この項目では、種Tachybaptus ruficollisについて説明しています。
カイツブリ目全体については「カイツブリ目」をご覧ください。
村上春樹の小説については「かいつぶり (村上春樹)」をご覧ください。
カイツブリ
カイツブリ(夏羽) Tachybaptus ruficollis
保全状況評価[1]
LEAST CONCERN
(IUCN Red List Ver.3.1 (2001))
分類
カイツブリ(鳰(にお)、??(へきてい)、?鵜(へきてい)、学名:Tachybaptus ruficollis (Pallas, 1764))は、カイツブリ目カイツブリ科カイツブリ属に分類される鳥類の1種。全長約26cmと、日本のカイツブリ科のなかではいちばん小さい。 アフリカ大陸、ユーラシア大陸の中緯度以南、イギリス、インドネシア、ソロモン諸島、日本、パプアニューギニア、フィリピン、マダガスカルに生息。多くは留鳥であるが、北のものは生息場所の凍結を避け、南に移動する。 日本では、本州中部以南では留鳥として周年生息するが、北部や山地のものは冬に渡去することから、北海道や本州北部では夏季に飛来する夏鳥となる。 全長は25-29cm。翼開長40-45cm。体重130-236g[2]。尾羽は非常に短く、外観からはほぼ判別できない。翼の色彩は一様に黒褐色。嘴は短めでとがり、先端と嘴基部に淡黄色の斑がある。虹彩の色は、日本の亜種は淡黄色で、ヨーロッパの亜種は黒褐色。 夏季には夏羽として頭部から後頸が黒褐色で、頬から側頸が赤褐色の羽毛で覆われる。体上面は暗褐色。また嘴の色彩が黒く、斑が明瞭。冬季には全体として淡色な冬羽となり、頭部から体部にかけての上面は暗褐色で、下面は淡褐色。頬から側頸も黄褐色の羽毛で覆われる。嘴の色彩は暗灰色で、斑が不明瞭。幼鳥は頭部や頸部に黒や白の斑紋が入り、嘴の色彩が赤い。 足は体の後部の尻あたりから生えており、歩くには非常にバランスが悪いが、足を櫂のように使って潜り泳ぐ。 流れの緩やかな河川、湖沼、湿原などに生息し、まれに冬季や[3]、渡りのときには海上で見られることもある。主に水上で生活して、ほとんど歩くことはない。川中の浅瀬を横断するために歩く姿が見られることもあるが、歩くのは非常に不安定のようである。足は歩くためではなく櫂の役割のためにあるとみられ、足が生えている位置もほかの水鳥とは違い尻付近から出ている。泳ぐ姿は上から見ると、カエルの後ろ脚のように使う。水中に潜りエビを捕食するカイツブリ 食性は主に動物食で、魚類、昆虫、甲殻類、貝類などを食べる。巧みに潜水して獲物を捕食する。1回に平均15秒前後(状態により数秒から30秒)潜水し、およそ秒速2mで泳ぐとされるが[3]、最高で水深2メートルまでと深くは潜らない[4]。 淡水域で繁殖し[3]、繁殖期には縄張りを形成する。水辺近くの水生植物や杭などに水生植物の葉や茎を組み合わせた逆円錐状の巣を雌雄で作り、4-12月に1回に4-6個の卵を年に1-3回に分けて産む(日本では主に4-7月繁殖[4])。雌雄交代で抱卵し、抱卵期間は20-25日[3]。卵は白いが次第に汚れて褐色になり、親鳥が巣を離れる際には卵を巣材で隠す。早成性で雛は泳げ、孵化後約1週間で巣から出るようになる[3]。小さいうちは親鳥が背中に乗せて保温や外敵からの保護を行い、雛を背中に乗せたまま潜水することもある。
分布
形態
幼鳥
冬羽
生態
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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
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