カサゴ目
ネッタイミノカサゴ Pterois antennata (フサカサゴ科)
分類
カサゴ目(学名:Scorpaeniformes)は、硬骨魚類の分類群の一つ。7亜目26科279属で構成され、カサゴ・メバル・オニオコゼ・ホウボウ・コチ・アイナメなど底生性の海水魚を中心に、およそ1,477種が含まれる。眼下骨棚と呼ばれる骨格上の特徴を唯一の根拠としてまとめられた一群であり[1]、所属する魚類の形態ならびに生態は多様性に富んでいる。カジカ目とも呼ばれる。目次 カサゴ目には2006年の時点で1,400を超える種が所属し、魚類の目の中ではスズキ目(約1万種)、コイ目(約3,200種)、ナマズ目(約2,800種)、カラシン目(約1,600種)に次いで5番目に大きな一群となっている。海産種を中心とするグループとしては2番目の規模をもち、系統順位の上でもスズキ目に続いて進化の進んだ高位群として位置付けられている。 カサゴ目の魚類は極海を含めた世界中の海に分布するとともに、沿岸海域から海溝の深部(水深7,000m以深)に至るまで、極めて幅広い生息水深をもつ。頭部にトゲや骨質の隆起を備えたいかつい風貌のフサカサゴ科、指のような胸鰭で海底を歩くように移動するホウボウ科、頭部が平たくつぶれたコチ科、ぬるぬるした柔軟な体のクサウオ科など、その形態もまた多種多様である。メバルやホッケ、ギンダラなど多くの種類が釣魚・食用魚として利用されるほか、ミノカサゴなど観賞魚として水族館で飼育される鮮やかな色彩をもつ仲間も数多い。 カサゴ目は眼下骨棚(英: suborbital stay)と呼ばれる骨格上の特徴を根拠としてまとめられたグループである。パタエクス科(3種)を除くほぼすべてのカサゴ類はさまざまに発達した眼下骨棚をもち、本目を一つのまとまった分類群として定義するための重要な形質とみなされてきた。しかし、眼下骨棚は複数の異なるグループがそれぞれ独自に獲得した一つの形質に過ぎず、カサゴ目は起源の異なる分類群を寄せ集めただけの多系統群であるとする報告もなされている[2]。このように、近年では本目の単系統性を否定する見解が多いものの、包括的な新分類の提示はいまだなされておらず、従来のカサゴ目としての体系が維持されている。[要出典] カサゴ目の仲間はその多くが海水魚で、極圏を含めた全世界の海洋に分布する。カサゴ・ホウボウ・コチの仲間は熱帯から温帯にかけての温暖な海に、アイナメ・カジカ・ダンゴウオ
1 概要
2 分布
2.1 世界
2.2 日本
3 形態
4 生態
5 分類
5.1 セミホウボウ亜目
5.1.1 セミホウボウ科
5.2 カサゴ亜目
5.2.1 フサカサゴ科
5.2.1.1 メバル亜科
5.2.1.2 シロカサゴ亜科
5.2.1.3 ヒレナガカサゴ亜科
5.2.1.4 フサカサゴ亜科
5.2.1.5 ハチ亜科
5.2.1.6 ハオコゼ亜科
5.2.1.7 オニオコゼ亜科
5.2.1.8 ヒメキチジ亜科
5.2.2 ダンゴオコゼ科
5.2.3 イボオコゼ科
5.2.4 パタエクス科
5.2.5 グナタナカントゥス科
5.2.6 フエフキオコゼ科
5.3 コチ亜目
5.3.1 ホウボウ科
5.3.2 キホウボウ科
5.3.3 アカゴチ科
5.3.4 コチ科
5.3.5 ハリゴチ科
5.4 ギンダラ亜目
5.4.1 ギンダラ科
5.5 アイナメ亜目
5.5.1 アイナメ科
5.6 ノルマニクテュス亜目
5.6.1 ノルマニクテュス科
5.7 カジカ亜目
5.7.1 カジカ上科
5.7.1.1 クチバシカジカ科
5.7.1.2 トリカジカ科
5.7.1.3 カジカ科
5.7.1.4 コメーポルス科
5.7.1.5 アビュッソコットゥス科
5.7.1.6 ケムシカジカ科
5.7.1.7 トクビレ科
5.7.1.7.1 イヌゴチ亜科
5.7.1.7.2 ソコトクビレ亜科
5.7.1.7.3 サイトクビレ亜科
5.7.1.7.4 ナメトクビレ亜科
5.7.1.7.5 トクビレ亜科
5.7.1.7.6 シチロウウオ亜科
5.7.1.8 ウラナイカジカ科
5.7.1.9 バテュルティクテュス科
5.7.2 ダンゴウオ上科
5.7.2.1 ダンゴウオ科
5.7.2.2 クサウオ科
6 出典・脚注
7 関連項目
8 参考文献
9 外部リンク
概要
分布
世界 ウツセミカジカ Cottus reinii (カジカ科)。本種は琵琶湖固有の独立種とされてきたが、近年ではカジカ(C. pollux)と同種とみなす見解もある