この項目では、計量単位について説明しています。
JR東日本の車両「海里」については「JR東日本HB-E300系気動車」をご覧ください。
その車両によって新潟駅 - 酒田駅間で運行中の観光列車については「海里 (列車)」をご覧ください。
タレントについては「海里 (タレント)」をご覧ください。
「カイリ」はこの項目へ転送されています。その他の用法については「カイリ (曖昧さ回避)」をご覧ください。
海里(かいり)
記号M, nm, NM, Nm, nmi など(計量法では、M 又は nm のみ)
系非SI単位
量長さ
定義正確に1852 m(国際海里)
由来地球の大円上における弧1分の長さ
テンプレートを表示
海里(かいり、浬、英語: nautical mile)は、長さの計量単位であり、国際海里 (international nautical mile) の場合、正確に 1852 m である。元々は、地球上の緯度1分に相当する長さなので、海面上の長さや航海・航空距離などを表すのに便利であるために使われている。英語では、sea mile とも呼ばれる。目次 日本の計量法は、その第5条第2項において、用途を限定する計量単位を「特殊の計量単位」として認めている[1]。 海里はこの「特殊の計量単位」の一つであり、「海面又は空中における長さの計量」に限定して使用が認められている[2][3]。 海里は、国際単位系 (SI) に属さない。かつては(2006年から2019年まで)その公式文書の「表8 その他の非SI単位 (non-SI units)」において、「航海及び航空における距離(distance)を表すのに使用される特別な単位」として掲げられていた[4]しかし2019年以降は、海里は国際単位系 (SI) において全く認められなくなった。 現在は、正確に1852メートルである国際海里 (international nautical mile) が世界中で使われている。この定義は、1929年にモナコで開かれた国際臨時水路会議 (International Extraordinary Hydrographic Conference):国際水路機関の会議)で採用された。アメリカは1954年に、イギリスは1970年に国際海里を採用した。 1海里の10分の1を1ケーブル (cable) といい、海事では一般的に使われている。 毎時1海里の速度を1ノットという。すなわち、1ノットは、正確に 1852 m/h = 約 0.514 444 m/s である。 航空会社が実施するマイレージサービスでの「マイル」は、国際マイル(= 1609.344 m)を基にしており、海里のことではない(マイレージサービス#東京からの距離と実際のマイレージ)。 海里の単位記号 日本の計量法は、単位記号
1 概要
2 国際海里
3 海里の記号
4 歴史的な定義
5 脚注
6 関連項目
7 外部リンク
概要
国際海里
海里の記号
航空関連では nm が慣習的に用いられる。nm は国際単位系 (SI) と日本の計量法では「ナノメートル」の単位記号であるが、両者のスケール差は1兆倍以上であり、また使用される状況が全く異なるので、実用上で混同されることはまずない。
アメリカ合衆国においては、United States Government Printing Office
Style Manual (GPO Style Manual) が「nmi」と定めている[8]。日本では、「海上で使われる里」という意味で「カイリ」という言葉が作られ、「浬」という文字が作られた。当用漢字に「浬」が含まれなかったために、一時はカタカナで「カイリ」と書くことも行われたが、今日では由来に基づいて「海里」と書く。計量法では、「浬」の文字は認めていない。 海里の元々の定義は、「地球上における緯度の1分角の弧長」だった。しかし、基準とする準拠楕円体が異なること、1分角の子午線弧長が緯度によって異なること、測量誤差などにより、さまざまな定義が生まれた。
歴史的な定義
(旧)英海里 ((old) admiralty mile) = 6082 フィート = 1853.793 メートル。緯度1分の平均。
(新)英海里 ((new) admirality mile) = 6080 国際フィート = 正確に 1853.184 メートル。緯度48度での緯度1分に基づく。この単位は、1970年に廃止され、下記の法定海里に置き換えられた。
イギリスの法定海里(nautical mile
国際海里 (international nautical mile) = 正確に 1852 メートル。ベッセル楕円体の極と赤道の距離の 1/(90 × 60) に由来する。
米海里 (US nautical mile) = 6080.20 測量フィート = 約 1853.248 666 メートル
大陸式海里 = 6974.5 国際フィート = 正確に 2125.8276 メートル
電信海里 = 6087 国際フィート = 正確に 1855.3176 メートル
データマイル (data mile) = 6000 フィート = 正確に 1828.8 メートル
長さの単位メートル
(SI単位)海里ヤードチェーンマイル尺間町里
1 m= 1? 0.00053996? 1.0936? 0.049710? 0.00062137= 3.3= 0.55? 0.0091667? 0.00025463
1 M= 1852= 1? 2025.4? 92.062? 1.1508= 6111.6= 1018.6? 16.9767? 0.47157
1 yd= 0.9144? 0.00049374= 1? 0.045455? 0.00056818= 3.01752= 0.50292? 0.0083820? 0.00023283
1 ch= 20.1168? 0.010862= 22= 1= 0.0125= 66.38544= 11.06424? 0.18440? 0.0051223
1 mi= 1609.344? 0.86898= 1760= 80= 1= 5310.8352= 885.1392? 14.752? 0.40979
1 尺? 0.30303? 0.00016362? 0.33140? 0.015064? 0.00018829= 1= 0.16667? 0.0027778? 0.000077160
1 間? 1.8182? 0.00098174? 1.9884? 0.090381? 0.0011298= 6= 1? 0.016667? 0.00046296
1 町? 109.09? 0.058904? 119.30? 5.4229? 0.067786= 360= 60= 1? 0.027778
1 里? 3927.3? 2.1206? 4294.9? 195.22? 2.4403= 12960= 2160= 36= 1
脚注 第2項 前二条及び前項に規定する計量単位のほか、海面における長さの計量その他の政令で定める特殊の計量に用いる長さ、質量、角度、面積、体積、速さ、加速度、圧力又は熱量の計量単位及びその定義は、政令で定める。
^ “計量単位令(平成四年政令第三百五十七号) 別表第6 第1号「海面又は空中における長さの計量、 海里、 メートルの千八百五十二倍」”. e-Gov法令検索. 総務省行政管理局 (基準日). 2020年4月2日閲覧。 “2017年4月1日時点での施行分”
^ 表4 用途を限定する非SI単位 経済産業省
^ 訳・監修 独立行政法人産業技術総合研究所 計量標準総合センター『国際文書第8版 (2006) 国際単位系 (SI) 日本語版』(PDF)、40頁。2019年10月14日閲覧。
^ 訳・監修 独立行政法人産業技術総合研究所 計量標準総合センター『表8 その他の非 SI 単位、表註 (d)』(PDF)、40頁。2019年10月14日閲覧。
^ 計量単位規則 別表第4 - e-Gov法令検索
^ ⇒量及び単位?第3部:空間及び時間 p. 7.
^ ⇒United States Government Printing Office Style Manual 9.62. Standard letter symbols for units of measure、p. 250, nmi?nautical mile.
^ “ ⇒The Units of Measurement Regulations 1995”. 2016年4月20日閲覧。