550トン
満載排水量4,510トン
全長144 m
最大幅15.8 m
吃水4.6 m
機関方式COGAG方式
主機M8Eガスタービンエンジン×4基
推進器スクリュープロペラ×2軸
出力72,000 hp (54 MW)
速力38ノット (70 km/h)
航続距離3,500海里 (18ノット巡航時)
乗員266名
兵装
AK-726
カシン型駆逐艦(英語: Kashin class destroyer)は、ソビエト連邦海軍・ロシア海軍が運用する警備艦・大型対潜艦・大型ミサイル艦の艦級に対して付与されたNATOコードネーム。ソ連海軍での正式名は61型大型対潜艦(露: Большие противолодочные корабли проекта 61)。また改良型として61M型および61MP型も開発され、こちらは改カシン型と称された。
ソ連海軍初の新造ミサイル駆逐艦であるとともに、世界で初めてエンジンを全てガスタービンとした艦級として知られており、1960年代から1970年代にかけて20隻が就役し、艦隊のワークホースとして活躍した。1974年に1隻が事故で失われ、またほとんどが1980年代末から1990年代にかけて退役したが、01090型として改修された1隻はその後も運用を継続し、一時は世界一艦齢の古い駆逐艦となった。この艦も2020年に退役して博物館船となった。 冷戦構造の成立当初、ソ連海軍は西側の空母機動部隊の侵入阻止を主任務として構想していた。しかし1960年前後より、アメリカ海軍をはじめとする北大西洋条約機構(NATO)諸国軍において潜水艦発射弾道ミサイル搭載原子力潜水艦(SSBN)の配備が進展しつつあり、これへの対抗策が急務となった[1]。 1956年、新しい対潜・防空警備艦に関する戦術・技術規則が承認され、これに基づいて本型の開発が開始された。開発は第53中央設計局(TsKB-53
来歴
なお、同艦の建造中の1961年12月30日、ソ連共産党政治局および閣僚会議は、第1180号-510議決により、従来のソ連海軍で採択されてきた対水上・対地火力投射というドクトリンを廃し、かわって対潜戦を重視することを正式に決定した。またこれを受けて、1966年5月19日、新艦種として大型対潜艦(BPK)が創設され、本型もこちらに種別変更されている[3]。
設計外観。
本型の設計の最大の特徴が、オール・ガスタービン推進方式の採用であり、これは外洋型の艦船としては世界初の試みであった[注 1]。4基のM8Eガスタービンエンジン(単機出力18,000馬力 (13 MW))が2基ずつ、COGAG方式で左右両舷のスクリュープロペラ計2軸に配されている。ただし単機種4基による構成であったことから、もっとも低出力の時でも18,000馬力のガスタービンを運転し、しかももう片方の軸機は抵抗となるなど、特に低速時の燃費に問題があった[4]。
船型としては平甲板型が採用されており、また速力確保のため、58型ミサイル巡洋艦(キンダ型)と同様、船体はSHL-4高張力鋼(耐力30kgf/mm2)[2]、上部構造などには広範にアルミニウム・マグネシウム合金を採用して軽量化を図っている[5]。